飛行中の被雷回避、JALと三菱重工が高精度予測技術
日本航空(JAL)と三菱重工業は7日、飛行中に被雷する可能性が高い位置を高精度に予測する技術を開発したと発表した。同技術を基にした被雷回避判断支援サービス「ライラック」を4月から国内空港に導入した。パイロットによる到着経路の選定や着陸時間の調整に活用し、安全運航に役立てる。
両社は5年前から被雷回避技術の共同研究を開始。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の知見を得て、気象庁の最新の観測データを基に被雷の可能性が高い位置を高精度に予測する人工知能(AI)予測モデルを開発した。ライラックは地上で予測した結果をインターネット環境に依存しない既存の通信システム(ACARS)で操縦室に送信する。
国内の航空機への被雷は年数百件発生し、関連する損失は年数億円規模に上る。特に日本海沿岸の冬季雷は気象レーダーに映りづらく予測が難しい。また、炭素繊維複合材製の最新機材は修理が複雑で修理期間が長引くため、被雷回避の重要性が高まっていた。
日刊工業新聞 2024年月5月9日