ホンダが2007年の東京モーターショーに出展したCB1100Rをご紹介。これは同時に出品されたされたCB1100Fが2010年にCB1100として発売された経緯があるが、CB1100Rは未発売。今見てもカッコいい!
排気量は900cc説もあるCB1100Rは、1999年が起点
2010年に発売されたCB1100は、ホンダのチーフデザイナーを務めた小濱光可氏が10年越しに提案してきたコンセプトが結実したモデル。起点は1999年の東京モーターショーに出品されたCB Fourで、1969年にデビューしたCB750フォアの30周年を祝う形で出品された。
CBフォアは、「空冷4気筒の機械美を最大限に演出するENG設計(外観)」を最も重視したコンセプトモデルで、これが2007年のCB1100F(コンセプトモデル)へ発展。その際に搭載されたエンジンは公式には1140ccとされていたが、実は900ccだったと当時の情報筋は明かしていた。
実際、CB1100FやCB1100Rのエンジンは2010年に発売されたCB1100(1140cc)よりもコンパクトに見える。砂型鋳造の完全な試作品で排気量は小濱氏のメモによると750cc/900ccが想定されており、実際にその寸法で形にされたのだろう。
これが1140ccと発表された理由は不明だが、2007年の東京モーターショー開催時にはCB1100はCB1300の水冷エンジンをベースに空冷化することが決まっており、その排気量を事前に盛り込んだと思われる。新規エンジンは見送られたが「空冷4気筒の機械美」を守ったのだ。
1万rpmの高回転型! CB1100Rは噂はあったが今日まで発売されず
2007年にCB1100Fと同時に出品されたCB1100Rは、1981~1983年に発売された空冷直4最高峰のCB1100Rと同じ名称を継承したコンセプトモデル。カラーリングやレースイメージを踏襲し、さらにフロント倒立フォークやラジアルマウントキャリパーなどの装備でFに差をつけていた。
また、2眼ヘッドライトの穴がくり抜かれたハーフカウルは、往年の耐久レーサー・RCBイメージで、オイルクーラーもセットされている。ヘッドライトは右がマルチリフレクター、左はプロジェクターと異なる種類にしていることやミラーステーにマウントされたウインカーもユニークだ。
フレームはCB1100Fと同じダイヤモンド型式ながらCB1100R専用の簡素な構造で軽量化を意識。さらに往年のCB1100R(1981年型)と同じようにシングルシーターとし、リアタイヤはCB1100Fよりもワイドな180サイズを履いていた。
CB1100Rも発売の噂は何度かあったが、結局は発売されず今日に至っている。搭載された900ccだったと言われる空冷4気筒ユニットが完成すれば可能性は低くはなかっただろう。今からでも発売してZ900RSに対抗して欲しい!?
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