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航空便・新幹線のGW予約状況は?「旅行需要」本格回復へ一歩

2023年4―5月の大型連休(ゴールデンウイーク、GW)における航空便の国内線や新幹線の指定席予約数が、新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻ってきた。日本航空(JAL)の国内線予約は21日時点で18年比98・6%の水準。JR東海の新幹線予約数は19日までに「18年比で100%に達した」(丹羽俊介社長)。旅行需要の本格回復に向けた第一歩は良好な滑り出しだ。

JALの4月29日から5月7日までの国内線予約は22年比14・2%増の82万7152人で、提供座席数に対する予約率は69・3%。18年と曜日並びが同じとなるように日付をずらした比較で18年の98・6%に回復した。

2023年のGWの座席予約状況

国際線の予約数は新型コロナ前の水準には届かないが、22年比2・4倍の14万6380人となった。各国の水際規制緩和や感染症危険度レベルの引き下げを受け、東アジア線は同7倍以上、ハワイ・グアム線は同4倍以上の予約となった。

全日本空輸(ANA)も同様で、国内線予約(21日時点)は22年比32・0%増の93万2696人と、18年の84・7%まで回復した。予約率は61・4%。国際線の予約は22年の2・7倍の15万2309人。特にハワイ方面の予約は同5・5倍と好調で、18年の90%まで回復。20日から約3年ぶりに成田=ホノルル線で超大型機「A380型機」を毎日運航させている。

スカイマークの国内線予約(21日時点)は22年比47・8%増の18万5221人で、19年の97・9%だった。

JR各社の4月28日から5月7日の新幹線予約の合計(13日時点)は前年比70%増の197万席で、18年の93%の水準に回復した。JR東海では14日時点で18年の95%水準だった予約数は、19日時点では18年比で100%に達したことを明らかにした。「日本の社会が新型コロナへの対応力を高めた結果、旅行をしたいという潜在ニーズが顕在化した」(丹羽社長)とみる。

JR東日本では中央本線の在来線の指定席予約数が18年比26%増の7万7000席となり、在来線予約の合計も18年の水準を上回った。

JTBの推計によると、23年のGWの国内旅行者数は22年比53・1%増の2450万人で、19年の102・0%の水準。国内旅行消費額はコロナ禍前と同程度の8526億円と推計している。海外旅行者数は20万人を見込み、10連休により活況だった19年の21・5%の水準。コロナ禍前の過去10年平均と比較すると3割超にあたる。

一方、外国人旅行者数も回復が進み、日本政府観光局(JNTO)の発表によると3月の訪日客数の推計値は181万7500人で、19年同月実績の65・8%まで回復した。

5月8日には新型コロナの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同等の「5類」へ移行される予定で、旅行需要が国内景気回復を後押しすると期待される。

日刊工業新聞 2023年月4月25日

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