
6月にインドネシアに投入された「NMAX TURBO」は現在155ccモデルのみが展開されているが、ヤマハ欧州で公開した予告動画からEICMA(ミラノショー)で125cc版が発表されそうだ。そうなると、155ccと125ccの2本立てで日本にも投入される可能性が高いだろう。
目次
NMAXはグローバルモデルとして進化する
2016年にデビューしたNMAXは、インドネシアや日本ヨーロッパなどに導入されて非常に高い人気を誇っている。インドネシアでは155ccモデルのみが、日本では125ccと155ccの2グレードが、ヨーロッパでは125ccのみが展開されている。2021年に一度フルモデルチェンジされ、2024年の6月によりスポーティな上級モデルとなる「NMAX TURBO」を加えた新型がインドネシアに導入された。この新型「NMAX」と「NMAX TURBO(ターボ)」はまだ日本には導入されておらず、125cc版のデビューと共に日本に入ってくる可能性が高い。
ヤマハが欧州で公開した予告動画の1コマ。NMAXターボのライトの形にているが果たして!?
最上級モデルとなる「NMAX TURBO TECH MAX ULTIMATE」には、パフォーマンスダンパーとスペシャルカバーマフラーが与えられている。
「NMAX TURBO TECH MAX」には、TFTナビゲーションディスプレイとデュアルチャンネルABSが装備される。
「ターボライティングモード」と「ターボYシフト」を装備し、スポーツバイクのような加速力を発揮する「NMAX TURBO」。
ベースモデルとなる「NMAX NEO」。「NMAX NEO S」にはスマートキーが装備される。
「TURBO」感覚を生み出す「ターボライティングモード」と「ターボYシフト」
「NMAX TURBO」は「TURBO」と名前が付いてはいるが、ターボチャージャーが装着されている訳ではない。エンジンは最新世代の改良型ブルーコアで、4ストロークSOHC4バルブ単気筒155.09cc。VVA(可変バルブアクチュエーション)を採用することで、回転域ごとに最適な燃焼効率とトルクが得られるという。
エンジンは4ストロークSOHC4バルブ単気筒155.09ccの、最新世代の改良型ブルーコアだ。
「NMAX TURBO」は「YECVT(Yamaha Electric Continuously Variable Transmission)」という電子制御式CVTを組み込むことで、加速感をコントロールできるようになっている。右側のスイッチボックスには「ターボライティングモード」の切り替えスイッチが取り付けられており、街乗りに適した「Tモード」と加速重視でスポーティなライディングができる「Sモード」を切り替えることができる。「なるほど、Sモードで加速感をアップできるからターボと呼ばれるのか」と納得しそうなものだが、左のスイッチボックスにはさらに「ターボYシフト」と呼ばれるスイッチが取り付けられている。これは低、中、高という3段階に加速レベルを調整できることができるシステムで、加速力が欲しい時や減速時などにエンジンブレーキを効かせたい時にスイッチを押すことでシフトダウン的な効果を得ることができる。この2つのスイッチを装備したことで、名前に「TURBO」を冠するに値する動力性能を得ているのだ。
「ターボライディングモード」はTモードとSモードの2つの走行モードを搭載。「ターボYシフト」は、「Yシフト」ボタンを押すことで、低、中、高の3段階の加速を提供してくれる。
世界を舞台にライバルPCXとの対決
インドネシアでのラインナップを見ると、NMAXは5タイプがラインナップされている。最もベーシックなのが「NMAX NEO」で、その次がスマートキーシステムが追加された「NMAX NEO S」となる。その次が「NMAX TURBO」で、「ターボライティングモード」と「ターボYシフト」が追加装備される。その上が「NMAX TURBO TECH MAX」で、TFTナビゲーションディスプレイとデュアルチャンネルABSを装備し、シートもステッチ入りの上級バージョンとなる。そして、トップモデルとなる「NMAX TURBO TECH MAX ULTIMATE」には、さらにパフォーマンスダンパーとスペシャルカバーマフラーが備わっている。
「NMAX TURBO TECH MAX」から上のグレードには、デュアルチャンネルABSを装備。トラクションコントロールは、全グレードに標準装備されている。
「NMAX TURBO TECH MAX」から上のグレードには、TFTナビゲーションディスプレイが装備される。メッセージや電話通知を提供できるY-connectとの接続機能は、全グレードが備えている。
スマートフォンなどを充電できるUSBソケットを標準装備。「NMAX NEO S」から上のクレードにはスマートキーが装備されている。
ヘッドライトとテールライトはLEDを採用し、ヘッドライトはデュアルプロジェクタータイプだ。
快適な座り心地を提供するシート。「NMAX TURBO TECH MAX」から上のグレードは、表皮にゴールドステッチを施した特殊素材を採用。シート下には25Lのラゲッジスペースが設けられている。
NMAX TURBOは現在155ccモデルのみで展開されているが、先述したようにEICMAで125ccモデルが追加される可能性が高い。日本においては「NMAX125」と「NMAX155」がラインナップされており、これは新型に当てはめると「NMAX NEO S」に相当するグレードだ。それを考えると、155はおそらくベーシックな「NMAX NEO S」、「NMAX TURBO」、トップモデルの「NMAX TURBO TECH MAX ULTIMATE」相当の3グレードで導入される可能性が高い。125に関しては「NMAX NEO S」相当のグレードと、「NMAX TURBO」相当の2グレード展開になるのではないだろうか。
今年のEICMAではホンダのPCXシリーズの新型がデビューするという噂も立っているので、NMAX TURBOの125cc版がデビューすればコンパクトスポーツスクーターシーンは激アツな展開を迎えることになる。
NMAX TURBO主要諸元(2024・インドネシア仕様)
・全長×全幅×全高:1935×740×1200mm
・ホイールベース:1340mm
・シート高:770mm
・車重:135kg(Turbo Tech MAX)/133kg(Turbo)/130kg(Neo)
・エンジン:水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ155.09cc
・最高出力:15.37ps/8000rpm
・最大トルク:1.44kg/6500rpm
・変速機:Vベルト式無段変速
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤサイズ:F=110/70-13 R=130/70-13
・本体価格:32,855,000ルピア~45,405,000ルピア(現地価格)
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