数滴の水で発電、DC/DCコンバーターで旭化成が生かした強み
旭化成が展開する数滴の水で発電するDC/DCコンバーターが、藤倉コンポジットが手がける外部電源を必要とせずに設備の漏水などを検知できるセンサーに採用された。旭化成が持つ素材などのマテリアル領域を基盤とした技術力に加え、電子回路の設計力などの強みを生かした。
採用されたのは、旭化成エレクトロニクス(東京都千代田区)が手がける昇圧DC/DCコンバーター「AP4470」。低消費電力、低電圧で駆動する点が特徴で、必要となる電力は数滴の水などから発電できる。
自立電源のエナジーハーべスティング(環境発電)分野のセンサーなどでの使用を期待する。AP4470をはじめとする関連製品は水だけでなく、室内光や体温という身の回りの環境エネルギーを活用し、電子デバイスを動作させることも可能という。
藤倉コンポジットの「バッテリーレス液体検知センサ」は、外部電源や電池なしに動作する点が特徴。配線や電源の設置が困難な場所や、コスト削減が求められる用途に対応する。
水道管の老朽化による漏水検知や河川の水位監視などインフラ用途での需要も期待する。
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日刊工業新聞 2024年10月17日