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スマホを接続し、スマホ内のアプリをモニターに映し出すアップルカープレイとアンドロイドオート。この便利な機能を使える「スマートディスプレイ」が、大手バイク部品メーカーのキジマから新発売される。
大事なスマホをマウントせずに済むため、落下や振動によるダメージの心配なし。実際にテストしてみると、使い勝手も高かった!
目次
モニターでスマホアプリを操作できる!バイク用はレアだ
クルマで対応機種が増えている「アップルカープレイ」と「アンドロイドオート」は、スマホ内のアプリを車載ディスプレイに映し、スマホのように操作できるシステム。バイクでは、ゴールドウイングやR1250RTなど一部の豪華モデルに搭載されているが、まだまだ一般的ではない。
同様にクルマのアフターパーツでは、後付けでカープレイなどが使える“スマートモニター”“ディスプレイオーディオ”といった製品が販売されている。しかしバイク用はほぼ流通していないのが現状だ。
そんな中、キジマが新発売する「スマートディスプレイ」は、バイク用としては貴重な後付け式のスマートモニターだ。
このディスプレイは、スマホと同様の静電容量式タッチパネルを採用。バイクにマウントすればスマホ感覚でアプリを操作できる。防塵防水性能は30分間の水没に耐えられるIP67。スピーカーを内蔵するが、手持ちのブルートゥースインカムを接続すればSiriなどの音声操作も可能だ。
スマホの機能を使えるなら「単純にスマホをバイクにマウントすればいいのでは?」と思う人もいるだろう。しかしスマホは振動に弱い。バイクからの振動によってカメラなどの機能が故障するケースが相次いでいる。また、また炎天下での熱による故障のほか、マウントからの落下、さらには転倒による故障の心配もある。
一方、スマートモニターを使えば、スマホをウエアのポケットにしまっておけるので故障や落下する確率が大幅に減る。スマホはもはや生活の必需品である上に、高額化しているだけに、スマートモニターを使うメリットは大いにあるのだ。
必要な物は全て同梱、装着とペアリングは簡単だった
「スマートディスプレイ」の詳細を見ていこう。
製品はディスプレイをバイザー付きホルダーに装着して使う。さらにケーブル、工具、バーマウントなどが同梱されており、装着に必要なパーツが揃っている。
電源に関しては、バイクにUSB電源がある場合は付属のケーブルでそのまま接続可能。ヒューズボックスなどに接続できるケーブルも同梱されている。
いよいよ装着だが、その前にまずはペアリングを試しておきたい。筆者が使用したスマホはiPhone SE(第3世代)。スマホとの無線接続は、一般的なブルートゥース機器を接続するのと同様だ。
ディスプレイの「セットアップ」((現バージョンでは「設定」))ボタンを押し、「Bluetooth」の項目でディスプレイの表示名を確認。iPhone側のBluetoothからディスプレイを選べばペアリングできる。筆者も悩むことなくペアリングできた。
接続できたらアップルカープレイが起動し、スマホはディスプレイとWi-Fi接続に自動で切り替わる。なお付属のUSB変換アダプターを使えば有線接続も可能だ。
ホーム画面。電源を接続したら、この画面から設定していく。中央右側がアップルカープレイ、左側がアンドロイドオートの起動アイコンだ。
続いてブルートゥースインカムのペアリングだ。インカムはスマホではなく、ディスプレイ本体と接続する必要がある。ホーム画面左下の「BTエミット」(現バージョンでは「インカム設定」)アイコンから接続できる。
ペアリングを確認できたら、車両側の準備。電源を確保し、マウントを取り付ければOKだ。
付属のハンドルマウントを愛車のD-トラッカー(2006年型)に装着。金属製だけあって剛性感が抜群だ。
使えるのはカープレイ対応アプリ、分割画面もOK
アプリは何でも使えるわけではなく、カープレイに対応していないとNG。実際はナビや音楽視聴、電話機能、SMS、LINE、カレンダーなどが中心となる。ブラウザや動画系のアプリは使用できないが、動画データを入れたマイクロSDカードなら動画を再生可能だ。
カープレイを開始すると、分割画面でナビと音楽アプリが表示された。左側にアイコンを集約。
【試用インプレ】運転に適した画面設定でサクサク動く
実際に使ってみて、実に運転しやすいと感じた。
操作のタイムラグはほぼなく、スマホタッチできるグローブなら応答性は良好だった。液晶画面は、明るい昼間モードと暗めの夜間モードを手動で選択する必要がある。自動調光機能はないものの、バイザーがあるので、少なくともテスト中に視認できないシーンはなかった。
そして運転に適したインターフェイスになっているのがいい。4.7インチのiPhone SEより大画面なのはもちろんだが、アイコンが大きく、画面もシンプルな構成のため、スマホをマウントして使う場合より操作しやすい。
画面を分割し、ナビと音楽アプリを同じ画面にする機能はスマホにも搭載されているけど、スマートディスプレイの方が断然やりやすい。
一度ペアリングしておけば、ディスプレイをオフにしても面倒な設定なしで最接続できた。なお、バイクから離れた際に盗難が心配だが、ディスプレイ本体はホルダーからワンタッチで取り外しできるので安心だ。
IPS液晶は、画質が自然で美しい。アイコンが大きく、画面もシンプルな構成のため、スマホをマウントして使う場合より操作しやすい
【まとめ】スマホを守り、操作しやすさを求める人にオススメ
繰り返しになるが、まず何よりバイクに大事なスマホをマウントしなくて済むのは安心。そして何よりアイコンがライディング中でも操作しやすく、見やすい画面なのがいい。
価格は定価で3万5200円。スマホを守る“保険”であり、イージーな操作を求めるライダーに十分価値ある製品だろう。
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