床版工法の管理業務半減、熊谷組が開発したスゴいシステム|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

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床版工法の管理業務半減、熊谷組が開発したスゴいシステム

床版工法の管理業務半減、熊谷組が開発したスゴいシステム

床版取替現場のボルト締結作業

熊谷組は道路の橋梁に使うプレキャスト床版を機械式のコッター式継ぎ手で接合するコッター床版工法向けに、クラウドを活用した品質管理システム「KIS-C」を開発した。同工法に関連する部材製造工場と施工現場の品質管理データをクラウド上で一元管理できる。部材の製造番号と品質管理情報をひも付けて、トレーサビリティー(履歴管理)が可能。従来は各工場で個別に品質管理していたが、クラウド上の運用により部材の流れと即時情報の共有、確認、管理が可能なサプライチェーン管理(SCM)を実現。コッター床版工法の現場管理業務を半減し、従来のループ式継ぎ手による工法と比べて、現場管理の業務を約80%削減できるとみている。

コッター床版工法の現場の品質管理には、ボルト締結時の締め付けトルク値の管理がある。同システムを導入した場合、現場で計測するトルク値は計測時にクラウド上に自動保存され、野帳への記入、データ整理や長所作成が不要。1日の施工量当たりの現場管理業務が従来の約96分から48分に半減できる。今後、自社の床版取替現場で運用し、現場の生産性向上につなげる。

日刊工業新聞 2023年01月10日

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