Linux 6.12がStableに到達しました。
変更点
今回は比較的大きなアップデートと言えるでしょう。
まずはNishiki-Hubでも取り上げた「PREEMPT_RT」がマージされています。それに加える形でsched_extもマージされており、拡張可能なスケージューラが実現しています。これによって大きくディストリビューションが変化するというわけではありませんが、リアルタイムシステムにおいては重要な変更と言えるでしょう。
それ以外にも、VFS・XFSがアップデートされ、システムページサイズよりも大きいブロックサイズをサポートするようになりました。
またLinus Torvalds氏自身が投稿したパッチによって2.6%の性能向上が果たされています。
では、それ以外の変更点をみていきましょう。
ハードウェア
- IntelはまもなくCPU ID「Family 6」の時代を終了します。30年にわたってFamily 6が使われてきましたがまもなく終了し、その準備がLinux 6.12で完了しました。
- IntelのEfficiency Latency Control「ELC」がマージ
- Intel Panther Lake・Diamond RapidsのModel IDの追加と初期サポート
- Panther LakeでのHDMI音声出力のサポート
- Intel Lunar Lake・Arrow Lakeのパフォーマンス調整
- RISC-Vの新たなISAと機能のサポート
- Lenovo ThinkPad T14s Gen 6とMicrosoft Surface Laptop 7(Snapdragon搭載)の部分的サポート
- Intel GPUのファン速度をレポート可能に
- Intel Xe2(Battlemage) GPUがデフォルトで有効化
- AMD RDNA4に向けた作業
その他
- Device Memory TCPのサポート(届いたデータをメインメモリをバイパスして別のデバイスに送信する機能(?))
- CXLメモリのサポート強化
- 仮想マシンのサポート強化
LTSに?
Linux 6.13のマージウィンドウは明日開かれる予定ですが、正式版への到達は年をまたぐ見込みです。
そのことから、Linux 6.12が今年最後のLinuxのメジャーアップデートとなり、LTSとなる可能性が高いです。
Linux 6.12は各パッケージマネージャーで今後提供される見込みです。