ヤマハが2015年の東京モーターショーで発表したエレクトリックマウンテントレールのPED2は、2020年にセロー250が生産終了になった今だからこそ、注目したいコンセプトモデル。電動の方がオフロードに強い場合もあるのだ。

エンストしないEVにミッションとクラッチがある強みとは

マウンテントレールとはセロー250のコンセプトで、山道を分け入って前後輪だけでなく両足も使って「二輪二足」で進んでいく低シート高のパッケージのこと。PED2は、エレクトリックマウンテントレールとしているので、EV版セローと言い換えてもいいだろう。

そして、PED2は一般的なEVではあまり使われないミッションとクラッチを装備しており、これがオフロードで有利と考えられる。モーターは低回転からのトルクが強力で、通常これをコントロールユニットで制御しているが、PED2はさらにミッションやクラッチでも調整できるのだ。

例えば、泥地ではまった場合でも2速発進することでスルスルと抜け出せることもあり、エンジン車ではエンストしないように気を遣うが、EVではその心配が不要だ。ヤマハもそれを強調するように「後輪駆動力の多様なコントロールができるクラッチを搭載」としている。

PED2の外観やサイズ感はセロー250に似ており、リアまわりはそのまま流用していると思われる。2015年当時のコンセプトは、セロー250が生産終了しヤマハのオフロードバイクが不在となった現在でこそ輝いて見える。バッテリーなどの技術が追い付いた際はせひ市販化を期待したい。

PED2 [YAMAHA] 2015年東京モーターショーに出品のコンセプトモデル。プロモーション動画では実際に走行もしている。同時発表されたオンロードのPES2と共通のEVユニットを使用する。

駆動はエンジン車と同じチェーンドライブを採用。クラッチレバーはあるがチェンジペダルはない。ヤマハによるとマニュアル/オートモードが選択可能と説明されている。

燃料タンク部分はスケルトンデザイン。セローシリーズには必ず付いているヘッドライトの下の握り手(ハンドルスタンディング)がPED2にも採用されているのはこだわりだろう。

【実例】ホンダのオートマチックオフロードのEZ-9がEVになって2024年発売に

セローとは全くコンセプトが異なるが、同じように手軽にオフロードを楽しめるようにしたホンダのオートマチックオフロードバイクのEZ-9は、1980年代中頃「アウトドアをもっと楽しみたい」というアメリカのファミリーや若者たちのニーズに応えて開発がスタートしたモデル。

EZ-9はスクーターと同じCVT変速機構をコンパクト化してボディに内臓し、チェーンドライブ&スイングアームによって走破性を向上させている。さらにマフラーまでボディ内部に詰め込んでおり、EVにこそ適したパッケージを採用していたのだが、何とこれが2024年に市販されるという。

といっても発売するのはホンダではなく、中国のFELOという新興電動バイクメーカー。元ホンダのエンジニアが立ち上げた会社で、FW-03という名称で発表している。2023年のミラノショーでは市販版がの登場が期待されている。

FW-03 [FELO] どう見てもEZ-9にしか見えない電動オフロードバイク。クローズドコース専用だったEZ-9と異なり、FW-03はヘッドライトも装備した公道モデルだ。

EZ-9(1990) [HONDA] EVのように見えるが1990年型ということに驚く。エンジンはスクーターと同じCVT無段変速オートマでマフラーまでボディに内蔵していた。

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