AMDは「Ryzen 8040」シリーズを正式に発表しました。
Ryzen 8040シリーズ
では、まずラインナップを確認してみましょう。
コア/スレッド | ベース クロック |
ブースト クロック |
L2+L3 | TDP | cTDP | GPU | NPUの有無 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
R9 8945HS | 8C/16T | 4.0 GHz | 5.2 GHz | 24 MB | 45W | 35~54W | 780M | 搭載 |
R7 8845HS | 8C/16T | 3.8 GHz | 5.1 GHz | 24 MB | 45W | 35~54W | 780M | 搭載 |
R7 8840HS | 8C/16T | 3.3 GHz | 5.1 GHz | 24 MB | 28W | 20~30W | 780M | 搭載 |
R5 8645HS | 6C/12T | 4.3 GHz | 5.0 GHz | 22 MB | 45W | 35~54W | 760M | 搭載 |
R5 8640HS | 6C/12T | 3.5 GHz | 4.9 GHz | 22 MB | 28W | 20~30W | 760M | 搭載 |
R7 8840U | 8C/16T | 3.3 GHz | 5.1 GHz | 24 MB | 28W | 15~30W | 780M | 搭載 |
R5 8640U | 6C/12T | 3.5 GHz | 4.9 GHz | 22 MB | 28W | 15~30W | 760M | 搭載 |
R5 8540U | 6C/12T | 3.2 GHz | 4.9 GHz | 22 MB | 28W | 15~30W | 760M | |
R3 8440U | 4C/8T | 3.0 GHz | 4.7 GHz | 12 MB | 28W | 15~30W | 740M |
Ryzen 8040は、「Hawk Point」という開発コードで開発されてきた最新のモバイル向けプロセッサです。
CPUはZen 4、GPUはRDNA 3、NPUはXDNAで基本的な構造自体はRyzen 7040から変わらず、製造プロセスも変わっていませんので、クロックが向上したリフレッシュ製品という側面が強いです。
競合(i9-13900H)との比較では、マルチスレッド性能が最大1.1倍、各種ゲームで最大1.8倍、コンテンツクリエイトで最大1.4倍の性能向上となっています。
AI
Ryzen 7040シリーズからNPUの搭載が始まっていますが、Ryzen 8040シリーズにも全製品ではありませんがXDNAベースのRyzen AI NPUが搭載されています。
今回の製品ではXDNAのクロック周波数が向上しており、これによりNPU単体で16TOPS、プロセッサ全体で39TOPSの性能を実現しているとしています。QualcommのSnapdragon X Eliteの45TOPS(プロセッサ全体で75TOPS)には及ばないものの、それでも従来より高いAI性能を実現しています。
そして、ソフトウェア面では「Ryzen AI Software」の提供が新たに発表されました。このソフトウェアでは、PyTorchやTensorFlow、ONNXなどのAIフレームワークやONNX Runtimeをサポートしている開発キットです。主に開発者向けのソフトウェアのようで、AIソフトウェアを容易に構築できるようになる模様。
XDNA 2
Ryzen 8040シリーズには搭載されませんが、今回、第2世代となる「XDNA 2」が発表されました。2024年に投入される「Strix Point」で対応する予定です。
性能については、XDNAと比較して3倍を超えるとしており、数字上だけで見るとNPU単体で48TOPSとなるため、X Eliteを追い越せるかも知れませんね。