バイクを走らせるために重要なパーツのひとつがマフラー。バイクやクルマにあまり詳しくない人がマフラーと聞くと、首に巻く防寒具のマフラーを思い浮かべることも多いと思いますが、実は、どちらも英語では「muffler」と書きます。

これらは英語の綴り「muffler」は同じ。それぞれの形や役割などには、まったく共通点がないようですが、なぜ同じ綴りなのでしょうか。また、そもそもバイクのマフラーとはどんな役割や意味を持つのでしょうか。ここでは、主にバイク初心者向けに、マフラーの基礎知識などを紹介します。

バイクのマフラーとは?

バイクのエンジン部分から後方に向かって伸びている部品がマフラーです。主な役割は、エンジン内部で燃焼した排出ガスを排出することと、その際に出る排気音を小さくすることです。

そのため、もしマフラーを装着していないまま走行すると、大量の排気ガスと大爆音を出してしまうことになってしまいます。また、マフラーに何らかの異常があると車検にパスしないケースもあるため、安全な走行にはかなり不可欠なパーツのひとつといえるでしょう。

マフラーの基本構造は3パート

このようにバイクにとって、なくてはならないパーツがマフラーです。バイクの場合、マフラーの基本的な構造は、エンジンとの接続部となる「フランジ」と、エンジンから発生した排気ガスを通過させる「エキゾーストパイプ」、そして、エキゾーストパイプと繋がり、排気ガスの低減や排気音を抑える「サイレンサー」といった3パートからできているといえます。

これらのうち、エキゾーストパイプは、エンジンの気筒数により数が異なり、単気筒なら1本、2気筒なら2本、4気筒であれば4本あるのが一般的。多気筒エンジンのエキゾーストパイプでは、そこからサイレンサーへつながる途中で、集合部にまとめられることもよくある傾向です。

また、サイレンサーも、エンジン気筒数やバイクの種類・特性などに応じて変わり、右側1本出しや左右2本出し、またオフロードバイクなどのアップタイプなど、さまざまな種類があります。

特に、サイレンサーは、バイクの性能だけでなく、デザイン面でも非常に需要なパーツです。

ちなみに、社外マフラーには、フランジとエキゾーストパイプ、サイレンサーがセットになった「フルエキゾーストタイプ」と、主にサイレンサー部だけを交換する「スリップオンタイプ」というものあります。そして、とくに、スリップオンタイプの場合、サイレンサー部だけをマフラーと呼ぶこともあるなど、サイレンサーはマフラーと同義に近いイメージのあるバーツだといえます。

英語では防寒具のマフラーと同じ綴り

このようにバイクにとって重要なマフラーですが、実は、首に巻く防寒具のマフラーも英語の綴りは同じ「muffler」です。

そもそもマフラーとは、「覆う」「包む」「消す」といっった意味を持つ「muffle」という言葉が語源。それに「何かを実行する人または物」を表す接尾辞の「er」を付けた言葉です。

防寒具としてのマフラーは首元を覆ったり包むことで身体を温めるために使うもの。バイクやクルマのマフラーは、エンジンから発生した排出ガスを覆ったり包んだりして音を抑える役割をするもの。つまり、「覆ったり包んだりする」という点では、同じ行為をしているということで、綴りや発音が同じになっていることがうかがえます。

サイレンサーは主に2タイプある

ちなみに、マフラーのなかで、排気音を包むことで小さくするサイレンサーには、内部構造により主に2つのタイプがあります。

●ストレート構造
●隔壁タイプ

「ストレート構造」とは、排出ガスが入って出るまでのパイプがまっすぐになっているタイプ。排出ガスのヌケがいいことで、高性能を発揮できることが特徴です。内部のパイプにはいくつも穴の開いた金属製を用い、そのまわりへ穴をふさぐように「グラスウール」と呼ばれる素材を巻くことで、排気音の低減を図っています。

一方の隔壁タイプは、サイレンサー内に「隔壁」と呼ばれる複数の壁を設けているもの。エンジンからの排気音が壁に跳ね返ることで消音効果を出すものです。

隔壁タイプは、ストレート構造と比べると、静粛性が高く、グラスウールなど内部パーツのメンテナンスも不要。ただし、サイレンサー自体が大きくなり、重量も重くなる傾向があるため、スポーツモデルなどにはあまり向いていないタイプだといえます。

カスタムで人気な社外マフラー

マフラーは、純正品だけでなく、アフターパーツメーカーから社外品も数多く出ており、カスタムやドレスアップ用のパーツとしても人気です。

社外マフラーには、前述の通り、「フランジ+エキゾーストパイプ+サイレンサー」がセットになった「フルエキゾーストタイプ」もありますが、車種によっては主にサイレンサー部のみを変えられる「スリップオンタイプ」もあります。

フルエキゾーストタイプは、見た目だけでなく、ある程度のパワーアップや軽量化も望める製品も数多いのですが、価格が高い傾向で、最近では20万円以上する製品もざらです。一方、スリップオンタイプは、性能を上げるというよりも、手頃な価格でドレスアップ効果を狙えるのが魅力です。

ただし、いずれの場合も、法律で定められた騒音基準値や排出ガス規制値などに適合していないと、違法改造となるので注意しましょう。

しかも、もし違法マフラーを付けて公道を走り捕まると、かなり重い処罰が待っています。まず、バイクには整備命令のステッカーが貼られ、15日以内に運輸支局などに持ち込んで、法律に適合したマフラーを装着しているかを確認することを義務付けされます。そして、これに従わない場合は「50万円以下の罰金」と高額な罰金を課せられます。加えて、違法改造を実施した者に対しても「6ヶ月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」などの処分を課せられます。

そうしたことを防ぐには、社外マフラーを選ぶ場合、きちんと法規に適合したマフラーであるかどうかを確認することが大切。たとえば、2010年4月1日以降に生産されたバイクの場合、政府認証マフラーでないと、交換して公道走行ができないなど、社外マフラーにはさまざまな決まりもあるので注意しましょう。くれぐれも、違法マフラーを付けて公道走行をしないようにしましょう。

*写真はイメージです

なぜ首に巻くマフラーと同じ? 今さら聞けないバイクのマフラーの役割や意味とは ギャラリーへ (10枚)

この記事にいいねする


コメント一覧
  1. 匿名 より:

    これ書いた記者、編集部に渡す前に自分の原稿を読み直したりしないのかな?序文読んだだけで、素人レベルの書き手だってわかったわ。

    まあバイク系のライターは、まともな文章書けない連中ばっかりだけどね。

コメントをもっと見る
コメントを残す