宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）と三菱重工業は２１日、三菱重工業飛島工場（愛知県飛島村）で大型基幹ロケット「Ｈ３」３号機の機体の一部などを公開した。Ｈ３ロケット３号機には地球観測衛星「だいち４号」を搭載することを想定している。公開した３号機の１段目はＪＡＸＡ種子島宇宙センター（鹿児島県南種子町）へ近日出荷し、打ち上げを想定した極低温点検などの実施する。２０２４年度中に打ち上げる予定。

機体公開でＪＡＸＡの岡田匡史Ｈ３プロジェクトマネージャは「Ｈ３試験機２号機は想定した軌道のど真ん中を飛んだ。３号機でも成功させたい」と意気込みを語った。

機体公開ではＨ３ロケット３号機で使用する１段目と、後続号機で使う予定の２段目を公開。３号機以降の開発も並行して進んでいる。３号機から試験機ではなくなり、今後の三菱重工業への移管も視野に入れている。

同３号機は１号機や２号機と同一形態となるメーンエンジン２基と固体ロケット２本、衛星を格納する部分のフェアリングは短いタイプで構成する。公開した１段目を出荷後に極低温点検を実施する予定だが、その時に新たに発射場に取り付けた機体把持装置の妥当性を検証する。極低温点検時は風の影響などで先端部分が揺れてしまうという課題があり、点検時の安全性を高めるための装置を実証する。