秒速1.8m…羽ばたいて泳ぐ「ペンギンロボット」、東工大が開発|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

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秒速1.8m…羽ばたいて泳ぐ「ペンギンロボット」、東工大が開発

東京工業大学の下岡大樹大学院生と田中博人准教授、立命館大学の加古川篤准教授は、2枚の翼で羽ばたいて泳ぐペンギン型ロボットを開発した。最高遊泳速度は秒速1・8メートルと従来のマグロ型よりも速くなった。スクリューでなく羽ばたきで推進するため安全性の高い遊泳ロボットになる可能性がある。

水没可能なギヤードサーボモーターでペンギンの翼を駆動する。減速機やエンコーダーを含めて水に漬けられる。上下の羽ばたきと羽ばたく際の翼の角度をそれぞれ制御した。

水中遊泳実験で最適動作を求めると、羽ばたきの角度が25―45度の条件で最高速度になった。助走3メートルの遊泳で秒速1・8メートルまで加速する。マグロ型は同1・0メートルのため1・8倍になった。最高速でのエネルギー効率はペンギン型が1メートルキログラム当たり47・8ジュールとマグロ型の1・7倍だった。

エネルギー効率を最大化した泳ぎ方では1メートルキログラム当たり15・1ジュールとマグロ型の同12・7ジュールと近い値になる。マグロ型は身体を振って尾びれで推進するのに対してペンギン型は左右の翼で推進する。翼の分だけ水の抵抗は大きくなるが最高速度では勝った。翼の動きを左右で変えれば曲がり、翼を立てれば急減速も可能。前進時に身体が羽ばたきに応じて上下するなど、より生き物らしく機敏な動きを再現しやすくなる。

スクリュー方式は乱流中では推進力を発揮しにくい。ひも状のゴミが絡まるなどリスクがあった。羽ばたき方式は瞬発性があり、生き物とロボットが共存する場面で有利になる。海洋動植物の生態観察などに提案していく。

日刊工業新聞 2024年7月25日

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