
ハスクバーナのネイキッド、ヴィットピレンとスヴァルトピレンがフルチェンジを敢行した。変更点はベース車であるKTMのデューク390/125と同様ながら、独自の装備も数多く採用され、一段と魅力を増している。国内でも現行モデルとほぼ同じ価格で発売される可能性がありそうだ!
目次
KTMのDUKEをベースに独自の世界観を提供する
スウェーデン生まれのハスクバーナは、1903年にバイクの生産を開始した歴史あるブランド。1950年代以降はオフロードで名を馳せた名門だ。紆余曲折を経て、近年はKTM傘下となり、同社のマシンをベースに独自のデザインや味付けでオリジナリティのあるプロダクトを送り続けている。
中でもネイキッドのVitpilen(ヴィットピレン)、およびSvartpilen(スヴァルトピレン)シリーズは中核モデルだ。モダンアートを思わせる小粋なデザインが特徴で、KTMの390、250、125DUKEと同じく3タイプが展開されている。
新型は2024年型DUKEと同様、エンジン&車体を全面刷新。デザインもリファインされている。
写真右がヴィットピレン401、左がスヴァルトピレン401。ともにエッジィなKTM390DUKEがベースながら、落ち着いたデザインが特徴だ。
【ヴィットピレン401】電脳で走りを強化、自然なライポジを採用
カフェレーサーのヴィットピレン401は、390DUKEがベース。従来のイメージを踏襲しながら一体型だったタンク~サイドカバーを分割するなど、よりスピード感のあるデザインとなった。
ヴィットピレン401【ハスクバーナ】 「白い矢」を意味する車名のとおりミニマム&クリーンなイメージはそのままにブラッシュアップ。
タンクカバーとサイドカバーが別体式となり、テールを従来型より延長。またラジエターカバーが大型化されている。
水冷単気筒はストロークを60→64mmに増やして排気量を373→398.6ccにアップした。最高出力は従来の43.5PS/9000rpmから44.9PS/85000rpmへ、最大トルクは3.77kg-m/7000rpmから3.97kg-m/7000rpmへと増強している。
390DUUKEと同様、新たにライディングモードを搭載し、ストリートとレインの2モードを選択可能。このクラスでは珍しいIMU(慣性サンサー)も追加され、トラコン、コーナリングABS、クイックシフターまで獲得している。
DOHC4バルブの398.6cc水冷単気筒を搭載。電制スロットルとスリッパークラッチを採用し、電脳も多数追加された。 シリンダーは新作でプラズマコートを施す。排ガス規制ユーロ5+に適合済み。
鋼管トレリスフレームと軽量なアルミスイングアームも新作。サイドマウントのWP製リヤショックを新採用した。これによってシート高は835→820mmにダウンし、燃料タンク容量も9.5→13Lにまで拡大している。
ホイールベースは従来1357mmに対し、1368±15.5mmとロング化。最低地上高を120→180mmとアップし、安定感と軽快なコーナリング性能の両立を図ったという。
ハンドルはセパレートからバーハンドルに変更。従来型は極端な前傾が特徴だったが、これが緩和され、ニュートラルなライポジになったのも大きな違いだ。
【ヴィットピレン125】SOHCでエンジンをコンパクト化
フレームなどを共有する弟分のヴィットピレン125は、排気量125ccの水冷単気筒を搭載。従来型は125DUKEと同じくDOHC4バルブヘッドだったが、新型ではSOHC4バルブに変更し、エンジンの小型軽量化を図った。
ヴィットピレン 125【ハスクバーナ】 外見や車体サイズ、ディメンジョンは401とほぼ同様だが、125はタンクカバーのエンブレムが車名になっている。
最高出力は15PSと不変ながら、発生回転数が9500→1万rpmに上昇。最大トルクは1.22kg-m/7500rpm→1.17kg-m/7750rpmとなった。
なお、401に採用されているコーナリングABSなどの電脳は非採用。またWP製APEX倒立フォークは調整機構が省かれ、リヤショックはプリロードのみ調整できる。
メーターは401と同様、5インチのフルカラーTFT液晶。125では珍しい豪華装備だ。
【スヴァルトピレン401/125】オフテイストが魅力的、バイザーが標準に
スヴァルトピレンはエンジンと車体の基本構成を共有しながら、よりトラッカースタイルに寄せたシリーズだ。
ワイヤースポークホイールとブロックパターンタイヤに加え、タンク上のキャリア、グラブレールがヴィットピレンとの主な違い。新型では角型のメーターバイザーが標準になったのもポイントだ。
スヴァルトピレン401【ハスクバーナ】 「黒い矢」を意味する車名を持ち、ダークな車体色やオフテイストが特徴だ。
125仕様の基本構成もヴィットピレン125と同様で、電脳や前後サスの調整機構が省かれている。
スヴァルトピレン125【ハスクバーナ】 シュラウドのデカールが車名となるが。外観は401とほぼ変わらない。
パワーとコスパに優れる新型250もスタンバイ
ヴィットピレンとスヴァルトピレンには250版も用意される。現在はスヴァルトのみ公式HPがある状態だが、従来のDOHCに代わり、SOHC4バルブ249.1cc水冷シングルを搭載。最高出力は31PSを発生する。
他の装備は125に近く、走行モードは非採用。ただし、ヘッドライトにデイライトがなく、モノクロの5インチスクエア液晶メーターを採用する。
気になる価格は据え置き~+数万円に収まる?
欧州でのデリバリーは2024 年 2 月から開始される。国内仕様の入荷時期や価格は不明だが、401シリーズのベース車となるKTMの新型390DUKEは日本で78万9000円。従来型390DUKEは76万5000円なので、2万4000円アップで収まっている。
またヴィットピレン/スヴァルトピレン250のベースである新型250DUKEは66万5000円で、従来から価格が据え置きだった。
従来の2023年型ヴィットピレン401は78万9000円のため、DUKEと同程度の価格上昇に収まれば新型は80万円程度になるか。そして、2023年型スヴァルトピレン250は68万5000円なので、ヴィットピレン/スヴァルトピレン250は同程度の価格に期待したい。
なお、従来型のスヴァルトピレン401は79万9000円、同250は68万5000円、同125は64万5000円。ヴィットピレンは401のみのラインナップだった。
KTMの新型390DUKE。スヴァルトピレン/ヴィットピレンのベース車ながら、デザインは全く異なる。
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これはこれでいいんだけど・・
コスパはとてもいいと思うけど所々にコストダウンを感じちゃうんだよなぁ。
やっぱり本気モードの765が欲しい。
限定車だった765ほどプレミアムじゃなくていい。ストトリ765RSmoto2 のカウルバージョンでいいんだけどなぁ。