
遠い昔に絶版となったクラシックバイクを、常時稼動に耐えうる状態で維持することは様々な投資が必要だ。
それをグッと身近にしてくれたのが、当時の復刻版として販売されているモデルや、最新だがクラシカルなスタイルを持ったモデルだ。今回はこれらを「ネオクラシック」と称してご紹介する。
近年、バイクにフィードバックされる最新技術や未来的なデザインの採用は著しく、ぼんやりしていたら置いていかれそうな勢いだ。
だが、「最先端の装備やスペック、デザインだけがバイクの魅力じゃない」そんな台詞とともにふと我々を立ち止まらせ、心の中にある「バイクの魅力の可能性」に語りかけてくる。
ネオクラシックバイクはそんな存在なのかもしれない。
スチールフレームに空冷エンジン、オイルクーラーすらないシンプルな構成、フェンダーなどのパーツはクロームメッキが多用され、ホイールには やはりスポークがよく似合う。
シンプル且つ、どこか「ほっ」とするような懐かしいデザインがたまらない。
カスタムは十人十色で、カフェレーサー、チョッパー、トラッカーなど、好みに合わせて如何ようにも仕上げられる。「今週末は、お気に入りのタイトジーンズとバブアーのインターナショナルジャケットで出かけよう♪」と、自分のファッションを考えるのもウキウキだ。
目次
ROYAL ENFIELD BULLET 500 新車・中古車をさがす
もとはイギリスのブランドだが、現在はインド資本のインド生産となっているロイヤルエンフィールド。
基本設計を変えることなく単気筒バイクを作り続けている。 ロイヤルエンフィールドは英国で生産したバイクをインドに輸出してきたのだが、インド政府が警察や軍関係者用として目をつけた。
政府は350ccのBULLET(ブリット)をメーカーに発注し、委託された地場メーカーが組み立てを行っていたが、1962年からは部品を含め完全国内生産となった歴史を持つ。
以来BULLETはロイヤルエンフィールドのフラッグシップモデルとして生産され続け、その歴史はヤマハ SR400を優に凌ぐ。
ネオクラシックバイクというよりも、新車で買うことができるクラシックバイクなのである。
過酷な使用環境にも耐えたシンプルでタフなバイク、それがBULLET500だ。
優美なSR400とはまるで異なる無骨なデザインは、吊るしで乗るのが似合うのかもしれない。歴史そのものを走らせているのだから。
KAWASAKI W800 新車・中古車をさがす
1966年の往年の名車W1(ダブワン)由来の車名を冠するW800。
W800でまず目を奪われるのがエンジンだ。
全体からエキパイフランジまでに刻まれたフィン、カムシャフトを駆動させるベベルギアという独特の機構、おにぎり型のクランクケース、現在のモーターサイクルで最も美しいエンジンの1つだ。
フロント19インチ、リア18インチというホイールサイズがクラシカルな印象をより強くしており、ゆったりとした走りがよく似合い、向いている。街乗りはもちろんだが、バッグ・ケース類で積載性を活かし本格的なキャンプツーリングを楽しむライダーも見られる。キャンプ場付近に多い悪路やちょっとした砂利道、ダートも落ち着いて行けば大丈夫だ。キャブレター仕様のW650では、標高の高い場所を走行するのにアクセルを大きく開ける必要があったが、W800はトルクが増した分楽に走れる。
YAMAHA SR400 新車・中古車をさがす
様々な時代背景の変化や流行り、排ガス規制の強化などでカタログから落ちていく車種が生じてきた中、小さな改良を重ねつつも基本構造を変えずに発売され続けた名車。1978年に登場してから35年以上経つ、ロングセラーモデルだ。
あのスーパーカブでさえ近年にフルモデルチェンジを実施したわけが、SR400には初代から続く血統がそのまま変わらず残っている。「儀式」とも言われるキック始動方式も、変わらないことのひとつ。
また「SRと言えばカスタム」というほどカスタムパーツが豊富で、カフェレーサー、アメリカン、ビンテージモトクロス、ダートトラックなど、様々なスタイルに変幻自在である。もちろんノーマルのスタイルも高く評価され、2012年度グッドデザイン賞の特別賞である「グッドデザインロングライフデザイン賞」を受賞している。
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KAWASAKI エストレヤ 新車・中古車をさがす
「大きめの車体のバイクが多い」というイメージが強いカワサキだが、エストレヤはシート高が低く取り回しも楽で、ベテランのみならず初心者や女性にも愛され続けてきた。「飽きがこないクラシカルなルックス」は外装品だけではなく、エンジンやクランクケースといった機関部の外観にも強く現れている。
1992年の登場から現在に至るまで、ディスクブレーキorドラムブレーキ、サドルシートorダブルシート、キャブorインジェクションといったバージョン違いや、特別なカラーリングを施したスペシャルエディションが発売されてきた。購入を検討する際には、中古車もひっくるめて自分好みのバージョンを探してみるのも良いだろう。
ヤマハ SR400と同様に、カスタムパーツが非常に多く、自分だけの1台を作れるのも魅力の1つだ。
250ccということもあり、たとえば最高速など「速さ」の面では目を見張るものはないのだが、ネオクラシックファンから言わせれば「それがどうした」である。
余談だが、ESTRELLA というスペルから「エストレア」と勘違いされがちだが「エストレヤ」が正解だ。