FacebookやTiktokなどのSNSで最新情報が溢れ出ては消え行くベトナムのインターネット界。
日本語や英語をメインに情報収集を行う在住者からすると、「へー、ベトナムでは今こういうのが流行ってるんだー」と知った頃にはブームが過ぎ去っていることもしばしば。
…でも、そうやってブームになったものを後追いで楽しんだって良いのでは!?
というわけで、ベトナムでちょっと前から流行っている食べ物を4つ、ブームになった時期の紹介と合わせてレポートします。
その① 塩コーヒー(2023/02~)
今年2月、Tiktokでシェアされた動画がきっかけでブームとなった塩コーヒー。
その火付け役と言えるのが、「ロンおじさんの塩コーヒー (Cà Phê Muối Chú Long)」というカフェスタンドであり、現在ホーチミン市を中心に約20店舗が展開中。
創業者のロンおじさんは、塩コーヒーでの成功を元手に、貧しい人たちのための無料食堂を開業するなどの活動も行っており、そんな彼の人柄も人気の要因のひとつ…だと思われます。(弱気)
で、そのカフェスタンドの一つが家の近くにあるので行ってみることに。
ビンタイン区・Ngô Tất Tố通りです。
近くに大学のキャンパスがあることから、お安い飲食店が集まるエリア。
この橋の先は割とスラムみがあります。どきどき。
メニューは15K均一。やっす!
座って飲みたいけど、屋台だから席は無いんだよな…
次の目的地までの道すがら飲みましょう。
練乳入りの甘ーいコーヒーに、塩クリームの組み合わせでまろやかな味わい。
間違ってもごくごく飲み干すものではない…
氷を溶かしつつ、ちびちび飲むといい感じ。
街歩きしながらゆっくりと味わいましょう。
THE MANOR(コンドミニアム)の辺りまで来ました。
今でこそ治水がしっかりしていますが、昔は水没頻発地帯だったそうで。
ランドマーク81のすぐ近くまで歩いてきました。
お膝元はローカル色強め。意外と物価安いな…
その② 10ウォンパン(2023/08〜)
お次は、韓国の屋台グルメ発であり、少し前にも日本で「10円パン」として流行った「10ウォンパン (Bánh Đồng Xu)」。
生地の中にモッツァレラチーズを入れ込んで焼き上げたパンケーキで、硬貨を模した見た目なのが特徴です。
まあ、「小麦粉からなる生地に具を入れて円筒形ないし分厚い円盤状に焼成した菓子」は世界中にある気がするのですが…
で、韓流人気の高いベトナムにも10ウォンパンが到来。
今年9月くらいにハノイでブームになり、それがホーチミン市にもやってきた…という流れのようです。
特に4区にある屋台はその人気からVnExpressで記事にもなっていました。記事の中では10ウォンパンを求めわざわざホックモン郡からやってきた人の姿も。
ビンタイン区でも10ウォンパンを売る軽食屋を発見しましたので、塩コーヒーを飲みつつやって来ました。
メニューには記載無し。
ブームに便乗したけど、メニューへの反映が間に合わなかったな?(邪推)
いざ実食。その前に…
いくぞッ
…はい、SNSでよく見る「のびるチーズが入れ込まれた食べ物を半分に割って見せつけるアレ」が出来たので満足じゃよ。
で、味ですが。
ほんのり甘いパンケーキに、塩気のあるチーズが後をひきます。
3万ドンだったらそこまで割高感も無いかな?日本だと500円で売られているらしいっすね…
その③ emartのクリームパン(2023/10〜)
ゴーバップ区、トゥードゥック市(旧2区)などで展開する韓国系スーパーマーケット・emart。
そこの店内併設ベーカリーで売られているクリームパンが先月トレンドとなりました。
特筆すべきはこのクリームパン、新商品でも何でもなく、以前からの定番商品であったにも関わらず突然ブームとなったのです。
何故流行っているのか誰も知らないままに多くの人が殺到し、ブームのピーク時には最後の1個を巡って口論になったり、店の外で転売が発生したほど。人の世に争いは尽きぬ…
今回はトゥードゥック市のThiso Mallにやってきました。
地下にあるemart。ぱっと見た感じ、行列などは発生していない模様。
ベーカリーに向かうと…
おお、ピークのときほどではなさそうですが、人が集まっています。
商品ワゴンを見ると…空っぽ!
どうしたものかと考えていると…
「チョコを1箱!」「カスタードとチョコを1箱ずつ!」
集まっていた人たちはクリームパンの品出し待ちをしていたのでした。
品出し待ちというか、店員から直接商品受け取ってるけど。
何はともあれ、私も列に並びました。
ヘイにーちゃん、カスタードとチョコ1箱ずつ寄越しな!
というわけで無事にゲット。1箱3個入り・28,800ドンで売られており、カスタードクリームとチョコクリームの2種類があります。
冷えているので出来たてではなさそう。店内ではなく工場で作られているのだろうか…?
皿に上げてみました。パウダーがまぶされており、普通に食べるとポロポロこぼれそう。
ざくっ
シュッ(目にも止まらぬ速さで)
断面。結構クリーム入ってるな…
実食。まずはカスタードから。
うん…
チョコ。
…(指についた粉を払う)
普っ通ううううう!!!!!
ふかふかのパンと、柔らかめのテクスチャーでとろっとしたクリーム。
事前知識が無ければ「あー、定番商品としてロングセラーのクリームパンなんだろうなー」という感想にしかならなさそうな、普通に美味しい菓子パンでした。
いや、本当に何で突然ブームになったんだろうね…。集団心理って怖い。
その④ 手打ちレモンティー(2023/11〜)
最後は比較的新しいブームを紹介。
今年11月上旬頃からホーチミン市でブームとなっている手打ちレモンティー (Trà Chanh Giã Tay)。
中国・広東省産のレモン(ベトナム産の倍以上の価格)を使用し、それを手で潰しているのが特徴です。
今回は、たまたまインスタで見つけた店にやってきました。
「広東レモンティー (Trà Chanh Quảng Đông)」とあります。普通のレモンティーより価格は高め。
作り方を見たところ、レモン汁を絞るのと別に、レモンスライスを入れてそれを器具で潰すことで、香りを出しているようでした。
ほぼ持ち帰り専門店ですが、一応プラ椅子に座って飲むこともできます。
流行ってるものは商売を屋台でスモールスタートできるものが多いっすね…
確かに、普段飲むレモンティーより、強い香りがします。これは良いな…
…すべての店で本当に広東省産のレモンを使用しているかどうかは謎ですが、このお店に関してはインスタに「広東産のものを使用」と書いていたので、それを信じよう…
価格はどこでも大体3万ドン前後ということで、日本人的にはまあそんなもんかな?という印象ですが、ベトナム人からすると「バイクで立ち寄って持ち帰るだけな屋台の飲み物にそこまで出せるか!!」と思う人もいそうだな。。
(無理やり)まとめ
と、いうわけでちょっと前からベトナムで流行っている食べ物4選でした。
ベトナムにおいてブームが過ぎ去るのは早く(塩コーヒーは定番化したけど)、直近だと流行りに乗って10ウォンパンを売り始めたはいいものの、すぐに客足が遠のき機材を手放してしまった人もいるようです。
また、ベトナムの若者の間では「FOMO (fear of missing out)」と呼ばれる現象が発生しており、トレンドに付いていけないことに一種の恐怖を覚える人が多いのだそう。
デジタル化が進み、とりわけ都会生活では孤独を感じがちな現代社会において、コミュニティと繋がり続けたい・取り残されたくないと思う人間心理の表れなのかもしれませんね。知らんけど〜〜〜
行列のできる店、「行列がなくなったら行ってみよう〜」とか思ってるうちに店自体消えたりするよね