
「マッスル系バイク」という定番のバイクジャンルがある訳ではないのだろうが、今回ご紹介する車種を見ていただければ「マッスル系バイク」のイメージは間違いなく伝わることだろう。
今回「マッスル系バイク」として括ったのは、スズキ B-KING、ヤマハ MT-01、ヤマハ V-MAX1680、ホンダ X11の4車種。 GSX-1300RハヤブサやCBR1100XXスーパーブラックバードといったメガスポーツや大排気量Vツインエンジンは、強烈なトルクと馬力を発生させる化け物。それを支える武骨かつ強固なフレーム。巨体に見合った大型サイレンサー。大きく張り出すようなデザインのフューエルタンクや、エアインテークなどの外装に強い特徴を持っており、部位だけで車種を識別できるほど個性が強い。
バイクが化け物なら、それを操るライダーもある種の怪物だ。
マッスル系バイクにツアラーのような大型カウルは無い。ライダーを走行風から守ってくれるのは、空力を考慮した異型ヘッドライトとメーターカバーのみ。走行風などものともせず、ビッグトルクとパワーで突き進む。
姿を現せば誰もが注目してしまうド迫力マシンと共に、怪物の世界に君臨してみてはいかがだろうか?
目次
SUZUKI B-KING(GSX1300BK) 新車・中古車をさがす
「brain(脳)、beauty(美)、boost(ブースト)の王」をコンセプトとし、2001年の東京モーターサイクルショウにおいてスズキのコンセプト車両として発表されたバイク。それが B-KING だ。
映画やゲームの世界から飛び出したような近未来的なデザインのコンセプト車であるにも関わらず、そのまま走り出せそうなほど完成度が高く来場者を驚かせた。「近い将来絶対に発売される!」という、期待のこもった噂が飛び交うこと5年。コンセプト車のスタイルをほとんど変えることなく正式に市販化が発表され、待ち望んだファンを一層喜ばせた。
スズキの旗艦GSX1300Rハヤブサ のエンジンをベースにした心臓に加え、鋭いマスクやマッチョなボディ、シート下から後方に伸びる2本の大型サイレンサーなど迫力満点。格好良すぎである。
YAMAHA MT-01 新車・中古車をさがす
開発コンセプトに「鼓動」を掲げられて誕生した1670ccの大型空冷Vツインスポーツ。
フレームへリジットマウントされたエンジンは車体の剛性と強度を向上させているだけでなく、ライダーがVツインの鼓動感を味わえることにも大きく貢献している。
空冷OHV48度Vツインエンジンはクルーザー系エンジンをベースにしたものの、フリクションロス低減や各部見直し、軽量ピストンの採用やフライホイールの軽量化、新設計パーツ・・・など、もはや新しいスポーツエンジンとして生まれ変わっている。
車重260kgを越えるMT-01だが、倒立式フロントフォーク、ラジアルマスターシリンダー、ラジアルマウントキャリパーと、フロント120/70-ZR17、リヤ190/50-ZR17のラジアルタイヤという豪華かつ安心の装備がしっかりと走りを制御しスポーツ走行も楽しませてくれる。
YAMAHA V-MAX1680 新車・中古車をさがす
80~90年代のモンスターバイクの代名詞が初代のV-MAXだ。1985年にアメリカで発売されたV-MAXは1200ccのV型4気筒を積んでおり、一番の特徴は145ps/9000rpmを発生させる「Vブーストシステム」である。
1990年に国内仕様が発売されたが、馬力規制のためVブーストは省略され、最高出力は97ps/7000rpmと扱いやすさを重視したスペックとなっている。
それでも完成された独自のスタイルとV4という魅力的なエンジンによって20年以上のベストセラーとなった。
2008年にフルモデルチェンジ。
V4エンジンとエアインテーク、シャフトドライブといったV-MAXのアイコンがそのまま引き継がれており、ひと目でV-MAX以外の何モノでもないことがわかる。
Vブーストシステムは廃されたが、排気量を1680ccまで拡大し、最大出力は151psとなっている。
デザイン、メカニズムと一切妥協することなくヤマハが作った最高のバイクは200万円オーバーとなった価格もライダー達を驚かせた。
デビュー直後に起こったリーマンショックのあおりを受け、世界的に高級バイクの販売が落ち込んだ影響を逃れることはできなかったが、傑作バイクの1台であることは間違いない。
HONDA X11 新車・中古車をさがす
1997年デビューのメガスポーツバイクであるCBR1100XXスーパーブラックバードをネイキッド仕様にしたのがX11だ。
エンジンやフレームだけではなく、足まわりとブレーキもCBR1100XXをベースとしている。 CBR1100XXは当時の最大のライバルであるカワサキ ZZR1100よりも速い市販車最速を目指して開発された。
残念ながら2年後に登場したGSX1300Rハヤブサの登場によって、その最速の座を明け渡すことになるのだが、ネイキッド仕様のX11の魅力は最高速ではない。
メーカーが作った無骨なマッスル系ネイキッドバイクには、スズキのウルフに通じるものがある。
ちなみにCB1300SFと共通のエンジンを持ち、ローアンドロングのドラッグスタイルに仕立てたバイクがX4だ。