シードの基幹工場、自動格納・積載ロボット導入でコンタクトレンズ月産4750万枚|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

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シードの基幹工場、自動格納・積載ロボット導入でコンタクトレンズ月産4750万枚

シードの鴻巣研究所(埼玉県鴻巣市)は、主に1日使い捨てコンタクトレンズを生産する。生産能力は月4750万枚で、生産できる枚数は国内トップ(同社調べ)だ。同研究所では販売業許可を得ており、物流センターを経由せず直接店舗に出荷できる。

2020年5月に20億円を投じ、製品倉庫棟の新設と資材倉庫棟を増設した。配送箱を自動で格納するシステムや積載ロボットなどを導入して作業効率を高めた。同11月から本格稼働し、増加する海外需要に対応する。

製品倉庫棟は「出荷数の増加に対応するために新設した。物流倉庫で在庫を持つよりもコストを抑えられる」(福田猛取締役常務執行役員)。導入した格納システムはコンベヤーで運ばれる配送箱のバーコードを読み取ることでレンズの種類や出荷時期といった情報を取得し、自動で製品棚に格納する。同棟ではレンズ32枚入りの箱を約145万箱(配送箱約2万9000箱)保管できる。

積載ロボットは人手の作業を代替する。福田取締役常務執行役員は「約11人で搬送箱の積載作業を行っていたが、それを半分程度でできるようになった」と効果を強調する。

資材倉庫増設により、従来の約2倍となる3カ月分程度の資材を保管できるようになった。「コロナ禍でマスクやアルコールが不足する可能性もあったのでよいタイミングで増設できた」(福田取締役常務執行役員)という。

同社は子育てを理由にした離職を防ぐ取り組みも進める。工場の隣接地に18年4月、認可保育園、企業主導型保育所、放課後児童クラブを開設。3施設で従業員や地元住民の子ども約150人を受け入れる。経営企画部の大津有紀子主任は「子どもを安心して預けられるから入社したという人も多い」と話す。今後も安定して生産できる基盤を整備し、需要拡大に応える。(石川雅基)

【工場データ】

鴻巣研究所は07年7月に完成。生産棟3棟と研究棟、製品倉庫、資材倉庫で構成する。従業員は約650人。生産棟は24時間3交代制で稼働する。敷地面積は約5万2000平方メートルで、延べ床面積は約4万平方メートル。

日刊工業新聞2021年1月12日

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