認知機能に“歩き”関係、花王が明らかにしたこと
花王は認知機能の低下と日常歩行速度の変化に関係性があるとの研究成果をまとめた。これを基に加齢に伴う歩行安定性の変化を把握し、健康支援サービスの向上への貢献が期待できるとしている。
運動機能の疾患のない60―91歳の高齢者1567人を対象に日常歩行速度の計測を実施した。被験者の認知機能を専門の手法で評価し、健常グループと認知機能低下グループを抽出し比較した。1日を3時間ごとに区切ると、認知機能低下グループは正午以降の日常歩行速度が有意に低下することが分かった。この変化をモニタリングすることで認知機能低下を推定できる可能性がある。
また、すり足や小股で歩く不規則な歩行「加齢歩行」を検証。加齢歩行が全ての年代の日常歩行で出現し、年齢とともに増加することも分かった。歩行安定性を評価する新たな指標になるとする。
日刊工業新聞 2022年6月30日