
BMWは、BMW Motorradにおいて初めてのMモデルとした登場した「BMW M 1000 RR」の新型モデルの予約受付を、全国のBMW Motorrad正規ディーラーにて3月24日より開始した。
仕様はベースモデルの「M 1000 RR」(3,849,500円)と、コンペティションモデルの「M 1000 RR M Competition Package」(4,488,500円)をラインナップ。
納車開始は’23年夏頃を予定している。
目次
ベースモデルとコンペティションモデルを設定
今回発表の新型M 1000 RRは、BMWの揺るぎない野心、熱い情熱、精巧な技術力を結集させ、特に、エアロダイナミクスの開発に重点を置き、風洞実験とロードテストに多くの時間を費やしたモデル。
エンジン出力はそのままに最高速度を大幅に向上させ、コーナーでのバンク時にもダウンフォースを大幅に増加させている。
また、モデルタイプはベースとコンペティションの2種類をラインナップ。「ベースモデル」は、燃料タンク、タンクサイドパネル、エアボックスカバー、リアセクションがライト・ホワイトの色で仕上げられたモデルで、「コンペティションモデル」は燃料タンク、タンクサイドパネルがブラック・ストーム・メタリックの色で仕上げられている。
どちらのモデルもMデザインデカールが付いたカーボンファイバー製エアボックスカバーと、後部セクション、着色されたフロントスクリーンを装備しており、軽量で精巧に作られたフェアリングを特徴としている。
可能な限り最高のラップタイムを達成させるためのエンジン&シャシー
BMW M 1000 RRに搭載の4気筒エンジンとシャシーは、レーストラックで使用できるように調整が施されている。
特にスーパーバイク世界選手権用に設計された水冷並列4気筒エンジンは、最高出力156kW(212PS)/14,500rpm、最大トルク113Nm/11,000rpmを発揮し、最高回転数は15,100rpmに至る。
最適化されたピストンリングを備える軽量2リング鍛造ピストン、細くて軽量なカムフォロア、全てをCNC加工とした吸気ポート、バルブタイミングとバルブリフトを変化させるためのBMWシフトカムテクノロジーを備えている。
レーシングエンジンに不可欠なその他のコンポーネントは、チタンバルブ、最適化されたカムシャフト、パンクル社製の長いチタンコネクティングロッドとなり、摩擦力の低減と軽量化を実現。吸気システムは、高回転域での吸気を最適化するために、より短い吸気ファンネルを備えている。
シャシーはアルミ製のブリッジフレームを中心に据えており、倒立フォークとフルフロータープロキネマティクスを備えたリアサスペンションストラットによって補完されている。
レーストラックにおいて可能な限り最高のラップタイムを達成させるため、レーストラック向けとして妥協なく設計するとともに、スポーティなライディングにも理想的なシャシーとサスペンションとしている。
さらに、フェアリング、Mウィングレット、統合されたMブレーキダクトを備えたフロントホイールカバー、Mエアロホイールカバーの新設計により、ダウンフォースが大幅に増加。最高速度を大幅に向上させている。
トップスピードとダウンフォースの向上を実現
M 1000 RRは、風洞での最適化とレーストラックでのテストを通じ、フェアリングの開発を徹底的に行っている。より高いフロントスクリーンを備えたカーボン製の新しいフェアリングは、ライダー周りの最適化された気流と相まって、最高速度を大幅に向上させている。
新しいフェアリングのもう1つの効果は、Mエンジンカバーに統合された保護だ。このフェアリングは、軽量でありながら剛性の高いカーボンファイバー製のフェアリングフロントビームを使用している。
また、フロントインジケーターライトのケーブル接続へのアクセスを改善し、レーストラックで使用できる状態にするための変更が、さらに迅速化された。
そして、トップスピードの向上とダウンフォースの向上という相反する目標は、空気力学的に関連するすべてのコンポーネントを巧みに全体的に開発することによって、新しいレベルに引き上げられている。最高速度は、先代モデルと比較して306km/hから314km/hに向上し、ライダー周りの気流の大幅改善により、身体への負担も大幅に軽減されている。
そのほか、エアロダイナミクス全体を最適化するため前輪回りに改良を施し、BMW Motorradの歴史上初めて、カーボンファイバー製のブレーキ冷却エアダクト(通称:ブレーキダクト)を採用している。フォークボトムとブレーキキャリパーの周りの空気の流れを改善するため、最適化された新しいフロントマッドガードに統合され、レーストラックにおいては、Mブレーキの温度を最大10℃低下させ、さらに高いパフォーマンスの達成も可能にしている。
加えてMエアロホイールカバーもカーボンファイバー製で、特に250km/h以上の速度域での走行抵抗をさらに低減している。MエアロホイールカバーはBMW M 1000 RRコンペティション用に用意されており、Mエアロホイールカバー用の特別な接続を備え、重量が最適化されたクランプが含まれている。
Mコンペティションパッケージ
BMW M 1000 RRコンペティションパッケージは、レーシングテクノロジーの機能美、洗練されたコンポーネントの魅力的な組み合わせを提供するプレミアムラインだ。
M GPSラップトリガーソフトウェアと関連するアクティベーションコードに加え、Mビレットパッケージ、Mカーボンパッケージ、クリアアルマイト処理された220g軽量のスイングアーム、DLCコーティングされたMエンデュランスチェーンが含まれており、ピリオンパッケージにはハンプカバーが含まれている。
Mビレットパッケージのコンポーネントは、高強度アルミニウムから削り出され、アルマイト処理されたブレーキレバーとクラッチレバーのほか、重要な機能に特化させ、重量が最適化された新しいライダー・フットレスト・システムとブレーキレバーガードを装備。
Mカーボンパッケージには、クリアラッカーでコーティングされた高品質のビジブルカーボン製のリアフェンダー、ドライブスプロケット、チェーンガード、左右のサイドおよびタンクパネルが含まれている。
BMW M 1000 RR/M Competition Package(2023)
■予約受付:2023年3月24日~
■納車開始時期:2023年夏頃
■メーカー希望小売価格(車両本体価格)
・BMW M 1000 RR(スタンダード) ¥3,849,500(税込)
・BMW M 1000 RR M Competition Package(プレミアム・ライン)
¥4,488,500(税込)
■ETC 2.0車載器を標準装備
■3年保証
BMW M 1000 RR(ライトホワイト)
BMW M 1000 RR M Competition Package(ブラック・ストーム・メタリック)
BMW M 1000 RR/M Competition Package 主要諸元
- 全長:2,085 mm
- 全幅:899 mm (above mirror)
- 全高:1,224 mm (without mirror, at DIN unladen weight)
- 軸距:1,457 mm
- シート高、空車時:832 mm
- 乾燥重量:170 kg (Mコンペティションパッケージ:169.8 kg)、バッテリーを除く
- エンジンタイプ:油冷/水冷4気筒4ストローク並列エンジン999cc
- 最高出力:156 kW (212 PS) / 14,500 rpm
- 最大トルク:113 Nm / 11,000 rpm
- 燃料タンク容量:16.5 L(リザーブ容量:約4 L)
- ミッション:常時噛み合い式6速トランスミッションをエンジンブロックに内蔵
- ブレーキ:F=ダブルディスクブレーキ 直径320mm 4ピストンブレーキキャリパー、R=シングルディスクブレーキ 直径220mm 2ピストン固定キャリパー
- タイヤ:F=120/70 ZR17、R=200/55 ZR17
情報提供元[ BMW ]
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