スズキの船外機梱包材向け供給、カネカ「生分解フィルム」の貢献|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

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スズキの船外機梱包材向け供給、カネカ「生分解フィルム」の貢献

スズキの船外機梱包材向け供給、カネカ「生分解フィルム」の貢献

「Green Planet」製フィルムをホコリ除けカバーとして使用した例

カネカが手がける海中で分解するバイオポリマー「Green Planet(グリーンプラネット)」製のフィルムや発泡成形品が、スズキが展開する船外機の梱包資材に採用された。フィルムは船外機のホコリ除けカバーと付帯設備の袋に、発泡成形品は緩衝材として使われる。

スズキは海洋プラスチックゴミの削減に取り組んでいる。ただ発泡スチロールからの切り替えには、梱包輸送中に従来と同等の緩衝性能が必要だった。そこで、スズキは段ボールの組み仕切りと合わせた2層構造を考案、性能を補った。

スズキは国内生産する船外機完成品の梱包で、石油由来プラスチックの使用量を2026年度までにゼロにすることを目指している。使用量は20年度に年間43トンだったが、23年度は6・3トンまで減らした。

グリーンプラネットはカネカが開発した素材で、100%バイオマス由来。植物油を体内にためた微生物から取り出し、土壌や海水の中で分解すると、二酸化炭素(CO2)と水になる仕組み。プラスチックによる環境汚染問題の解決に貢献できる点を訴求し、用途拡大につなげている。

日刊工業新聞 2024年06月11日

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