2024.05.23
絵画
2024.05.23
鑑定士に鑑定してもらうことで、絵画の真贋をはっきりさせることができます。
しかし、鑑定士に鑑定してもらおうと思えば、料金が発生します。
一方で、無料で鑑定しますと言ったサービスを提供する業者も見つけることができるのですが。そのような業者に依頼して問題はないのでしょうか……。
今回は、
について解説します。
鑑定に対しての疑問はここで解決しましょう。
目次
近年、悪質な業者によって、多くの贋作が市場に出回っている事態です。
たとえば絵画を相続する、美術館などへ寄贈するという場合などにおいて、鑑定料金を支払いしても、その絵画が本物であることを証明することが必要不可欠です。
また、鑑定士が本物だと証明してくれていない絵画を所有している以上、いつか買取業者に売ろうと思ったとき、ずっと思っていた思惑が外れて、買取してもらうことができなかった……という最悪の事態も充分に起こりうることです。
ですから、支払う料金が高いとしても、鑑定士に絵画を鑑定してもらうことには充分大きな意味があります。
料金を支払いすることで、鑑定士によって絵画を鑑定してもらうことができます。
では、鑑定士とはどのような立場の人たちなのでしょうか。
実際問題、鑑定士について言及すれば、時代背景によって違いがあります。
たとえば、江戸時代以降のアーティストの絵画であれば、弟子であったり遺族、また、専門鑑定機関が鑑定人として指定されています。
一方で、江戸時代以前の場合、専門鑑定機関のようなものが存在していないため、様々なアート作品を扱っている画廊であったり、古美術商などに在籍している経験値のある鑑定士であったり、また、査定士が、本物or偽物かを判断していきます。
絵画の鑑定士による鑑定に料金が発生するのは、専門的視点に立たなければならないためです。
鑑定士の鑑定には、
のふたつの流れから行われます。
特に、科学的な分析には相当費用がかかるため、基本、鑑定士は慈善事業では行うことができません。
ただし一方で、時として「無料の料金で鑑定を行っています」と言った広告を見ることがあるのかもしれません。
実際には無料で行うことができる絵画鑑定もあるのですが、やはり細かな科学分析を行うことには無理があるため、やや信頼性には欠けてしまうかもしれません……。
絵画を鑑定してもらおうと思ったとき、無料鑑定士がいればやはり料金が発生しない方がいいと多くが考えることでしょう。
インターネットでいろいろリサーチをすれば、「絵画を無料で鑑定します」と言ったサイトを見つけることがあります。
しかし、既に解説をしていますが、絵画を鑑定するために費用がかかるものなので、
どうしても鑑定料金は発生してしまうものです。鑑定機関に代行をする場合でもお金がかかるため、基本、料金が発生しない鑑定はありえないと考えることができます。
であれば、無料の鑑定とは相当タチの悪い悪質なのでしょうか。
答えはそうではありません。
無料の絵画鑑定であっても、買取業務を前提とする真贋の判定・査定のサービスというとらえ方であれば、充分、お客様はそれを理解した上でなら利用する価値は存在しています。
料金の発生しない絵画の鑑定では、「鑑定書」ではなく、「査定書」であったり「見積書」と言ったものを受け取ることになります。
査定書であったり、見積書と言ったものだからいい加減なものだ……ということでもなく、絵画を確認する鑑定眼を持つ鑑定士が行ったものであれば、充分信用する価値はあります。
科学的な判断を行うことができなかったとしても、その鑑定眼が信頼できれば、充分、絵画は本物であると判断でき、買取業者も買い取りの対象として受け止めることができます。
現状、絵画を買取店舗に持ち込みをすれば、おおかた料金が発生せず鑑定してもらうことができるでしょう。
鑑定士が鑑定し買取価値があると判断・評価した絵画に対しては、高額買取もしてもらうことができます。
また、最近では、オンラインで鑑定できるサービスが提供されていることもあります。そのようなサービスを利用することでいちいちお店に出かけて行かないでも気軽に鑑定してもらうことができます。
同時に複数査定を依頼することもでき、お客様は一番高く買取してもらうことがきる業者に買取してもらうことも可能です。
「鑑定書」というものは、そもそも江戸時代以降の作品に対して発行されるものです。
鑑定書が発行されれば、その時点で鑑定機関のデータベースに登録されることになります。
また、贋作をなんとか予防しようとする意図のある鑑定書は、基本再発行が認められていません。
料金は支払いしたけど鑑定書を発行してもらうことができなかった……という場合には、当然のことですが、他者に対してこの絵画が本物であることを証明することができません……。
鑑定書はなぜ必要なのでしょうか。
鑑定書があるからこそ、絵画を買取して欲しいと思うときでも、買取業者に対して、
100%の本物です!ということを堂々とアピールすることができます。
しかし、鑑定書があったとしても、買取業者の中に、しっかり本物or偽物かの判断をすることができる人物がいれば、鑑定書があったとしても特別高い評価をしないこともあります。
ただし、それでも、買取業者がとても警戒しているのは、やはり本物か偽物かということであるため、鑑定書があることで業者に安心感がもたらされ、取引がスムーズにいくことも多くあります。
まさに、鑑定書とは、絵画を本物と証明する印籠(いんろう)とも言っていいものではないでしょうか。
「鑑定」と「査定」を同じ意味合いのものとしてとらえている方々は多くいらっしゃることでしょう。
おおかた、買取業者で行われている査定は、本物であることを前提として、絵画の評価を市場価格の評価に置き換える作業のことを言います。
一方で鑑定は、既に解説している通り、本物or偽物かを見極める作業です。似たように見えて微妙に違いがあります。
最近は、買取業者の数も急激に増加しています。その中で、依頼する人たちの中には、鑑定と査定のキーワードを混同している方々は大勢います。業者さんの中にもそのような人たちがいるので、仕方のないことなのかもしれません。
しかし、正確にはしっかり線引きも必要です。
鑑定してもらうために、いくら程度料金がかかるのかもとても気になるポイントです。
一番多いケースは、鑑定料を一律の料金で請求しているパターンです。
おおかた、絵画1点あたり30,000円から60,000円程度の相場となっています。
また、絵画が保管されている場所によって、交通費であったり、出張料がプラスα請求されることもあります。ですから、具体的に鑑定料を知りたいと思えば、実際に問い合わせをして見積を出してもらうといいでしょう。
また、本物or偽物かの判定を行う鑑定と、さらに法的に力を持ちうる鑑定書の発行料金を分別し料金設定していることもあります。
このような業者を利用すれば、たとえば数点所有している絵画の鑑定をしてもらって、その後、その中で高い価値の絵画作品だけ鑑定書の発行を依頼する……といったことも可能となります。
料金相場について言えば、鑑定だけの場合、1点あたり10,000円から20,000円。鑑定書の発行料金は、10,000円から30,000円となります。
また、依頼をした絵画が偽物だった場合にも、おおかたの業者で申込手数料の支払いをしなければならないため、それなりの費用は発生する認識は必要です。
さらに、市場価格に照らし合わせ、鑑定料をフレキシィブルに変える業者もあります。
その場合、100,000円未満の絵画に対して、おおよそ10,000円~20,000円の料金が発生し、500,000円~1,000,000円の絵画に対しては、30,000円~50,000円あたりの料金相場となります。
鑑定書作成料が別にかかることもあるため、依頼するときにはやはり直接確認するようにしてください。
さらに、絵画5点までは10,000円でOK、10点までは15,000円、20点までは30,000円といった料金設定をしている業者もあります。
このような価格設定を行う業者は、比較して鑑定料相場が若干安い傾向があります。
さらに、買取業者や画廊といった中には、鑑定機関への手続き代行を行っていると言ったところも多くあります。
そのような業者の場合、鑑定料の料金とプラスして代行手数料となります。また、それぞれ機関においての鑑定料金は団体によって内容が違っているため、まずは、問い合わせフォームなどで相談するようにしてください。
絵画と一緒に鑑定書があることで買取額はさらに上がる可能性は高くあります。
特に名が知れた絵画の作品は偽物が大量に流通していることが多くあり、作品自体が正真正銘本物であることを証明してくれる鑑定書が揃っていれば買取側も安心して取引をすることができます。
また、もともと鑑定書が付いていなかった絵画、さらに鑑定書をなくしてしまった場合でも、新しい鑑定書を作成することができます。
そのときは、それぞれ画家に精通している鑑定士であったり、市場で信頼度のある鑑定機関において、鑑定書の作成を依頼するようにしましょう。
絵画の保存状態だけでなく、その画家が活動していた時代と絵画の様式が矛盾していないか、また、画家が使用していた画材と一致しているかなどを科学的に調べてもらうことができます。
専門鑑定士と呼ばれる人たちは、画家と血縁関係のある方が多くいます。また、子孫であったり、配偶者が既に亡くなっている場合、鑑定委員会など機関が運営されていることが多くあります。
一方で、鑑定書を一緒に買取査定に出したと言うのに、高額買取してもらうことができなかった……という場合もあります。
このようなケースは、鑑定書自体、偽造された可能性もあります。
また、鑑定書の中にはお客様から高い鑑定料をもらうため、絵画が偽物であることを知りつつも、本物と偽り発行した物も存在します。
リスクを最小限にとどめるため、信頼されている鑑定士、機関が発行した鑑定書でなければ、認めてくれないこともあるため注意が必要です。
特に横山大観や東郷青児……などと言った超有名な作家の作品は、所定鑑定機関でない機関が発行する鑑定書では確実な証拠材料として判断されません。
有名な鑑定士、機関が作った鑑定書であったとしても、鑑定書自体複製された偽物だった……というケースも過去の事例にはあります。
いかがでしょうか。
今回は、絵画の鑑定料金の相場とともに、鑑定とは何か、査定と何が違うのかについて解説をしました。
絵画の鑑定、鑑定書の意味を知ることはとても大事です。
おおかた、絵画を鑑定してもらうためには、料金が発生するものですが、一方では無料でサービスを提供していることもあります。
そこで発行されるものは、査定書ということになるのですが、それでも査定書がいい加減なものだ……ということでもありません。しっかり鑑定眼を持つ鑑定士であれば、充分信用する価値はあります。
絵画を高い価格で買取して欲しいと思えば、何よりも大事なのは、信頼できる実績のある業者に鑑定・査定してもらうことです。