目次
はじめに
「野球選手は怪我をしても給料が支払われるのか?」という疑問は野球ファンの多くが一度は抱くものです。
選手が怪我をすることでチーム大きな損失が生じることがありますが、その場合でも給料は保証されるのでしょうか?
本記事ではその一般的な事情を日本プロ野球(NPB)とアメリカプロ野球(MLB)の両方について紹介していきます。
なお、本記事の内容はあくまで一般的なものであり、選手個々とチームの契約内容により異なる場合など実体の誤りのある可能性があることはご承知おきください。
日本プロ野球の場合
日本プロ野球の場合は選手が野球による怪我の場合は給料は通常通りに支払われます。
ただし、私生活での怪我(チーム活動以外での怪我)の場合は、給料減額・支払い停止などになる可能性があります。
MLBの場合
MLBの場合も基本的には怪我をしても給料は通常通りに支払われます。
ただし、日本プロ野球と異なり私生活での怪我(シーズンオフ含む)でも給料が保証されるケースが多いです。
この点からMLBのほうが怪我への給料保障の面では優れていると言えます。
怪我をしても給料が支払われる理由
選手、チーム側それぞれの想い・思わくから日本・アメリカともに怪我をしても給料が支払われています。
- 選手側としては一般的なサラリーマンよりも短いキャリアであること、活躍しないと低い給料であることから、リスク低減のためになります。
- チーム側としては選手が安心して活躍できるようにしています。仮にチームが怪我の場合に給料を支払いとするとそのチームに入りたい選手はいなくなりますし、怪我を恐れたプレーをする可能性もあります。長期的なチームパフォーマンス向上のために怪我への保証をしています。
ファンから見た場合
ファンの中には「試合に出られない=チームに貢献できないのであれば給料は貰ってはいけない」という過激な意見を持つ人もいます。
しかし、上記で記載した通り選手の短いキャリアを考慮すると怪我への保証は必要となりますし、チームの長期的な成績向上を考えても必要となります。
また、怪我をしても実力のある選手であれば若手・後輩の指導に当たるなとチームへの貢献をすることが可能であり、必ずしも何もしていないわけではありません。
例外(自主返納)の実例もあり
一般的に野球選手は怪我をして試合に出られなくとも給料は支払われますし、何もおかしなことではありません。
しかし、中には怪我をしたことに責任を感じて給料を自主返納するケースもあります。
- 2024年、MLBのパドレスに所属するダルビッシュ有は故障者リストに入った50日間分の給料(約5億7000万円)を自主返納してアメリカで話題となりました。
- 2008年、読売ジャイアンツに所属する清原和博はシーズン途中に手術を受けて、予定より復帰が遅れるケースがありました。この時に年俸6億円のうち約2ヶ月分の約1億円を自主返納しました。
自主返納するのはいかにも日本人らしい発想であり美談として語られることになります。
一方、契約社会であるアメリカではこのようなケースは基本的にはありません(それが悪いことではありません)。
怪我への保証はいつからされている?
日本、アメリカともにプロ野球が発展する中で怪我への保証制度が確立していきました。
日本プロ野球の場合は明確にいつからというのは確認出来ていません。
一方、MLBは1976年にFA制度が導入されたことがきっかけと言われます。FA制度により選手権利が大幅に拡大し、怪我への保証が強化されて行ったと考えられます。
まとめ
- 日本、アメリカともにプロ野球選手は怪我をしても給料は支払われます(保証されます)。
- アメリカは日本と異なり私生活(シーズンオフ含む)での怪我も保証されています。
- これらの保証は選手側、チーム側両方にとってメリットが大きく、プロ野球の長い歴史の中で確立されてきたものです。
以上