日本自動車輸入組合「JAIA」により、海外バイク試乗会が開催された。特徴的なデザインが気になるライダーも多いだろうが、海外の大柄なライダー向けに作られているんじゃないの……といった不安もしばしば聞くところ。実際、シート高が高そうなモデルが多い!
今回、試乗会に参加した私は身長165cm、普段は国産アメリカンに乗っているライダー。そんな私も海外モデルに不安なイメージを持っていた。しかし実際に乗ってみると、どのモデルも意外と(!)跨がれてしまい、走れてしまってビックリ。今回は400ccクラスのネオクラシックモデル、ロイヤルエンフィールド「クラシック350」「メテオ350」、ベネリ「インペリアーレ400」の足つきとインプレッションをレポートしたい。
盛り上がっているミドル・ネオクラシック!
カワサキ「Z900RS」の例を挙げるまでもなく、数年前から注目が続いている「ネオクラシック」というジャンル。様々な技術革新によって、独創的なデザインやアイデアが現実化できる時代になった現代だが、やはり「丸目ノンカウル」スタイルのオーソドックスなモデルには大きな需要がある。ところが、年々厳しさを増す排ガス規制の中、国産メーカー産の丸目ノンカウルモデルは続々と生産を終了。近年ではホンダ「レブル250」しか選択肢がない……という寂しい状況が発生している(そんな状況を見かねてか、カワサキから新型「エリミネーター」が登場するというのは最近の嬉しいニュースだ!)。
ところがそれは国内メーカーの話に限ったことで、海外メーカーは変わらず「丸目ノンカウル」のクラシカルなモデルをどんどん開発、販売している。それも懐かしい空冷単気筒、シンプルでエンジンが美しいモデルもより取り見取りというから、もはやクラシックファンには無視できない状況といえるだろう!
ロイヤルエンフィールド「メテオ350」 違和感一切なしのお気楽クルーザー
最初に紹介するのは、インド発のメーカー・ロイヤルエンフィールドの「メテオ350」だ。いかにも古めかしいバーチカルな空冷OHC単気筒エンジンを搭載し、今ではLEDが当たり前の灯火類はほとんどバルブ式。しかしABSやアナログ&デジタルメーターも備えている。発売は2021年という、できたてのネオクラシックモデルなのだ。
ロイヤルエンフィールドはこの349ccのエンジンをベースとして、ミドルクラスにスタイルが異なる3モデルをラインナップしている。メテオ350はその中で「クルーザー」に当てはまるモデルで、低いシート高と前方に配されたフォワードコントロールが特徴。アップハンドルでどっかりと座るポジションも相まって、気楽にライディングを楽しめるスタイルとなっている。
Meteor350(2022)
・全長×全幅×全高:2140mm×845mm×1140mm
・シート高:765mm
・重量:191kg
・エンジン:4サイクル空油冷OHC単気筒349cc
・最高出力:19.64HP(14.87kW)/6100rpm
・最大トルク:27Nm/4000rpm
・タイヤ:(F)100/90-19 (R)140/70-17
・価格:71万600円~
クルーザースタイルのモデルは、ロー&ロングで重い車体が一般的。しかしメテオ350にまたがってみると、かなりコンパクトで軽量であることがわかる。シンプルな構造で重心が低く、ハンドリングにも力がまったく必要ないのだ。シート高はもちろん低く、足つきは僅かにかかとが浮く程度で良好。これなら小柄な女性でも不安なく取り廻しができるだろうし、万が一の転倒時にも安心して引き起こせそうだ。面白いのはシフトペダルに「シーソーペダル」が採用されていること。ホンダ「スーパーカブ」でおなじみのこの装備は、ペダルのかき上げで靴を傷めない配慮。普段着でも気負わずライディングができるというコンセプトを感じるポイントだ。
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「興味深い単車」だけど、地方住まいでは「販売店がない」のが悩ましい。
レッドバロンあたりでも販売して欲しいと思うわ。