2023年秋に公開されたW230とメグロS1がモーターサイクルショーにも登場。メグロブランド100周年の節目を迎えた2024年の秋頃、国内発売予定と発表された。東京会場で撮影する機会に恵まれたので、2台を比較しながら見ていこう。
目次
大阪MCショー会場で「2024年秋の発売」をアナウンス
昨年10~11月に開催されたジャパンモビリティショー2023で世界初公開されたカワサキのW230とメグロS1。2017年型で生産終了した空冷250ccネオクラシック=エストレヤの後継にあたる待望のモデルだ。
ジャパンモビリティショーでは「日本市場への投入は準備中」とアナウンスされていたが、大阪、東京、名古屋で開催されるモーターサイクルショーには「国内導入予定モデル」として出展。大阪会場では、メグロブランド創設100周年となる2024年の秋頃に日本市場に導入予定と発表された。
メグロは1924年(大正13年)に生まれたアジア最古のバイクメーカー。大排気量車のほか、250ccクラスの「メグロジュニア」シリーズで人気を博すが、1964年、カワサキに吸収合併された。
メグロS1は、メグロK3に続く新生メグロ第2弾。車名は、メグロジュニアに冠された「S」と新時代のメグロジュニア1号車を意味する「S1」と名付けられた。メッキを多用し、よりクラシカルなムードが特徴だ。
一方のW230は、1966年のW1(通称ダブワン)を祖とするWシリーズの末弟。W1は、メグロのK1を母体に排気量を650ccに強化したモデルであり、Wもメグロの血脈を引くシリーズなのだ。W230は現代のWシリーズに連なるレトロスポーツで、よりシンプルなイメージが特徴となる。
250ccクラスにW230とメグロS1が同時デビューしたのは、W800とメグロK3が併売されている流れを踏襲し、各ブランドのラインナップを拡大するのが狙い。800モデルと同様、メグロがプレミアムブランドとして位置づけられている。
基本構成は同一ながら、シンプルなWと豪華なメグロを演出
続いて2車の違いをまとめてみた。大まかに言えば、カラーリング、エンブレム、メーターの文字盤、シートが異なり、基本構成は同一だ。
レトロな専用フレームにKLX230譲りの単気筒を積む
エンジンとフレーム、足まわりといった基本構成は2車とも同一だ。心臓部には2024年型でモデルチェンジして国内再登場する新型KLX230SのSOHC空冷単気筒を搭載。詳細は未発表だが、排気量は223ccでユーロ5(令和2年排ガス規制)相当の排ガス規制をクリアしている。
なお、北米仕様のKLX230Sは最大トルク1.82kg-m/6400rpm。W230とS1は出力特性を若干変更する可能性が高い。
さらにエンジン外観はより大きく見えるよう各部を新作に。シリンダーヘッドのフィンや、クランクケースカバーを大型化し、空冷エンジンが目立つようデザインされている。特にクランクケースカバーは曲線美が強調され、レトロで温もりがある意匠だ。
フレームは新設計。KLX230ではトップチューブが2本あるペリメターフレームなのに対し、W230とメグロS1はシングルクレードルフレームだ。往年のメグロジュニアらのような旧車と同様のフレームでレトロ感を強調した。
800版を考慮すると、メグロの価格はWより約13%程度高い?
ともに価格は未定だが、W230より豪華装備であるメグロS1の方が高額になるのは確実だ。ちなみに800cc版のW800は123万2000円、メグロK3は139万7000円。約13%増しとなっており、W230とメグロS1の価格差もこの程度になるかも?
ちなみに2017年のエストレヤファイナルエディションは57万5640円だった。
250クラスのネオクラシックは今や貴重な存在。今年秋の発売を待ちたい。
ギャラリーへ (28枚)この記事にいいねする