ホーチミン市1区の北部に位置するダカオ (Đa Kao) エリア。
ニエウロック=ティゲー運河を挟んでビンタイン区と接する地域であり、特に川沿いの辺りは1区という市内中心部でありながら、どこか清閑とした佇まいで落ち着いた雰囲気が漂うエリアです。
そんなダカオエリアには、思わず迷い込みたくなる素敵な路地裏カフェがあります。本記事ではホーチミン1区のカフェ「Mamoru Cafe(マモルカフェ)」をご紹介します。
「Mamoru Cafe」の場所
ホーチミン市1区、ホアンサ (Hoàng Sa) 通りまでやって来ました。この近辺は川沿いということで、オープンエアのカフェや食堂も多くて良い雰囲気です。
こちらが「Mamoru Cafe」へと続く路地。
なお、路地の入り口にあるビルが「Mamoru Cafe」の駐輪場になっています。駐輪代は無料とのことで、バイクに乗る人にとっては嬉しいポイントですね。周りのベトナム人の話を聞いていると、いくら駐輪代が数千ドン程度であるとは言え、「何故飲み物にお金を払っているのに駐輪代まで払わないといけないんだ」というのが共通の感覚らしいので。
そして、看板に描かれたキャラクターがカービィみたいで可愛い。名前は「マモル」くんかな?(絶対違う)
路地の突き当たり、こちらが「Mamoru Cafe」…なのですが。
土曜の朝10時に訪れたところ、店はほとんど満席。一応、席の確保は出来たのですが、店内の写真を撮って回ることは躊躇われました。これじゃ取材にならないよ…!
と、いうことで翌日。日曜日の朝7時半に再訪しました。寝ぼけ眼ではありますが、朝のひんやりした空気が心地よい。店頭ではまだ店員さんが掃除をしている最中。これはもしかすると…?
やりました!!私が一番乗りです。
それにしても、コンビニでもないのにこんな朝早くからあちこちのカフェが開いているって冷静に考えると凄い。今ではすっかり感覚が麻痺してしまい、たまにベトナム国外に行ったとき「朝って全然店開いてないな」と思ってしまう。
「Mamoru Cafe」の雰囲気
路地裏に位置し、緑に囲まれた「Mamoru Cafe」はホーチミン市1区という中心地にありながら、森の中の隠れ家に居るかのような気分にさせてくれます。
店内は暗褐色の木目や、アイボリー・ベージュ等のナチュラルカラー、グレーをベースとした落ち着きある雰囲気。華美な内装ではありませんが、日本を多分に意識したカフェであるということもあり、もしかしたら「侘び寂び」をイメージしているのかも。
和カフェの定番とも言えるお座敷席もあります。ごく僅かなスペースしか無いため、運良く座れたらラッキー!?
薄明かりだけが照らす、店内奥の座席。穏やかな気持ちで過ごすことが出来そうです。
階段を上がって2階へ。頭上に注意。
1階と同様のコンセプトの座席が広がります。あえて無骨に塗られたであろう壁からは退廃的な美しさが漂いますね。
優しいベージュカラーのソファ席。きっとここが店内で一番の勝ち組席(?)でしょう。
2階から1階席を見下ろすこともできます。こんな写真を撮ることができるのも、一番乗りの特権。
…座席を離れる際は、自己責任の下でしっかりと私物を管理しましょう。
そう言えば、いくつかの座席に「Reserved」と書かれた札が置かれていたのですが、わざわざカフェを予約するか…?ここに限らずベトナムの店では「Reserved」となっている座席をよく見ますが、本当に予約がされているのかどうかは謎。
あと、階段を上った先には庭園を意識してか砂利が敷き詰められたスペースがあるのですが、めっちゃ滑るのでうっかり踏まないよう注意。
「Mamoru Cafe」のメニュー
注文はこちらのカウンターで行います。
何故かしんちゃんのフィギュアがお出迎え。多分公式のやつでは無い。
こちらのコースター入れは自作したのだろうか。いとうつくし。
カウンターの中を覗くと、粉末茶と茶筅が。ドリンクへのこだわりが伺えます。
「Mamoru Cafe」の飲み物メニューはこちら。基本英語表記なので分かりやすいし、「HOSHIZORA(星空)」や「SHINRIN YOKU(森林浴)」といった日本語混じりのメニュー名がキャッチーですね。
種類は多くないですが、ペイストリーもあります。朝食に良さそう?
ドリンク&ペイストリーを実食
まずは初回訪問時に注文したメニューから。こちらは「SHINRIN YOKU」60,000ドン。淡い緑が目に優しい、玄米茶を使ったラテです。
味は結構甘い。加糖の牛乳を使っているのかな。最近のお洒落カフェは甘さ控え目を持て囃しているものだとばかり思っていたので、少し意外だった。抹茶ゼリーも入ってます。
ペイストリー…いや、ここはヴィエノワズリーと呼びたい「Pain Aux Dâu(パン・オ・ザウ / ヤウ)」55,000ドン。フランス語とベトナム語が混じった変化球なメニュー名ですが、簡単に言えば「ストロベリーパン」ってことですよね(味気無い響き)。見るからに固そうな表面をしており、爪で叩いたら「カツカツ」という音がしそう。
ナイフで割ってみると予想以上にバリッバリの生地。皿の外にまでパンくずが飛び散ってしまった。
中はふわふわなのかな?と思いきや、軽くサクサクとした生地でした。軽すぎてかなりあっさりしています。ストロベリーフィリングがサンドされていますが、それにしても、中身のほとんどを空洞が占めます。これがもし幾重にも層が重なるパンだったら美しいと思うのだけど…。
味は…油脂が口の中に残る感じがしてあまり好みではなかった。食べにくいし個人的にリピは無いかな…。シナモンロールにしておけば良かったかも。
そして再訪時に注文した「HOSHIZORA」60,000ドン。ほうじ茶ラテです。
ほうじ茶の風味は感じられるものの、やはり甘さが強く来る感じがします。苦味は抑えつつも香ばしさはあり、誰もが受け入れられるほうじ茶ラテになっているかな、と思います。
そうこうしているうちに9時半を回り店内が混み合ってきました。座席が埋まり始め、「どこ座ろう…?」と顔を見合わせる来店客の姿も見受けられます。でも私、一番乗りで来店してこのカフェを余す所なく写真に収めましたから。ざまあ!(何と戦っているのか)
「Mamoru Cafe」の店舗情報
ホーチミン1区のカフェ「Mamoru Cafe(マモルカフェ)」をご紹介しました。何と言っても唯一無二の雰囲気づくりが特徴。幅広い時間帯で混み合うことが予想されるため、是非早起きした上で朝に訪れて、静かな空間を楽しんでください。