オートバイの世界で言う「ネイキッド」とは、スーパースポーツのようなカウルを持たないバイクやカテゴリーを指す。
昔からあるベーシックなスタイルのためか、「もっともオートバイらしいスタイル」とも言えよう。
その人気は現在でも失われていないばかりか、2013年の小型二輪(251cc以上)国内販売台数では堂々の一位を飾ったトップセールスカテゴリーだ。
切れ角の大きなハンドルと無理のない乗車姿勢により、操作性は高く取り回しもしやすい。多くの教習所において教習車として採用していることにも納得だ。ネイキッドモデルはバイクの基本とも呼べるだろう。
日本メーカーのネイキッドモデルは、かつてのホンダ CB750FOURやカワサキ Z1、Z2 に代表されるような 4気筒4サイクルエンジン&ダブルクレードルフレーム、ツインリアサスペンション、丸目1灯ヘッドライトを特徴とし、現在まで脈々と引き継がれている。
長い歴史を持つ日本のネイキッドモデルだが、中型クラスの人気が高まったのは1980年代末に登場したカワサキ ゼファーの大ヒットに始まる。
ホンダはCB400SFを、ヤマハはXJR400を、スズキはGSX400インパルスを販売し、モデルチェンジを繰り返してそれを追従する構図になった。
一方のカワサキはゼファーに続くモデルとして水冷のZRXをリリース・・・ 気付けば90年台はネイキッドブームに沸いていた。
以来20年あまりが経った現在でもトップセールスを記録するネイキッドモデルは、バイクの基本形としてどんなライダーの要求にも応える懐の深さと魅力に満ちている。
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HONDA CB400スーパーフォア 新車・中古車をさがす
1992年のデビュー以来モデルチェンジを重ね、未だに中型ネイキッドクラストップの新車売上を誇るベストセラーモデル。1999年に最初のフルモデルチェンジを行い、ホンダ独自の可変バルブ機構であるHYPER VTECを採用し、スムーズでトルクフルなエンジンフィーリングに進化した。バルブが2→4に切り変わるとレッドゾーンまで一気に吹け上がるVTECは話題を呼んだ。
ロングセラーモデルなだけに中古車の台数も多く、バージョン違いの選択肢も多い。
初代のNC31では、NC31の中でもスポーティーなバージョンR、バージョンS がお勧めだ。
ただし発売から年数が経っているので、状態の良し悪しはショップへ確認しておきたい。
HYPER VTEC(NC39)では、ヘッドライトのマルチリフレクター化やテールランプのLED化などが採用されたspec3が人気だ。
さらに進化した最新のHYPER VTEC Revo(NC42)では、1速から5速のギア間では 6,300rpm~6,750rpmの範囲でスロットル開度に応じてバルブ作動数を切り換え、スロットル開度が少ない巡航走行時などでは、燃焼効率や燃費に優れる2バルブで作動する。6速時は回転数制御のみで6,750rpm以上で4バルブ作動となる。
高速ツーリングが多いライダーには、ハーフカウルバージョンであるCB400SB(スーパーボルドール)の人気が高い。ハーフカウルは見た目以上に防風効果があり疲労を軽減してくれる。
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KAWASAKI ゼファーχ 新車・中古車をさがす
初代ゼファーは、レプリカブーム全盛期の1989年に、かつてのZ1、Z2をモチーフとしたクラシカルなスタイルでデビューしネイキッドブームの先駆けとなった。現在に至るまで人気の定番ネイキッドである。
2バルブの初代ゼファーは、1995年をもって4バルブのゼファーχ(ゼファーカイ)に引き継がれた。
ゼファーχは初代ゼファーの美しいスタイルを引き継いだうえに、4バルブ化によって同じ53馬力にパワーアップ。他メーカーのライバル車に並んだ。
カラーバリエーションでは、Z1、Z2で定番の火の玉カラーやタイガーカラーが純正色でラインナップされ、高い人気を誇っている。
KAWASAKI ZRX400 新車・中古車をさがす
ゼファーがZ1、Z2をモチーフとしているのに対し、ZRXはZ1000Rを彷彿とさせるデザインとなっている。
初期型は1994年に登場し、翌年にはビキニカウルではないオーソドックスな1眼丸目ヘッドライトのZRXIIもリリースされた。ZRXIIは、Z1000 MkIIをイメージした純正カラーも発売され、ファンから高い人気を集めている。
他のネイキッド同様、二本タイプのリアサスペンション、ダブルクレードルフレームを採用しているが、スイングアームがトラス構造となっているのが特徴。水冷DOHC4バルブエンジンと合わせて軽快でスポーティーな走りを実現させた。取り回しでは「これで軽快に走れるのか?」と感じる重さがあるのだが、走り出せばそれが嘘のようにヒラヒラと乗れてしまう。
どっしりとした安定感という面では、ゼファーの方が大きい。対してスポーツ走行を楽しみたいならば、ゼファーよりZRXを選択するほうが様々な面で近道だろう。
YAMAHA XJR400 新車・中古車をさがす
XJR400のウリはなんといっても4バルブの空冷エンジンだ。
エッジの効いた空冷ならではのフィンも外観上の特徴となっており、空冷らしい排気音も魅力のひとつ。
XJR400は大きく前期と後期で比較的大きなモデルチェンジを行なっており、スタイリングや足回りを中心に仕様の違いがある。
エンジンは回転の上昇に従って、ドラマチックに盛り上がっていく。ウルトラスムーズなホンダエンジンとは対照的で、エンジン音の変化とともにマシンと対話をするかのような感覚を味わうことができる。また、ブレーキシステムはYAMAHAお得意の国産ブレンボや住友製を採用しているモデルもあり、スーパースポーツモデルと共通グレードのパーツが奢られていることがちょっと嬉しかったりする。
オーリンズサスペンションも、車両全体のグレード感をワンランク上げるスパイスになっている。
なお今回はスペースの都合上割愛したが、スズキ GSX400インパルス、イナズマ400も忘れてはならない。
GSX400インパルスは水冷エンジンを搭載し、青×白のクーリーレプリカカラー、赤×黒のヨシムラカラーが人気だ。
一方のイナズマ400は、兄貴分にあたる1200、750と共通のボディサイズで、400ccクラスとは思えない迫力があり、根強いファンも多い油冷エンジンを搭載しているのが特徴だ。