仮想通貨「10億コイン」をゲット。日本円に換金したときの“衝撃の金額”
『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』の作者であるハッシー橋本が、漫画で稼いだカネで“怪しい投資”に挑む実録マンガ。一般の人が手を出しにくい投資を攻略して“億り人”になることはできるのか——。
「俺は盆栽コインで億り人になる!」と意気込み、このたび10億BONSAI COINを購入しましたっ!
今回のマンガでも触れられていたように、担当編集の森田くんから「なぜ盆栽コインをそこまで?」と問いかけられまして……。この謎の盆栽コインについて改めて調べてみることにしました。
まず、盆栽コインには実際に使い道があるのか。調査の結果、答えは「条件付きである」ことが判明しました。その条件とは「盆栽コインをたくさん持ってる人ランキング100傑」に入ること。そして、そのランキングに入ると「お年玉とかもらえたりする」というメリットがあるのです。
「ふざけてるのか!」とツッコミたくなるところですが、どうやら本当にふざけているようで……。いや、むしろ真面目にふざけているとでも言いましょうか。
この盆栽コインは、実は「盆栽NFTプロジェクト」の一環として位置づけられているものなのです。この「盆栽NFTプロジェクト」は驚くほど真剣な取り組みで、その目的は「日本の盆栽文化を守ろう!」というもの。実際に、日本の盆栽は今や海外でも非常に高く評価されており、高額で取引されています。しかし、日本国内の盆栽家の多くは高齢であり、英語も堪能ではありません。
そこを狙った海外のバイヤーたちが、盆栽家たちを巧みに騙し、安価で盆栽を買い取り、海外で高く売りつけるという由々しき事態が生じています。そんな状況を救うべく、この「盆栽NFTプロジェクト」が立ち上げられました。
盆栽コインは、このプロジェクトの一つの商品として位置づけられており、言い換えれば「盆栽コインを買って盆栽文化を守ろう」というコンセプトの商品です。俺自身も盆栽が大好きで、このプロジェクトを応援する気持ちで盆栽コインを購入した……というのは半分本当の話。
もちろん「もしかしたら本当に億り人になれるかもしれない」というロマンに引かれたのもありますが、さすがに全財産をつぎ込むような真似はしません。盆栽コインは、いわゆる「草コイン」的な存在であり、その価値が不安定だからです。とはいえ、少額で購入し、そのワクワク感を楽しむのもまた一興でしょう。
この挑戦がどう転ぶかはまだわかりませんが、少なくとも俺の中で「盆栽コイン」は“ただの仮想通貨”ではなく、日本の伝統文化を守るための一つの手段であり、同時に夢を見るための象徴でもあります。未来の億り人になるかどうかは別として、盆栽コインを通じて何か大きなものを得ることができるかもしれない。そんな希望を胸に、今日もまた、盆栽コインの相場をチェックする日々が続きます。
漫画・文/ハッシー橋本愛知県出身の漫画家。パチンコ・パチスロ漫画を中心に活躍し、‘15年より月刊ヤングマガジンで連載を始めた『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』が大ヒット。サウナとビールの愉悦を描いた『極上!サウナめし』はサウナ好き必見の一冊 Twitter @hashimotosan84
第百六十六話 十億
「盆栽NFTプロジェクト」とは
「本当に億り人になれるかも」というワクワク感もある
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