
【賀曽利隆:冒険家・ツーリングジャーナリスト】
ジクサーに心奪われ日本一周へ
2017年2月18日と2月19日の両日、岩手県花巻市で「IWATEモーターサイクルフェスタ」が開催された。カソリはメインゲストとして呼ばれ、『ツーリングマップル北海道』(昭文社)を担当している小原信好さんと2日連続のトークショーをおこなった。立見席までいっぱいになるほどの大盛況。
その会場に日本初公開のジクサーが展示されていた。スズキの150ccバイク、ジクサーとの衝撃的な出会いだ。
「満タンにすれば500キロ以上は走れますよ」という担当の方の一言に、ぼくの心は強烈にひきつけられた。
「よーし、やってやろう。ジクサーで日本中をまわってやろう!」と、その瞬間に決めた。
電光石火のカソリの決心だ。
ということで、「ジクサーでの分割日本一周」は、花巻から始まった。「旅はドラマ。旅は思いたったが吉日!」なのである。
2017年3月2日9時、花巻で開催された「IWATEモーターサイクルフェスタ」でのジクサーとの衝撃的な出会いから12日後、「ジクサーでの分割日本一周」が始まった。
第1弾目は「中国一周」。3月2日から3月9日までの7日間で2968キロを走った。第2弾目は「九州一周」。4月20日から4月30日までの11日間で4907キロを走った。第3弾目は「東北一周」。7月19日から7月25日までの7日間で2812キロを走った。ここまでがジクサーでの「分割日本一周」の前半戦で、10747キロを走った。
これらジクサーでの「中国一周」、「九州一周」、「東北一周」の3部作は当コラムでも連載していますので、ぜひともご覧ください。
【関連ニュース】
◆ジクサーで行く中国地方/九州一周/東北一周
ジクサーで行く「分割日本一周」を再開
ジクサーでの「分割日本一周」の後半戦を開始したのは2020年になってからのことである。第1弾目は「北海道一周編」。4月10日6時、ジクサーのニューモデルで東京・日本橋を出発。国道4号を北へ。埼玉県に入り、草加で満タンにし、春日部の「ローソン」で朝食の「おにぎり」を食べた。これが記念すべき第1食目だ。
国道4号を北へ、北へと走る。この距離の長さが国道4号の魅力。ジクサーと自分が一体になったかのような走りがたまらない。宇都宮を通過し、栃木・福島県境の栃福橋を渡って東北に入った。白河、郡山、福島と通って宮城県に入り、仙台に到着したのは16時。日本橋から355キロ。
古川(大崎市)で給油したが、ジクサーの燃費はリッター41・8キロで上出来だ。一関、北上、花巻を通り、盛岡到着は21時。日本橋から546キロ。
盛岡からが大変だ。天気が崩れ、冷たい雨が降り出した。沼宮内(岩手町)を過ぎると、雨は雪に変わった。4月の雪。国道4号の最高所地点、十三本木峠(中山峠)は氷点下4度。ボソボソ雪が降っていた。とにかく転倒しないようにして走る。
大型トラックに引っ掛けられないように、路肩の雪だまりの中をギアをシフトダウンして下った。
一戸から二戸までまで下り、雪が止んだときは、
「助かった~!」
と、思わず叫んだ。
青岩大橋を渡って青森県に入った。猛烈な睡魔に襲われ、ここでは缶コーヒーのブラックを飲んだ。三戸、五戸、七戸と通り、野辺地から青森を目指す。あともう一息。
そしてついに青森に到着。真夜中の青森駅前でジクサーを止めた。時間は1時30分。日本橋から753キロだった。
青森駅前から青森ベイブリッジを渡って青森港のフェリー埠頭へ。2時40分発の津軽海峡フェリー「ブルーマーメイド」に乗船。船室に入ると、すぐに寝た。カソリの「秒寝」。横になって「1、2、3」で眠りに落ちる。
津軽海峡フェリーの「ブルーマーメイド」は6時20分、函館港に到着。日本橋を発ってから24時間後に北海道に上陸した。さー、「北海道一周」の開始だ!
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