Qualcommは、PC向けのSoCラインナップ「Snapdragon X」に新たに廉価帯グレード「Snapdragon X Plus」シリーズを追加しました。
Snapdragon X
Snapdragon Xシリーズは、Qualcommが展開するPC向けのSoCラインナップです。CPUにはArm ISAをベースにQualcommが独自で設計した「Oryon」IPが採用されている他、単体で45 TOPSのAI性能を提供するNPU「Hexagonn」を搭載するモデルです。Microsoftが定めたWindowsのCopilotのローカル機能が利用できる「Copilot+ PC」に準拠する製品で、現状唯一機能が利用できるSoCです。
6月の時点でSnapdragon X Eliteシリーズと、10コアのSnapdragon X Plus 1製品のみが発表されていましたが、今回Snapdragon X Plusシリーズを拡大し、新たに8コアのラインナップを2製品と、10コアのラインナップを1製品の計3製品を追加しました。
Nishiki-HubではまだSnapdragon X Eliteを含めてSnapdragon Xのラインナップを確認したことがないので表にしてみました。
X Elite | コア数 | キャッシュ | マルチコア 最大 |
ブースト クロック |
---|---|---|---|---|
X1E-00-1DE | 12 | 42MB | 3.8GHz | 4.3 GHz(2コア) |
X1E-84-100 | 12 | 42MB | 3.8GHz | 4.2 GHz(2コア) |
X1E-80-100 | 12 | 42MB | 3.4GHz | 4.0 GHz(2コア) |
X1E-78-100 | 12 | 42MB | 3.4GHz |
X Plus | コア数 | キャッシュ | マルチコア 最大 |
ブースト クロック |
---|---|---|---|---|
X1P-66-100 | 10 | 42MB | 3.4GHz | 4.0 GHz(1コア) |
X1P-64-100 | 10 | 42MB | 3.4GHz | |
X1P-46-100 | 8 | 30MB | 3.4GHz | 4.0 GHz(1コア) |
X1P-42-100 | 8 | 30MB | 3.2GHz | 3.4 GHz(1コア) |
今回発表された製品は太字で表現しています。
今回のラインナップは前述の通り8コアのモデルが拡張されています。更に、ブースト機能が追加されたX1P-66-100も新たに追加されています。CPUの仕様とGPUの仕様には違いがありますが、メモリとNPUは統一した仕様となっており、このラインナップすべて45 TOPSのHexagonn NPUと、LPDDR5X-8488に対応したメモリコントローラを備えています。
Snapdragon Xシリーズはこれまで実質的に上位モデル〜中位モデルしか展開されておらず、搭載製品も10万円代後半〜20万円台と非常に高価でした。
当初は、Copilot+ PCとしての市場に競合がいませんでしたが、8月にはAMDがRyzen AI 300、9月にはIntelがLunar LakeがそれぞれSnapdragon以上のNPUとAI性能を備えて登場し、更に10月にはWindows Copilotのすべての機能が利用可能になります。この中でQualcommが価格競争のために遅れて投入させたのが今回発表された3製品となるわけです。
これらのSKUがどれくらい安価なSnapdragon搭載製品を登場させるかは不明です。Oryon CPUは