文/Webikeバイヤー:あきら
すぱこる!
ハイグリップタイヤというのは、圧倒的なグリップ力でスポーティな走りを実現してくれるタイヤ!
そしてレーシィなデザインがかっこいいタイヤでもあります。
とはいえ、力には代償がつきもの……もとい、グリップには温度依存がつきものなので、選び方を間違えるとハイグリップを発揮する前にツルっと行ってしまうこともしばしば。
そこで今回は、ストリートでいつでも使える、それこそ冬でも使えるハイグリップ、スポーツタイヤの2020年人気ランキングをご紹介!
注目キーワードは温度依存性とウェットグリップです。
ハイグリップの基礎知識
いつでもハイグリップなわけじゃない
ハイグリップタイヤというのは決していつでもハイグリップなわけではありません。
この世で最もグリップ力を発生させるタイヤレーシングスリックタイヤですが、これはストリートでは何の役にも立ちません。
グリップ力というのは温度に依存するので、そういったタイヤはタイヤウォーマーを使い適正な温度に温めることで初めて最強の力を発揮するのです。
つまり公道では無力。
このようにハイグリップというのは特定の環境で輝きを放つ特殊なタイヤなのです。
しかしストリート向けは違います!
ポイントは温まりやすさとレイングリップ
グリップ力というのは最新のタイヤであればほぼ満足が得られる境地に達しています。
そこで注目すべき必須要件は2つ。温まりやすさとウェットグリップです。
グリップ力は温度に依存しますので、早い話が早くタイヤが温まればグリップ力は得られるのです。
次にウェットグリップですが、これを備えているタイヤは突然のウェット路面でも接地感が違います。
この2点を兼ね備えたタイヤは多くの場合シリカ配合のコンパウンドを使用しています。
レイン適正はメーカーの説明やインプレッション、あとは設置面積当たりのミゾの量や形状も確認してみるといいでしょう。
耐久性も両立したい
グリップ力が高いタイヤというのは柔らかいため、摩耗しやすいのが特徴です。レーシングレインタイヤなんかは柔らかすぎてすぐ摩耗します。
でもストリートで使うのであればツーリングだって行くし街乗りもする。高速だって走るのですぐにダメになっては困りますよね。
そこで耐久性とコーナリンググリップを両立する手法として生み出されたのが複数コンパウンドを使用したタイヤ。
バイクのタイヤは傾きに応じて路面に接地する面が違うので、それに合わせてコンパウンドを切り替えることで耐久性とグリップ力を両立してるというわけ!
具体的には直線走行で摩耗スピードの速いセンターは耐久性重視!最もグリップ力が欲しいサイドはグリップ重視というような感じです。
ストリートで使うハイグリップは以上のポイントを意識して選べばOKです!
2020年ハイグリップ系タイヤ人気ランキングTOP10
第10位 BRIDGESTONE|BATTLAX RACING STREET RS10
10位にランクインしたのはブリヂストンのRS10。
ダンロップのα14と並ぶハイグリップタイヤの1つです!
ミゾが非常に少ないスリックライクのデザインで如何にもハイグリップという感じですが、このミゾはトレッド剛性を向上させるために3D計上になっています。
国産スーパースポーツをはじめとしてハイエンドバイクの純正装着タイヤとしても選ばれる信頼感も魅力的です!
ドライ路面のワインディングとサーキットを楽しむならおすすめです
ちなみに、Hレンジ仕様の110/70R17+150/60R17のサイズは、現代の250CCクラススポーツバイクにピッタリのサイズ!
もちろんカワサキのZX-25Rも履くことができるサイズです。
第9位 METZELER|SPORTEC M9 RR
9位にランクインしたのは、ドイツが誇るゾウさんことメッツラーのスポーツタイヤM9RR!
メッツラー初100%シリカコンパウンドを採用するこのタイヤは、低温の路面でも素早くタイヤが発熱し、ハイグリップを得ることができます。
また、トレンドでもあるウェット性能も排水性の高いミゾ設計を行っており、ツーリング先で悪天候に見舞われても安心して走行することができます。
このM9RRでは電子制御を搭載した車両との相性も考慮して設計されたとのことで、最新の電子制御モリモリスーパースポーツ乗りにはオススメのタイヤです。
よくピレリのロッソコルサ2と比較されますが個人的な所管としてはロッソコルサよりも穏やかなハンドリングで熱の入りが早い……ような気がします。
第8位 DUNLOP|SPORTMAX Roadsport 2
ダンロップのスポーツタイヤといえばロードスポーツシリーズ!その2代目ロードスポーツ2では2種類のコンパウンドを上下に重ねる2層トレッド構造をリアに採用しており、ライフとフリップ性能が向上しています。
また、タイヤにとっての重要なビード構造もハイグリップタイヤ「SPORTMAX α-14」の構造を元に専用チューニングを施したものを採用しています。おかげで、しなやかでありながら踏ん張る剛性感があります。
乗り味はロードスポーツ同様、自然なハンドリングで、切れ込んだり重たかったりしないニュートラルな感覚です。
卓越したグリップ力やコーナリング性能を望むのであれば役不足ですが、ツーリングや街乗りメインでたまにワインディングを楽しむ用途にはベストマッチ!
また、ロードスポーツで気になった人も多いであろうタイヤが摩耗してからのグリップ低下感が抑えられ、タイヤ交換時期まで安定したグリップ力を得ることができます!
第7位 PIRELLI|DIABLO ROSSO III
ストリート向けハイグリップに当たるロッソコルサとツーリングタイヤ、エンジェルシリーズの中間に位置するロッソ3!
デザインは、ピレリのレーシングタイヤ、スーパーコルサでおなじみのイナズマパターンが採用されていて、スポーティな走りが期待できるタイヤです。
完全にドライ路面を意識したように見えるミゾデザインですが、効率的な排水性能を兼ね備えているので実は雨でも安心できます。
コンパウンドはリアのセンター20%に安定性と耐久性の高いコンパウンド、サイド片側40%にシリカ100%配合のハイパフォーマンスコンパウンドを採用しています。
第6位 MICHELIN|PILOT POWER 2CT
登場は2015年と今から6年ほど前なのに未だに根強い人気を誇る脅威のタイヤそれがパイロットパワー2CTです!
2CTはデュアルコンパウントテクノロジーを表していて、つまり直進時に使用されるセンター部は耐久性重視のコンパウンド、コーナリングで使用されるサイド部分はグリップ力を重視したコンパウンドを採用しているというもの。
今でこそ当たり前になりつつあるこの技術ですが、当時は先進的なもので、すでにこの2CTの時点で完成されていたといえるほど高い性能を誇るタイヤでした。
そのため現在でも多くのリピーターが存在するという非常に珍しいタイヤです。
乗り味はバンクさせやすく、させた後もしっかり食いつくスポーツタイヤらしい性格で現代基準ではシンプル!「現代のすごい技術」は搭載されていないものの、タイヤそのもののスペックの高さで素材の味を楽しめるタイヤです。
そして、今回ランクインしたタイヤの中ではコスパに優れる価格帯というのも魅力!安くて楽しいミシュランの名作タイヤは今でも十分戦えます!
第5位 METZELER|SPORTEC M5 INTERACT
自宅から自走して、そのままサーキット走行会でフルに「膝すり」をエンジョイ。
というのはメッツラーがつけたこのタイヤのキャッチコピー。
この言葉の通り、ストリートでの安定感や耐久性、ウェットグリップは備えながら、週末のサーキット走行でも満足できるグリップ力を発揮できるというタイヤです。
そしてトレッド面にはバンク角度を確認するためのリーンインジケーターがついているので、走行後にそのマークを消せたかを確認できるという面白機能付き!
メッツラーがなぜそこまで膝を摺らせたかったのかは今となっては謎です。
第4位 PIRELLI|DIABLO ROSSO CORSA II
スーパーコルサのレーシングな乗り味はそのままによりストリートで扱いやすくしたハイグリップタイヤ。それはロッコルことロッソコルサ2です!
純粋なレーシングタイヤというのは温度依存性が高く一瞬の輝きはすさまじいですが、ストリートで使おうとすると特に冬の走り出しは全くグリップしない危険なタイヤというのがほとんどです。
その点このロッコル2であれば、フロント100%リア70%がシリカ配合コンパウンドとなっており、とても速いウォームアップによって冬でもすぐに楽しめるグリップ力を発揮します。
ミゾのデザインもウェット路面での排水性を考慮した設計になっているだけでなく、サーキットなど深いバンク角で楽しむライダーのためにショルダー部分がスリックゾーンになっています。
また剛性もピレリのタイヤで最強なのですが、ただ剛性が高いだけでなく、世界的なレースWSBKで開発されたLFCによってセンター部からショルダー部にかけての剛性を段階的に変化させることに成功しています。
フロント3分割、リア5分割のコンパウンドと合わさって、バンク角、走行路面によって最適なタイヤ特性とグリップ力を獲得したタイヤなのです!!
つまり!ワインディングとサーキットを楽しむならこれがおすすめ!!
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パイロットパワー2CTの登場は2006年あたりですが。
なぜ10年もの誤差に気付けないのでしょう。
2013年にはパイロットパワー3が出てますし。