太平洋から日本海へ、日本海から太平洋へと走るコースト・トゥ・コーストの「東北横断」はおもしろい。東北は奥州と羽州の旧2国から成っているが、「東北横断」ではその境の奥羽山脈の峠を越えていく。
今年(2022年)は、Vストローム250を走らせ、全部で19本の東北横断ルートを走破した。それらを「南東北編」と「北東北編」に分けて紹介している。
今回は「北東北編」の第1回目だ。
「南東北編」第1回、第2回、第3回はこちら!
1.大船渡 → 本荘 ( R107 ) 273キロ
6月5日、大船渡から「東北横断ルート」の国道107号を走った。
白石峠を越え、荷沢峠を越える。白石峠はトンネルで抜けるが、荷沢峠はゆるやかな勾配の峠道で越えていく。峠の真上には民家があり、バス停もある。いかにも北上山地の峠といった趣だ。
北上の町に入る手前では、国道107号沿いの農家レストラン「さん食亭」で昼食。ここでの野菜料理はよかったが、ここからの眺めもよかった。北上の町並みの向こうに奥羽山脈の山並みが連なっている。
北上からは夏油高原の夏油温泉に行き、「元湯夏油」に泊った。渓流沿いには5つの露天風呂があるが、そのうち4湯はうれしい混浴。
夏油温泉から北上に戻ると、ふたたび国道107号を行く。すると崩落で通行止の標示。秋田道の「北上西IC~湯田IC」のう回路を走ったが、この間は無料。国道107号の復旧は相当な日数がかかるようだ。
湯田ICから国道107号に出ると、国道107号沿いのドライブイン「ユタ」で「ジンギスカン定食」(1000円)を食べた。これはオススメ。
奥羽山脈の巣郷峠を越えて秋田県に入る。
通年通行可の巣郷峠は低い峠で標高296m。冬でも奥羽山脈を越えられるトンネル無しの峠だ。巣郷峠を下った横手では横手駅前温泉の湯に入った。
横手からは雄物川流域の盆地を走り抜け、スノーシェルターで覆われた境峠を越えて本荘の国道7号に出た。この子吉川の交差点は国道107号のみならず、国道105号、国道108号と3本の国道の起点。きわめて重要な「東北横断」の拠点になっている。
2.釜石 → 花巻 → 盛岡 → 秋田 ( R283 → R4 → R46 → R13 ) 262キロ
7月1日、釜石港を出発。釜石の中心街を走り、JRと三陸鉄道の釜石駅前から国道238号を行く。
仙人峠を越えて遠野へ。遠野の町を走り抜け、その先の国道107号との重複区間を走り、宮守、東和を通って花巻へ。その間ではJR釜石線の「めがね橋」が目に残った。
花巻は宮沢賢治の故郷。丘の上に建つ「宮沢賢治記念館」を見学した。
花巻から国道4号で盛岡へ。盛岡からは国道46号を行く。雫石周辺の青々とした水田地帯は印象的な眺め。
奥羽山脈の仙岩峠を越えて秋田県に入ると、角館の町をぐるりとまわり、国道46号沿いの角館温泉「花葉館」に泊った。湯から上がるとレストランで夕食。キューッと飲み干した生ビールはうまい。
国道46号から国道13号に合流すると、旧羽州街道の宿場に立ち寄りながら秋田に到着。国道7号と国道13号の交差点をゴールにした。
3.宮古 → 盛岡 → 秋田 ( R106 → R4 → R46 → R13 ) 248キロ
7月9日、「宮古→秋田」を走った。まずは国道106号で盛岡へ。「宮古~盛岡」間の国道106号は東日本大震災後の「復興支援道路」として改良が進み、3区間の自動車専用道路(無料)が完成した。
宮古の市街地を抜け出ると閉伊川沿いに走り、区界峠は全長4998mの新区界トンネルで走り抜けていく。
盛岡では「盛岡探訪」。石垣だけが残る盛岡城跡を歩いた。盛岡からは国道46号→国道13号で秋田まで走った。
続きは『北東北編(2)』で!
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