給油なしで1000km走行…スバルSUV「クロストレック」に採用、次世代ハイブリッドの性能
SUBARU(スバル)は、環境性能と走行性能を両立した次世代ハイブリッドシステムを開発した。航続距離を現行のハイブリッド車(HV)と比べて5割向上。ガソリンを満タンにした状態で1000キロメートル超の走行が可能だ。第1弾としてスポーツ多目的車(SUV)「クロストレック」に採用し、12月にも日本市場に投入する。
新開発の「ストロングハイブリッド」は走行状況に応じてエンジンとモーターを効率良く使い分ける「シリーズ・パラレル方式」を採用。排気量2498cc水平対向エンジンとトランスアクスルを搭載し低燃費・低排出ガスやスムーズな加速、高い静粛性を実現した。燃費性能は現行のハイブリッドシステム「e―BOXER(イーボクサー)」車と比べ約2割向上。燃料タンク容量は63リットルと従来比で約3割増やし、航続距離拡大を実現した。
前後輪をプロペラシャフトでつなぐ機械式全輪駆動(AWD)により高いトルク伝達性を発揮。多様な路面状態でも走行安定性を発揮する。「燃費性能を向上しつつ当社ならではの走破性を高めた」(商品事業本部)。開発にはトヨタ自動車のハイブリッドシステム「トヨタハイブリッドシステム(THS)」の知見を生かした。
17日にストロングハイブリッドを設定したクロストレックの先行予約を開始した。2025年度にSUV「フォレスター」にも設定する予定だ。日本以外の他車種にも採用を検討していく。
日刊工業新聞 2024年10月18日