大阪府貝塚市のOUTEX(アウテックス)。’05年スーパーモタード鈴鹿南コース大会で250クラスと450クラスのダブルウィンを獲得、さらに’16~’19年筑波ロードレース選手権TC400クラスに単気筒エンジンでスポット参戦し、4勝を獲得するなどの活躍をしてきた中島氏による、他にないアイディア溢れるオリジナルパーツで人気のパーツメーカー。

特に振動吸収レバーガードやステムスタビライザーは、ハンターカブカスタムにおいても非常に高い評価を受けている。そんなアウテックスのパーツがどうにも気になったので、デモ車を取材して各種パーツを紹介していくよ。

OUTEXデモ車CT125(JA55)

まずはデモ車の外観から。見た目にはほぼノーマルのイメージを残しているが、往年のCT110を彷彿とさせるヒートガードのマフラーが特に目を惹く。
装着されているパーツは、OUTEXマフラー、ステムスタビライザー、振動吸収レバーガード、Fステップ&可変ブラケット、スポークブースター(前後)、クリアチューブレスキット(前後)。

ステムスタビライザー、振動吸収レバーガードは、ボディ同色のグローイングレッドで仕上げられているため、非常にまとまりの良い印象。この2点については、カラー展開されているので、好みに合わせたチョイスも可能だ。ボディ同色での仕上げであればデモ車のように、ノーマルの印象を損なうことなく、装着することができる。

では、各アイテムの詳細を掘り下げていくよ。

2軸傾斜+1軸可変式により、自在なセッティングとソールへの追従を生み出すFステップ可変ブラケットセット

まずはFステップ可変ブラケットセット。これはステップ部分がソールに追従するFステップと、ステップ位置の変更を可能にする可変ブラケットを組み合わせたもの。もちろんCT125専用品で、オフロード走行に適したFペグ(https://www.webike.net/sd/25916499/)も用意される。

ステップは荷重による入力という、バイクの操作に置いて非常に重要な役割があるけど、それをより効果的にするのがFステップ。レーサーなどは、丸軸のステップを使用するが、それでも実際の接地面はそこまで大きいものではないという。
そこで、ステップ自体がソールに追従することで、常に安定した操作を可能にするという仕組み。

ソールにしっかりと接地するステップ面と回転軸により、つねに足裏がステップにしっかりと接地。コーナリングなどの動作でも、安定した操作ができるのはもちろん、さらにステップが追従することにより、ギアチェンジやリアブレーキ操作時にもステップへの接地感は損なわれず、あらゆるシーンでの操作性が向上する。

これだけでも相当な構造だが、可変ブラケットによりステップの位置をセッティングすることも可能。こちらも回転軸を活かした設計で、調整範囲は5段階。実際の動きとしてはこんな感じ。

2つの軸と1つの可変軸を持ち、一般的なステップよりもかなり複雑な構造になっている。ステップという、重要でありながらもなかなか注目されづらかったものに、ここまで向きあったアイテム開発は、レースシーンでの経験豊富なアウテックスならでは。

スポークの特性を活かしつつ、剛性を高めてくれるスポークブースター

ロードモデルであればキャストホイールが主流だが、オフ走行ではやはスポークホイールが定番。もちろんハンターカブもスポークホイールを採用している。
反面、舗装路や高速域でのコーナリングでの剛性についてはキャストホイールに一歩譲る場面も。そうしたネガを解消しつつ、スポーク自体の特性を活かすために開発されたのがスポークブースター。

実際にロードレースやモタードレースでスポークブースターを装着した車両が優勝を獲得。さらに海外のラリーでも活躍するなど、その効果はレースシーンでの折り紙付。

スポークブースターを装着することで得られる効果としては、ハンドリングのクイックさ、高速走行時の安定性。さらにニップルの緩み防止や、スポークの折れ防止というメリットも。
ハンターカブのような小排気量車の場合は、大排気量のモタードなどと比較して効果が実感しづらい可能性があるが、ニップルの緩みやスポークの折れ防止については、長距離を走るライダーにとって恩恵が大きいだろう。
デモ車にはブラックアルマイト仕上げが装着されていたが、他にも各種指定色が選択可能なので、ドレスアップ効果も大きい。

ノーマルホイールのままでチューブレス化を実現する、クリアチューブレスキット

ハンターカブは、一般的なスポークホイール採用車両と同様にチューブを使用するが、チューブレス化についてはかなり人気のあるカスタム。イベントなどでよく見かけるのは、海外製のチューブレススポークホイールへの換装だが、アウテックスではモタードレースでの経験から、2006年よりスポークホイールのチューブレス化を行っている。それがクリアチューブレスキット。

リム部分に特殊なシール素材を施工することで、ニップルからの空気漏れを防ぎ、チューブレス化を可能としている。装着後にニップルの調整も可能。CT125の場合は鉄リムということもあり、ベルトサンダーなどのエアツールが必要になる。装着については、アウテックスもしくは代理店での施工がオススメ。

チューブレス化することによる恩恵は相当大きく、バネ下重量の軽減はもちろん、タイヤ交換の容易さや、パンク修理も楽になるなど多岐にわたる。
耐久性についても、アウテックスのデモ車はチューブレス化して2年以上たつが、ノントラブルだという。性能上のメリットはもちろん、メンテナンスが楽になるというのは、あらゆるライダーにとって恩恵が大きいだろう。

振動を逃がすという発想から生まれた、振動吸収レバーガード

MOTOGPでの装着義務化などにより、ロード系カスタムの定番になったレバーガード。本来は、ブレーキレバーに対する外部からの意図せぬ入力を防ぐというもの。アウテックスでは、「振動が先端に向かう」という性質に注目。さらに形状などを追求することで、レバーガードとしての機能と振動吸収性能を高い次元で両立させている。

ロングツーリングに使用されることも多いハンターカブでは、長距離走行によるハンドル振動の蓄積が気になる人も多いようで、この振動吸収レバーガードは非常に高い人気を誇っている。

サイズ展開が豊富なのも特長で、板厚10mmタイプ(片側約159g)、板厚10mm軽量タイプ(片側約138g)、板厚8mmタイプ(片側約90g)、板厚8mm軽量タイプ(片側約82g)の4種をラインナップ。

さらに仕上げも、バフ仕上げから純正色の焼き付け塗装、指定カラーによるアルマイトなど、多岐にわたる。アウテックスのデモ車に装着された振動吸収レバーガードには、グローイングレッドの焼き付け塗装が施されていた。

CT110を想起させるスタイリッシュさだけでなく、サイレンサー素材や内部構造も選択可能なOUTEXマフラー

サイレンサー部分は、アルミ、ステンレス、チタンの3種。さらにエキパイはステンレスとチタンが用意される。さらにサイレンサー内部構造は、ストレート構造と非ストレート構造の2種類から選択可能。
外観上では、CT125のイメージソースでもあるCT110スタイルのヒートガードが非常に魅力的なスタイルを作り上げてくれる。

ストレート構造サイレンサーには、オプションで消音パンチングバッフルも用意されるので、さらに静音性を高めることも可能。やや短めのマフラー長とCT110テイストのヒートガードのビジュアルがとにかく魅力的だが、そこから覗くエキパイやサイレンサーにもこだわることができるというのは、まさに通好み。

ハンターカブのフロント剛性を大幅にアップさせてくれるステムスタビライザー

ステアリングステムの上下を接続することでよじれを解消するという、振動吸収レバーガードと並んでアウテックスを代表する人気パーツ。特にハンターカブにおいては、フォーク径の細さからフロント剛性の不足を感じるシーンがあるだけに、その効果は絶大。多くのユーザーから好評を得ている。
構造自体は非常にシンプルで、まさにコロンブスの卵的な発想。

ぱっと見はかなりゴツイパーツに思えるが、パーツ単体で持ってみると意外なほどに薄く、そして軽い。ステムのしなりを抑えるのに過剰な強度は不要だという。むしろ軽さにこだわっているように感じた。しかしその効果は絶大だ。
デモ車に装着されているのは、焼き付け塗装のグローイングレッド。振動吸収レバーガード同様に、純正色焼き付け塗装、各種アルマイトが選択可能。ハンターカブのステム周りは、意外と目が行きやすいポイントなので、カラー選択によってかなり大幅にイメージを変えることが出来る。

実際に試乗をして効果をチェック!

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ライダーはアウテックス代表中島氏

せっかくのデモ車なので、実際に試乗させて頂いた。ただ、自分が乗ってるところは撮れないので、走行画像はアウテックス代表の中島さん。

走り出して最初に感じたのは、圧倒的なフロント周りの剛性感。まるで大経ホイールに換装したかのような直進安定性で、ビタッと走る。なのに倒しこみはスムーズ。旋回中に起き上がろうとすることもなく、素直なハンドリング。何かを良くするとどこかが悪くなる気がするんだけど、この車両に関しては完全にワンランク上の足回り。

なにかネガなポイントがあるんじゃないかと、かなり疑って走らせるものの、フレーム、特にフロント周りが二回りぐらいグレードアップした印象。楽だし、走りやすい。ノーマル状態ではどちらかというと、フロントに頼りなさを感じしていただけに、弱点が無くなった感じ。
おそらくはステムスタビライザーの効果が特に大きいんじゃないかな。さらにスポークブースターとクリアチューブレスが後押ししてる、という印象。

振動吸収レバーガードについては、非常に分かりやすかった。なんせ振動が気にならない。もっとも、これまでカスタムした古いカブに乗ってきてるので、振動に関しては鈍感な傾向ではあるけど。
なんせ気になる振動がないので、ないものはないとしか言えない感じ。スクリーンとかの重量物をハンドルにつけまくると、もっと効果を実感できるのかな、とも思った。

そして、Fペグ&可変ブラケット。なんといっても稼働するステップなんて初めてなので、多少の不安があったけど、乗った瞬間にはもう気にならなくなった。自然すぎて。
ハンターカブはステップが割と大きくて面があるので、ステップの上でソールがゴロゴロしてる感じがあるけど、そういうものかなとも思ってた。Fペグ&可変ブラケットでは、そういった感じが全くない。動作がスムーズすぎて良い意味で印象に残らないとも。カブ系に乗ってると、シフト操作でけっこうぐいっと踏み込まないといけなくて、ちょっと気を遣う場面があるじゃん。そういう気遣い無く走れる事に、後から気づいてびっくりした。これ、純正ステップも全てFペグにしても良いんじゃ無いかと思う。

最後にOUTEXマフラー。デモ車に装着されていたのはストレート構造だったけど、想像してたよりかなりジェントル。でも低く落ち着きのあるサウンド。もちろんスタイルは最高。社外マフラーというと、
中高回転が得意という印象があったけど、低回転も含めて全域で使いやすい。最高。これは買っちゃうと思う。

まとめ

振動吸収レバーガード、ステムスタビライザーについては、話題になる理由が非常にわかりやすかった。性能的な効果はもちろん、カスタムパーツとしてのスタイルの良さもあるし、人気が出るのは必然だな、と。
もちろんマフラーやチューブレス、スポークブースターについても、とても魅力的なアイテム。個人的にノーマークだったのは、Fペグ&可変ブラケットのスムーズさ。ステップにここまでこだわるという発想がなかったけど、実際乗ったらスムーズすぎて逆に印象がないくらい。でもまずはマフラーを買いたいな。見た目が最高だし。

【画像】OUTEXデモ車のCT125で、ステムスタビライザーや振動吸収レバーガードなど、同社の人気アイテムをチェックしてみた! (28枚)

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