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目次
2024 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第3戦 SUPERBIKE RACE in SUGO
2024年5月25日(土):予選・JSB1000・ST600レース1 天候:晴れ コース:ドライ
2024年5月26日(日):決勝・JSB1000・ST600レース2 天候:晴れ コース:ドライ
宮城県・スポーツランドSUGO(1周=3.6211km)
観客動員数:8,700人(2日間合計)
JSB1000
#33 高橋 巧
Race1 予選8番手(1'26"903)
決勝:7位
Race2 予選7番手(1'27"038)
決勝:5位
ST600
#5 小山知良
Race1 予選5番手(1'30"234)
決勝:DNF
Race2 予選5番手(1'30"500)
決勝:DNS
#27 大和 颯
Race1 予選15番手(1'31"296)
決勝:23位
Race2 予選14番手(1'31"324)
決勝:17位
J-GP3
#12 岡崎静夏
予選9番手(1'36"375)
決勝:8位
#3 若松 怜
予選4番手(1'34"477)
決勝:2位
J-GP3若松はまさかの結末もランキングトップをキープ!JSB1000高橋は戦える体制が整って来た!!
宮城県・スポーツランドSUGOで全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦が行われた。前週に行われた公開テストでは、最終日のみ雨となったが、それ以外は晴れとなり安定した天候に恵まれたラウンドとなった。
JSB1000クラスの高橋巧は、チームと共にマシンセットを進めキレのある走りが見られるようになってきていた。まだまだ満足いく状態ではなかったが、ポジションは着実に上がって来ていた。
ST600クラスの小山知良は、今回からサスペンションをSHOWAに変更することを決断。時間の限られている中で走る度にタイムを更新。
フロントのフィーリングがよくなったことが大きかった。今回のSUGOラウンドは、JSB1000クラスと同じくST600クラスも2レース制だけに、しっかり結果を残しておきたいところだったのだが・・・
レースウイーク初日となった金曜日は、夏を思わせる暑さとなり、風も強いコンディションとなったが、土日は気温も下がり観戦にはちょうどいい天候となった。土曜日の公式予選は、レース1のあるJSB1000クラス、ST600クラスがJ-GP3クラスよりも先に行われた。
高橋は、1分26秒台までタイムを縮めるが、ライバルも速く8番手。レース2のグリッドを決めるセカンドラップタイムでは7番手となっていた。
ST600の小山は予選でコースレコードを上回るタイムを記録し3年振りに自己ベストを更新。
ST600の小山は、走る度にタイムを更新し、予選ではコースレコードを上回るタイムを記録し3年振りに自己ベストを更新。両レースとも5番手グリッドを確保していた。
ST600ルーキーの大和颯も1分31秒台前半までタイムアップし、いい流れに乗りつつあった。
もてぎラウンドを制し、連勝を狙うJ-GP3クラスの若松玲は、ポールポジションを狙ったが、最終セクションで他車に引っかかってしまい悔しい4番手となっていた。ただアベレージはいいだけにレースでの巻き返しを狙っていた。
岡崎静夏は、公開テストでの転倒からドライでのセットをうまく詰めることができていなかったが、9番手グリッドを確保していた。
J-GP3クラスのレースは波乱の結末
J-GP3クラスのレースは波乱の結末が待っていた。若松は好スタートを見せトップグループにつけると、3番手から2番手、そしてトップも伺いながら周回を重ねていく。
そしてレース終盤に入り、最後に前でゴールするために組み立てを考えていく。2番手を走りながらトップを走る尾野選手を追っていく。そして残り2周を切った18周目のバックストレートでアクシデントは発生する。トップグループの目の前に動物が現れ、尾野選手と接触!
幸い選手たちにケガはなく、走行を続けていたが赤旗が提示され、17周を終えた順位でレース成立となる。
若松は勝負できずに2位となったが、ランキングトップをキープした。岡崎は、7位争いを繰り広げていたが、こちらも勝負できずに8位となった。
JSB1000クラスの高橋はレース2で5番手につける!
JSB1000クラスの高橋は、レース1では、終盤にポジションを上げ8位でゴール。
レース2では、スタートを決めるとオープニングラップは、5番手につける。その後、同じHondaを駆る野左根選手との4位争いを繰り広げていく。16周目の1コーナーでは野左根選手をパスし、4番手に浮上。
そのままレース終盤を迎えるが、最終ラップにポジションを落とし5位でゴールしている。
レース1で小山が接触転倒。
ST600クラスは、レース1で小山が2列目から好スタートを見せ3番手で1コーナーに入っていく。
オープニングラップは4番手で戻ってくると、2周目に1台にかわされ5番手とポジションを下げるが、まだまだ周回はあるだけに、落ち着いて走っていた。
しかし、5周目のバックストレートから馬の背コーナーへのブレーキングの際に他車にラインを塞がれてしまい接触転倒。そのままリタイアとなってしまう。
小山はこのアクシデントで右親指の付け根を骨折、右足の靱帯も痛めてしまいレース2はキャンセルを余儀なくされてしまう。
大和もレース1では、自己ベストを更新する走りでバトルを繰り広げ10番手を走っていたが、16周目の1コーナーで痛恨の転倒。レース2は力を出せずに17位と悔しいSUGOラウンドとなってしまった。
日本郵便HondaDream 選手コメント
JSB1000クラス #33 高橋巧選手コメント
今回のSUGOラウンドも、いつも通りのレースしかできませんでした。ただ、レース2は、うまくスタートを切ることができたので、レース1より上位でゴールすることができました。改めてスタートの重要性を感じましたし、今回のようなスタートを毎戦できるようにしていきたいですね。
レース2は野左根選手との一騎打ちになったのですが、早く前に出すぎたのかもしれません。ただ、まだ勝負できる状態ではなかったので、後半戦に向けてチームと話し合って、いいところを見つけていきたいですね。
今回も多くの応援ありがとうございました!
ST600クラス #5 小山知良選手コメント
今回からサスペンションをSHOWAに変えて、フロントのフィーリングが改善され、時間の少ない中でも走る度にタイムを更新できていました。公開テストのベースのままレースウイークは大きく変更することなく、予選では単独でもタイムを出せたのでレースに向けていい手応えを感じていました。
レース1では、スタートもうまく決まり、周回数があるのでタイヤマネジメントを考えながら走ろうと思っていたのですがバックストレートエンドでラインを塞がれる形で接触転倒。マシンに足が挟まれてしまい右足を痛めてしまいました。
後半戦こそコヤマックスらしい走りをお見せできるように治療に専念します。今回も応援ありがとうございました!
J-GP3クラス #12 岡崎静夏選手コメント
公開テストで転倒がありドライのセットを詰め切れないままレースウイークを迎えていました。調子がいいと思い込んでいたこともあり足踏みをしてしまった部分もありました。
予選は前に引っ張ってもらって出たタイムでしたが、スタートを決めて前の集団で走りたいという気持ちもありましたが、実際は、セカンド、サードグループでのバトルになっていました。これが今の自分の実力なんだということが分かったレースでしたが収穫もありました。
次戦は、もっと上位でバトルができるように準備段階から無駄な転倒をしないで進めていきたいです。筑波でも応援よろしくお願いいたします!
日本郵便docomo business 選手コメント
ST600クラス #27 大和颯選手コメント
自分自身が進化する過程でステップの幅がせまいのですが、その中でもタイムは縮まっていていましたし、チームと一緒に積み上げて来たことを、うまく活かすのも自分次第ということがよく分かりました。
レース1は、すごく調子がよく、攻めの走りをして転倒と悔しい結果でしたが、レース2は全くタイムも出ず、走りがおかしくなってしまっていました。転倒によってマシンがダメージを受けていた可能性もあるのですが、その辺を含めて自分で判断できるようにならなければいけないですね。
些細なきっかけで調子を崩してしまったので、後半戦はもっと成長して、まずはしっかりポイントを獲りたいです!
J-GP3クラス #3 若松怜選手コメント
決勝日朝のウォームアップ走行でトップタイムを出すことができたので自信がありました。スタートでは、三谷選手がピットスタートになり、3台のトップ争いになることは分かっていました。
尾野選手のマシンは速く、抜いてもすぐに抜き返されてしまっていたので、タイヤマネジメントを考えて、レース終盤に勝負と思っていたのですが、思わぬ結末でした。
2位は悔しいですが、ランキングトップをキープできたので、次回の筑波で、また勝てるようにチームと力を合わせていきます!
手島雄介監督コメント
日本郵便株式会社様、NTTコミュニケーションズ株式会社様をはじめ、日本郵便社員の皆様、サポーターの皆様、今回も多くの応援をいただきありがとうございました。
SUGOラウンドを振り返れば、一喜一憂する非常に浮き沈みの多いレースとなりました。
昔、私が日本郵便様と、このレーシングチームを立ち上げさせてもらった際に、当たり前が当たり前ではない、日本郵便様のお仕事はそのようなお仕事だと学ばせていただきました。
今回土曜に行われたRace1でST600クラスの小山知良選手が他車と接触し大きなクラッシュをしました。30年間レースをしている中で一番衝撃的なレーシングスーツのダメージを見て、本当に生きてくれていて良かったと心から思いました。
その時に我々がいつも“事故ゼロ”や“安全第一”と言いながら99%の準備を目指して活動をしてきた中で、レースができることですら当たり前ではないと改めて深く学ばせていただきました。
だからこそ、私たちがやらせていただいているこのモータースポーツの活動に真摯に向き合い、皆様と共に創っていくことがどれだけ重要であり、自分たちが真剣に取り組まなければならないことを受け止めた週末でもあります。
若松怜選手の2位表彰台は不可抗力での赤旗中断の結果でしたし、小山選手の転倒もそうですが、世の中には中々思い通りにならないことが沢山あります。次の筑波大会までに今回いただいた気づきを学びに変えて準備に活かしていきたいです。
また皆様がサーキットに足を運んでくださった時にいい意味で目に映る光景が当たり前ではないことを一人ひとりの方へ伝えていきたいです。またモータースポーツを活用して幸せを創っていけたらと思います。
今回もありがとうございました。
今後も宜しくお願い致します。
ティー・プロ・イノベーション
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