温暖化でもドカ雪がなくならない理由 #専門家のまとめ

日差しに春を感じるようになりましたが、また強い寒気がやってきます。北極にある寒気が日本列島に流れ込みやすい「負の北極振動」となるからです。
あす(17日)から19日(水)頃にかけて、日本海側の広い範囲で大雪となるでしょう。とくに19日は北陸地方や岐阜県の山間部で雪が強まる見込みです。
暖かい冬が増えましたが、極端な大雪は減っていません。相次ぐ大雪の原因と今後をまとめました。
ココがポイント
週明けは再び、寒波が襲来し、前回以上に長期滞在する可能性がある。降雪と低温が長引きそうだ。
出典:ウェザーマップ 2025/2/16(日)
北極付近では寒気をため込んだり放出したりを交互に繰り返すものですが、現在は放出のタイミングになっています。
出典:テレビ朝日系(ANN) 2025/2/15(土)
温暖化に伴って海面水温が上昇すると、大気の水蒸気量が増えて雪雲が発生しやすくなる。
出典:朝日新聞 2023/10/18(水)
エキスパートの補足・見解
度重なる大雪の影響で、積雪は日本海側の広い範囲で平年の1.5倍~2倍となっています。一方で、太平洋側は晴れ続きで、この冬の東京の降水量は33.0ミリと極端に少ない。今月いっぱいは雨が降らない見込みで、1929年冬(昭和4年)の37.2ミリの記録を約100年ぶりに更新する可能性があります。
暖冬が当たり前となり、ひと冬に降る雪は少なくなりました。でも、極端な大雪=ドカ雪は減っていません。むしろ、温暖化や夏の猛暑で、海の水温が上昇している影響が雪の降り方を変えています。雪雲が発達しやすく、今年のように寒気が南下しやすい冬はドカ雪のリスクが増すのです。
昨冬は記録的な暖冬で、雪不足が深刻化しました。そして今年は大雪です。温暖化とドカ雪、一見すると矛盾するように思いますが、温暖化の影響はさまざまな形で現れる。気候が変わっていく真っ只中にいるのかもしれません。