BMWから今年春に発売されたばかりの新型モデル「R12」。ヘリテイジジャンルにラインナップされるこのモデルを、世界で初めて公式にカスタマイズする「BMW R 12 カスタムプロジェクト」も始動していた。そして先日、ついに4台の完成モデルがお披露目。日本を代表するビルダーたちが仕上げたそのマシンを紹介したい。
なお、これらのマシンは東京都港区「FREUDE by BMW」にて、8月23日(金)~8月30日(金)の1週間のみ期間限定で公開中だ。
目次
クラシッククルーザーを斬新に新解釈する4つの回答「R 12CUSTOM PROJECT」
そもそもR12は、2023年秋に初登場したBMWのクルーザーモデル。1935年に生産されていたモデルのネーミングをそのまま復活させた、クラシカルなシルエットが特徴的だ。搭載するエンジンは1169ccの水平対向2気筒、水冷DOHC。95PS/6500rpmを発揮するもので、これをロー&ロングなスチール製フレームに搭載。シートは低いが、ホイールはフロント19インチの大径でクルーザーらしいハンドリングと存在感を発揮する。さらに、2タイプのライディングモード切替機能によりスポーティーなキャラクターも潜む、個性的な新機軸のマシンなのだ。
“El Viento” By HAMANS CUSTOM
HAMANS CUSTOMが製作した「El Viento」は、デュアルヘッドライトとハンドメイドのミニカウルを備えるカフェレーサーだ。ハンドルバーは極限まで低くマウントし、タンクからシートカウルまでを一直線のシルエットに仕上げる。この直線を描くために、シートフレーム、エアクリーナーボックスはワンオフ制作。R12のスチールチューブラーフレームとボクサーエンジンの存在感を際立たせた。
ボディ全体はオリーブグリーンにペイントされ、ピンストライプのアクセントを効かせている。意外なことにホイールはスタンダードのまま。しかし、ペイントを剥離しセラコート処理を施すことで、金属質感を一層強く主張する。
HAMANS CUSTOM
Instagram:https://www.instagram.com/hamanscustom/
“MOON Arrow” By MOONEYES
日本のカスタムシーンを牽引する「MOONEYES」がR12に見出したのはレーサースタイルだった。前後ホイールはBMW Kシリーズ用にコンバートし、独特のムーンディスクを装着。片持ちのパラレバースイングアームに合わせ、フロントブレーキも敢えて片側のみのシングルとし左側からのルックスを統一した。
タンク、シートカウルもミニマムなサイズをセレクトし、ハンドル、サスペンションをランドスピードレーサーのように低く設定。存在感の強いフェアリングはエンジンのシリンダーを避けたアールを描くことで、MOON Arrowという車名に相応しいスピード感を曲面で表現。どこから見てもMOONEYESとわかるアイコニックなマシンが誕生したのだ。
MOONEYES
WEBSITE:https://www.mooneyes.co.jp/
“Legal Weapon R 12” By TRIJYA CUSTOM MOTORCYCLES
カスタムハーレーで知られるトライジャが提案するのは、「合法的に楽しめるR12」だった。車体を丹念に3Dスキャンし、将来的な市販化を見据えて製作されたパーツは、スタンダードスタイルを崩さずに独特の個性を演出する。
燃料タンクは純正を利用しつつ、サイドを加工した形状に変更。オイルクーラーには3Dプリンタ製のウィングレットを装着、インテークマニホールドもタイトに新造している。さらにサイドカバー、シートカウルもモディファイし、スタンダードな車体が持つモダンな印象を引き立てる。前後ホイールはワンオフ制作された、このマシンのアイキャッチポイント。マフラーはDr. Jekill & Mr. Hyde製、YSS製の特注サスペンションやAELLA製のハンドルなどニューパーツも投入。さらにすべてのパーツはボルトオンで仕上げられているというから驚きだ。
TRIJYA CUSTOM MOTORCYCLES
WEBSITE:https://trijya.com/
"R 12 Sand Speeder Mark l. " By CHIRIHAMA SAND FLATS
異質なレーシーさを放つサンド・ドラッグマシンは、石川県の千里浜海岸で開催されるビーチドラッグレースをオーガナイズする「Chirihama Sand Flats」によるもの。サンド・ドラッグマシンに求められる要素を各所に落とし込むマシンだ。
ボトムケースをスタンダードから2インチ延長したフロントフォークに合わせ、ステムは削り出しのワンオフ。フロントブレーキはサンド・ドラッグマシンには不要につき撤去、ディッシュホイールのみで足元を飾る。さらにリアエンドはリジッド化、極限まで車高を引き下げた。燃料タンクやシートは、各種補器類を大きく移設してミニマムな構成を実現。ハンドル、シートはタイトなシルエットにまとめることで、レーサーとしての実用性も追求されている。
CHIRIHAMA SAND FLATS
WEBSITE:https://www.csf-official.com/
珠玉のマシンは8/30まで一般的公開中
以上4台の、世界初となるR12のカスタムマシン。これらは8月23日(金)~8月30日(金)の一週間、東京都港区の麻布台ヒルズ「FREUDE by BMW」にて一般公開中だ。短い期間ながら、マシンのディテールをぜひ自分の目で確かめてみよう。
■展示場所:FREUDE by BMW:https://www.bmw.com/ja/freude-by-bmw.html
(東京都港区麻布台1丁目3-1麻布台ヒルズ タワープラザ1F/2F)
■展示期間: 8月23日(金)~8月30日(金)
■営業時間:11:00 – 22:00 (8/23のみ17時までは関係者貸切)
BMWのクラシッククルーザー「R12」世界初のカスタムプロジェクトで4台のマシンが公開! ギャラリーへ (25枚)この記事にいいねする
BMWディーラーって純正以外のパーツでカスタムしたらメンテを拒否するじゃん。
そういう体制でありながらカスタムプロジェクトって、どういう神経してるの?