エプソンの点検・保守作業に特化したメガネ型端末の実力|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

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エプソンの点検・保守作業に特化したメガネ型端末の実力

カメラ2眼、センシングシステムで奥行きなど高精度な位置・姿勢測定が可能に
エプソンの点検・保守作業に特化したメガネ型端末の実力

業務用メガネ型ウエアラブル端末「MOVERIO Pro(モベリオ プロ)BT―2000」

 セイコーエプソンは23日、点検・保守などの作業を効率化する業務用メガネ型ウエアラブル端末「MOVERIO Pro(モベリオ プロ)BT―2000=写真」を、9月に発売すると発表した。従来の一般消費者向けモデルに比べカメラの解像度や位置測定精度、画面の輝度を向上するなど、作業現場で使いやすいよう特化した。国内は3年間で1万台の販売を目指し、欧米でも同時期に発売する。

 ヘッドセットを装着すると、目の前に作業の手順書などが表示される。カメラを2眼にして奥行きを測定できるようにしたほか、カメラの解像度を500万画素に向上。また輝度を従来の1・5倍に高めた。自社開発のセンシングシステムを搭載し、高精度な位置・姿勢測定が可能。音声と画像を使った通信が可能で、遠隔地からの作業指示にも利用できる。点検・保守作業や、物流倉庫での導線効率化といった用途を想定する。

 アジア地域でも発売する計画で、グローバルで展開する方針だ。セイコーエプソンの渡辺潤一取締役は「モベリオは自社技術を生かせる領域。エプソンの事業の柱となるよう育てたい」と意気込んだ。

 <関連記事=昨年6月のウエラブル事業説明会>

「将来は100億円規模の事業に育てたい」(碓井社長)


 セイコーエプソンは19日、ウエラブル端末の事業説明会を開き、碓井稔社長は今後のウエアラブル事業について「独創的な製品を投入しプリンターが中心だったブランドイメージを変えたい」と強調した。将来は「売上高で100億円規模に育てたい」とした。

 同社は医療とスポーツ分野を中心に、ウエラブル端末事業を中長期的な成長戦略の一つに掲げている。これまでに全地球測位システム(GPS)機能付きのランニング機器や、レンズが透明なメガネ型端末の「モベリオ」を投入している。

 2014年度内には腕時計型の脈拍計「PULSENSE(パルセンス)」を商品化し、国内販売を始める予定。脈拍を高精度に計測することが可能で消費カロリーや睡眠の質を分析できる点を訴求する。

 事業を拡大するため一般消費者だけでなく、産業向け商品も展開する方針。6月末に発売を延期しているモベリオの新型機については「予定どおり販売する」とした。
日刊工業新聞2015年06月24日 電機・電子部品・情報・通信面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
やっぱりメガネ型は業務用からだろう。

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