4月から、こう変わる!【制度・合併・新社長・トピックス…】|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

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4月から、こう変わる!【制度・合併・新社長・トピックス…】

4月から、こう変わる!【制度・合併・新社長・トピックス…】

分社を発表した会見で質問に答える東芝の網川智社長㊨と成毛康雄副社長

 4月には新しい制度や企業体制がスタートする。都市ガスの小売り事業全面自由化や再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)の改正法施行だ。経営危機に陥っている東芝は、半導体メモリー事業を分社し、新会社「東芝メモリ」が発足する。

【ガス小売り全面自由化 家庭向け市場開放】


 迎え撃つ東京ガスは異業種などとの連携を加速(2月に都内で開いたサイサン〈さいたま市大宮区〉との提携に関する会見、広瀬道明東京ガス社長㊨と川本武彦サイサン社長)

 2016年4月の電力小売り全面自由化に続いて、都市ガスの小売り事業が全面自由化される。従来の大口需要家向けに加え、一般家庭などの小口客向け都市ガス市場が開放される。

 これまでに液化石油ガス(LPG)販売事業者や、都市ガスの原料になる液化天然ガス(LNG)を火力発電用の燃料として大量に購入している電力会社が参入を表明。中でも大手都市ガス会社に電気の顧客を奪われた電力各社の激しい反撃が予想される。

 新制度に基づいて経済産業省が登録したガス小売り事業者で、家庭向け都市ガス市場への新規参入を表明している事業者は、21日時点で12社。うち4社が東京電力ホールディングス(HD)のグループ企業をはじめとする電力会社だ。

【FIT改正法施行 未着工事業の計画取り消し】


 再生可能エネルギーで作った電気の固定価格買い取り制度(FIT)の改正法が施行される。12年7月の制度開始後、初の大幅な見直しだ。

 大きな変更点が、未着工の事業計画の取り消しだ。固定価格で電気を売れる設備認定を政府から取得しながら、電力会社と接続契約を結んでいない計画が取り消される。

 これまで太陽光発電は8000万キロワットが設備認定済みだが、稼働したのは3000万キロワット。部材の価格下落まで着工を延ばしている事業計画もあり、FITの負の側面として批判されてきた。

 買い取り価格の変更点は二つ。2000キロワット以上の太陽光発電所には入札制度が導入される。新規に建設する発電事業者が売電価格を提示し、電力会社が安い価格を選ぶ。政府が価格を決める方式を改め、市場原理を働かせてコスト削減を促す。

 住宅用太陽光、風力、バイオマス、地熱、水力発電は17―19年度の買い取り価格が決まった。1年ごとの改定を見直し、3年分の価格を示した。発電事業者や設備メーカーは事業計画を立てやすくなる。

【東芝、メモリー分社で1兆円損失補填】


 経営危機に揺れる東芝は30日に臨時株主総会を開き、半導体メモリー事業の分社を決議する。4月1日付で新会社「東芝メモリ」に事業を移管し、東芝の成毛康雄副社長が社長を兼務する。

 新会社には50%以上の外部資本を導入する方針で、1兆円規模の売却益を狙う。その役割は、子会社の米ウエスチングハウスを発端とした米原子力発電事業で発生した、7000億円規模の損失補填だ。

 3月29日に1次入札を締め切り、5月をめどに売却先を決める方針。株式の大多数をどこが握るかが焦点だ。現在、メモリー生産で協業する米ウエスタンデジタルなどのメモリーメーカーに加え、台湾TSMC、外資系ファンドなどが入札に参加するとみられている。

 さらに日本政策投資銀行など政府系ファンドも候補に挙がり、各社が連合を組んで巨額の出資費用をまかなう動きも出ている。厳しい交渉が続けられており、その結果がメモリー事業と東芝の行方を左右することになる。

【制度】


▽ガス小売り事業全面自由化
指定国立大学法人制度スタート
▽独立行政法人日本貿易保険が株式会社化
▽公的年金支給額を4月分(6月支給)から0.1%引き下げ
▽中小企業の短時間労働者への被用者保険の適用拡大
▽2017年度税制改正
 ◇エコカー減税、2年延長も減税対象を現行の新車約9割から8割に絞り込み
 ◇中小企業投資促進税制2年延長
 ◇中小企業の軽減税率2年延長
 ◇相続税・贈与税の納税範囲、海外移住10年以内の相続人・被相続人にも課税
▽再生可能エネルギーの電気の固定価格買い取り制度改正
 電力会社と接続契約を結ばない事業計画の設備認定取り消し。2000キロワット以上の太陽光発電の買い取り価格に入札制度導入

【合併・再編・社名変更】


▽三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンが統合して「三菱ケミカル」誕生
▽JXホールディングスと東燃ゼネラル石油が経営統合して「JXTGホールディングス」を設立
▽コカ・コーラの東西ボトラーであるコカ・コーライーストジャパンとコカ・コーラウエストが経営統合し、持ち株会社「コカ・コーラボトラーズジャパン」を設立
▽富士重工業が「SUBARU」に社名変更
▽東芝が半導体メモリーを分社化して新会社「東芝メモリ」を設立

【新社長】


日産自動車=西川広人氏
▽日立金属=平木明敏氏
日立建機=平野耕太郎氏
▽東芝機械=三上高弘氏
▽日新製鋼=柳川欽也氏
▽日本IBM=エリー・キーナン氏
▽エア・ウォーター=白井清司氏
▽古河電気工業=小林敬一氏
京セラ=谷本秀夫氏
▽エイチアンドエフ=柿本精一氏
リコー=山下良則氏
▽山善=長尾雄次氏
▽新明和工業=五十川龍之氏
第一三共=眞鍋淳(すなお)氏
三菱地所=吉田淳一氏
▽テルモ=佐藤慎次郎氏
旭化成ホームズ=川畑文俊氏
▽三越伊勢丹ホールディングス=杉江俊彦氏
▽全日本空輸(ANA)=平子裕志氏
三井住友フィナンシャルグループ(FG)=国部毅氏
三井住友銀行頭取=高島誠氏
みずほ銀行頭取=藤原弘治氏
▽野村証券=森田敏夫氏
▽大和証券グループ本社=中田誠司氏
▽第一生命ホールディングス=稲垣精二氏
▽朝日生命保険=木村博紀氏

【トピックス】


▽日本ゼオンと住友化学の低燃費タイヤ向け溶液重合スチレンブタジエンゴム(S―SBR)事業を統合した新会社「ZSエラストマー」が始動
▽タキロンとシーアイ化成が合併し「タキロンシーアイ」に
▽新日鉄住金が鋼材1トン当たり5000円値上げするなど、各社が鋼材販売価格を引き上げ
ホンダの子会社本田技術研究所がロボット研究組織「R&DセンターX」を新設
▽トーメンエレクトロニクスと豊通エレクトロニクスが合併し、新会社「ネクスティエレクトロニクス」を発足
▽名古屋市港区にテーマパーク「レゴランド・ジャパン」が開業
▽日本航空(JAL)が羽田―ニューヨーク線を復活
日刊工業新聞2017年3月23日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
新年度も大型再編がまだまだ出てきそうです。

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