#hicon2018 で話した#mercarixについての資料です。
— keita0q (@keita0q) 2018年11月11日
Hi-Con 2018 MercariX https://t.co/kz68GTCrjH
mercariXについてお話します。メルカリテックカンファレンスで弊社曽川から発表しましたが、ご存知のかたいらっしゃいますか。
中身について語られていなかったので、どういうことなのかについてお話したいと思います。
メルペイ分散台帳開発部です。
僕らがなぜブロックチェーンをやるのか。
よく言われる大きな利点はここにあげた3つかと思っている
改ざん困難、対検閲、非中央集権。非中央集権の部分が一番重要だと考えている。
中央管理者無しでP2Pで改ざん困難な取引を行うことが出来る。
この特徴を用いて今後どういう変化が起きるかを考えています。
2つの変化
プラットフォーム環境の変化 一つのプラットフォーム会社が運営するサービスに人と情報が集中してどんどん中央集権に1箇所に集まり力が集まる。このような
Winner takes all からパブリックなプロトコルを用いたP2Pプラットフォームになっていくのではないか。
新たな信用の形が生まれるのではないか。 今までの信用は、基本的に交換、売買、といった一つの会社が運営していてそこを信用しないと成り立たなかった。サービスを受けたりビジネスを受ける側に立ったとき、サービス提供元をトラストしなければいけなかった
ブロックチェーン上での取引の事象に対して信用する必要がなくなるのではないか
信用の形とP2PマーケットプレイスとしてMercariからMercariXへ
2つのアプリを実装しています。メルカリと同じ、出品されているものがあり、それを買う人がいる。
もう一つがエスクローマーケットアプリ。
エスクロー、仲介するためだけのアプリを考えています。
2つを組み合わせることでブロックチェーンの特性を活かしたDappsを作ろうと考えています。
今回は折角なので社内で運用しているので、そのDemoをお見せしたいと思います。
商品が並んでいて、Mercoinで購入できる。チャット形式でやり取りし、評価を行う。
もう一つは、取引を仲介をする側
まず既存のメルカリのビジネススキームの説明です。
全体像はこの様になっています。出品されて、買いたい人が見つけて購入する。一旦メルカリにお金を渡し、ものを交換してもらい、レビューが完了すると販売者にお金が入る。
メルカリはマッチングと、エスクローという仲介業を行っている。
今はメルカリが全部の責任をおっている。買った人がちゃんとお金を払ったか、物を送ったのか・受け取ったのか・評価したのか。
Mercari Xになるとどう変わるか
だいぶ複雑に見えるがやっていることは変わらない。インセンティブの部分が一番異なる。
仲介がMercariではなく個人になる。Shipperの部分もP2Pにする。Mercoinによってお金が送られ、それをもって取引を進めていく。
エスクローの話
関わる人の誰がウォッチするかというとその取引にインセンティブを持って仲介を行うと決めた人が監視を行う。
メルカリXはつまり何かと言うとシンプルで、メルコインのトークンエコノミーの上に、マーケットプレイスとして動く形をプロトコルで提供している
仮想通貨、デジタル・アセット、リアルアセットに追いても活用できる価値交換プロトコルを作ろうとしている。
大きく分けるとListing(出品)とEscrowとScoreing
ブロックチェーンにどういう形で出品されたものを表現するのか。デジタル・アセットはそのまま載せてしまえばいいが商品情報はデータ量が多い。
不正な出品を監視しなければいけない。ここのプロトコルでもう一つ求められるのは不正な出品が起きないインセンティブ設計。
仲介、取引をマッチングさせるプロトコル。取引に対してマッチングすれば取引に責任を持つ。細かく考えるといろいろなことがある、商品が届いてないというときどう証明するのか。それをプロトコルとしてどう表現するのか、どこまでがオフチェーンでどこからガオンチェーンなのか。
仲介者と販売者が組んだら不正が出来たりしてはいけないのでそのようなインセンティブ設計。
スコアリングは評価のプロトコル。メルカリだけでなくてシェアサービスを使ったとき、Uberなど、を使ったときにわかると思うが、非常に評価は大事。評価を見て信頼して個人間のやり取りができるようになる。
Mercari Xに関しても個人間のやり取りで本当にやり取りして良いのか、仲介できるのかを判断するために必要になる。不正が行われないインセンティブも必要になる。
これだけでは全然実現できないものだと考えていて、配送やレンディングも必要。
不正のインセンティブ設計のときにデポジットが定番だと思うが、そもそもデポジットできるお金を持っているとは限らない。
なめらかな経済のためには、あとで返す、レンディングのような形も必要だと考えています。
DEX、リアルアセットを表現したものも交換できるようなものも考えたり
技術的な部分に足を踏み込んでいきます
MercariX スマートコントラクト:Listingm Escrow, Scoring, DEX, Lending, Mercoin... コンセンサス P2P
このレイヤー構造をどこから作ればこれらが実現できるかを技術レイヤーまで掘って研究が必要。そうしたこともチームで進めています。
細かなプロトコルを組み合わせて物々交換が可能なプロトコルに集約したものです。
用いる可能性がある技術
- MercariX
- スマートコントラクト:Listingm Escrow, Scoring, DEX, Lending, Mercoin...
- Plasma, Origin, 0x
- VM以下
- serenity, cosmos, ziliqa, merchain
- コンセンサス
- Casper, Tendermint
- P2P
プロトコルとそれを実現する技術のお話をしました。
- 課題
メルカリ の R4D という研究開発チームからメルペイの分散台帳開発部に。
ブロックチェーンコア技術の研究、コミュニティへの参加、暗号アルゴリズムやP2P分野も。ブロックチェーン標準化の国際会議への参加、ブロックチェーンエンジニア向け勉強会の開催などやっています。
セキュリティへの取り組み
応用研究
分散システムエンジニアを募集しています。
ブースに居るのでお越しいただいてお話できれば。ご応募お待ちしています。
Q: Mercari X が実現したらメルカリの収益は何になる?
A: エスクローのプレーヤーは今と変わらず出来ると思う。みんなこれだけを使うわけではないと思う。