購買、調達、資材…それぞれの仕事はどう違う?|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

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購買、調達、資材…それぞれの仕事はどう違う?

知っておくべき調達・生産・販売の基礎知識 #3 購買・調達・資材の役割とは?

企業には、購買課(部)、調達課(部)、資材課(部)といった、似たような部門が存在しています。企業によってその役割は異なりますが、ざっくり言うと、どこも同じようなことをしています。すなわち、原材料を購入する役割です。ただし、厳密には、購買、調達、資材、それぞれ少し意味が異なります。

まず購買ですが、日本産業規格(JIS Z 8141生産管理用語)によると、購買とは「生産又は営業に必要な設備,原材料,部品,消耗品などを購入する活動。」と定義されています。すなわち、生産に必要な原材料、設備や治工具、消耗品などを購入することです。この機能を担う部門が、購買課(部)になります。企業によって異なりますが、社内から原材料の購入依頼などが来ると、所定の手続きで、原材料メーカーに発注手続きを行うこと、そして、納品されると受領の手続きをすること、といった活動が購買課(部)の業務になります。
 それに対して、調達とはもう少し広い意味があります。必要な原材料を、どの原材料メーカーから買うのか、いくらで買うのか、どのような発注方式をするのか、さらには発注先である原材料メーカーでの品質管理や納期管理の確認など、さまざまな機能を含めたものなのです。厳密に言うと、調達業務の中に購買業務も含まれるのです。

しかし、実際の企業では、これら購買と調達が、明確に区分されていないこともあります。資材課(部)と言いながら調達業務を広く手がけている企業も珍しくはありません。皆さんは、知識として購買と調達という二つの用語の違いを理解しておけば良いでしょう。
 なお、資材とは、生産を行うために必要な原材料のことです。資材課(部)は、そのような資材を取り扱う部門のことを指します。原材料を保管している資材倉庫の管理などは資材課(部)の仕事になります。資材倉庫の出し入れ、資材倉庫に置かれているものの数量管理などが具体的な業務になります。ただし、実際の企業では、購買課(部)や調達課(部)が、資材業務を行っていることもありますので、あくまで知識として知っておけば良いでしょう。

<書籍紹介>
書名:まんがでわかるサプライチェーン 知っておくべき調達・生産・販売の流れ
著者名:古谷賢一 著/日豆思惟子 作画
判型:A5判
総頁数:192頁
税込み価格:2,200円

<販売サイト>
Amazon
Rakuten ブックス
Nikkan BookStore

<著者略歴>
〇著者
古谷 賢一(ふるたに けんいち)
株式会社ジェムコ日本経営 プリンシパル本部 本部長コンサルタント
大阪産業大学経営学部商学科非常勤講師
【資格】公益社団法人全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント、ICMCI(国際公認経営コンサルティング協議会)認定コンサルタント、MBA(経営学修士)
【略歴】大手鉄鋼メーカーにて、主に電子回路モジュールおよびコンピュータなど情報機器の開発製造事業に従事。開発・設計・製造・生産技術・品質保証・品質管理等の業務に従事し、本社より分社した事業会社の品質保証責任者、生産技術部門長および海外生産子会社(フィリピン、中国)の品質管理責任者を歴任。生産子会社・協力工場や、部材ベンダー・取引先へのものづくり指導、生産技術指導、品質指導を、国内外問わず多く手がけている。
その後、ジェムコ日本経営に入社。経営管理、人材育成から、品質改善支援、ものづくり革新支援など幅広い分野に従事し、"地に足がついた活動"をモットーに、現場に密着し、きめ細かい実践指導は顧客から高い評価を得ている。
タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムおよびハンガリーなど、海外での支援実績も多数あり。
【著書】『工場長の教科書』『在庫戦略の教科書』(共に日経BP)。雑誌『工場管理』(日刊工業新聞社)にて「Z世代の新人育成バイブル」を連載。『工場管理』『型技術』(同)にて寄稿多数。
【専門分野】経営管理・経営戦略、ものづくり現場改革・生産合理化、品質管理・品質改善、組織・人材開発
〇作画
日豆 思惟子(ひず しいこ)
九州在住のデザイン系フリーランス。心地よく感じられる作画を目指す。
ウェブサイト:https://honeysuckle-nagasaki.tumblr.com/

<目次>
第1章 サプライチェーンを知ろう
第2章 顧客から納期の前倒し要望
第3章 急な増産対応の依頼
第4章 値下げ要請に直面する
第5章 品質クレームにどう対応するのか

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製造業における「サプライチェーン」は「原材料を調達して、生産活動を行い、そして、顧客の手元に製品をお届けするまでの一連の流れ」を指します。この流れを止めないよう、企業は部門を越えて情報を共有し、最適な取り組みを行っています。
 こうした中で、営業担当者は顧客からのさまざまな変更要請を受ける窓口です。顧客の要請に満足に応えるために、営業担当者は自社のサプライチェーンを把握しておかなければなりません。これがスキルとなって、顧客の信頼を得る基本になるのです。

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