1960年代、イギリス ロンドンで24時間営業していたカフェ「Ace Cafe(エースカフェ)」。
イギリスの若者達が夜な夜なバイクで店に訪れ、ジュークボックスでかけた曲が終わるまでに、店に戻れるかという公道レースを行っていた。
彼らはロッカーズと呼ばれ、ペイントや装飾を施した革ジャンにリーゼントというスタイルで身を固め、現代でのライダースファッションの原点になったとも言われている。
そんな彼らが公道レースに用いたバイクには、低いセパレートハンドルやハーフカウル、スリムで長めのフューエルタンクにシングルシートといったオリジナルの改造が施されていた。こうした特長を持ったスタイルが、「カフェレーサー」という1つのバイクジャンルとなった。
「どうなるとカフェレーサーなのか?」「ネイキッドとの区別は?」という細かいことを気にする必要はない。固苦しい定義は無いと思っていいだろう。
カスタムのベースにヤマハ SR や スズキ グラストラッカー といった小排気量&シングルエンジンのバイクを選ぶ人も多いが、カワサキ Z1-R や Z1000LTD といったリッタークラスの直4エンジンでも迫力ある立派なカフェレーサーになる。
現代でも根強い人気のカフェレーサー。
今回は、ノーマルでもカフェレーサースタイルとしての特徴を持つバイクをご紹介する。
ファッションにもこだわって、格好よく美しく駆け抜けてほしい。
目次
ロイヤル エンフィールド コンチネンタルGT 新車・中古車をさがす
1960年代に販売されていたコンチネンタルGT250を髣髴とさせるスタイルで蘇った、ロイヤルエンフィールドの新しいカフェレーサー。それがコンチネンタルGTだ。
長いタンクにバックステップ、そしてシングルシートを標準装備したルックスに「これがノーマルなの?!」と驚いてしまうほど完成されたカフェレーサースタイルだ。
535cc単気筒エンジンは外観もレトロな雰囲気に溢れており、外装に負けず劣らずクラシックなスタイルを演出している。
メーカーが「ロイヤルエンフィールドのモーターサイクルの中で、最高の軽さ、最高の速度、最高のパワーを誇る、正真正銘のカフェレーサーだ」と謳う、現代の正統派カフェレーサー。
一目見たら魅了され、記憶から振り切ることは難しい。
※「2シーターキット」というオプションでタンデム可能(要構造変更の可能性があります)
モトグッチ V7レーサー 新車・中古車をさがす
モトグッチと言えば、左右にヘッドが張り出した縦置きVツインエンジンがアイデンティティとなっており、古いモデルから最新までひと目でグッチと分かる。
このモデルは744cc4ストロークOHV2バルブ空冷Vツインエンジンにクロームメッキのタンク、セパレートハンドル、シングルシートカウル、ゼッケンプレートを装備した、メーカー純正のカフェレーサーだ。
1965年に登場し、モトグッチの代表的モデルであるV7の名を継承しているが、V7 Stone、V7 Special同様に新型エンジンを積んでいる。
パーツの大半も新設計もしくは再設計されており、燃料供給にはインジェクションを採用。張り出したシリンダーヘッドは見た目にはカッコいいけれど「転倒した時のダメージが大きいのでは?」と気になるかもしれないが、社外品のスタイリッシュなエンジンガードが発売されている。
ツインエンジンらしい排気音や鼓動感がありつつ、振動は殆どない点は最近のドゥカティのLツインと似ているが、縦置きエンジンならではの直進安定性がある。シャフトドライブ特有の癖(アクセルを開けるとリアが持ち上がろうとする)は昔のモデルに比べると格段に減っており、乗り易くもなっている。
DUCATI スポーツ1000 新車・中古車をさがす
PANTAH(パンタ)系をルーツとした空冷2バルブLツインをベースとした1000ccエンジンは、一般的なエンジンには必ず存在する『回転抵抗』が非常に少なく、大排気量2気筒とは思えない軽やかな回り方が特徴で、その排気音から想像されるような荒々しいフィーリングに反してスムーズで乗りやすいエンジン特性になっている。
フレームはPANTAH系や900SS系と同様にエンジンをぶら下げるような伝統的骨格を採用しており、適度なフレームのしなりを生みやすく2バルブエンジンの特製と相まっている。
スーパーバイクの996系に持つ高性能倒立フォークや、各気筒にプラグを2本配置したデュアルスパークのシリンダーヘッド、改良を重ねて円熟の期に達したインジェクションなど、クラシックな外観に最新機能がさりげなく盛り込まれている。
サーキットで最速タイムと叩き出すような『高性能一辺倒』な特性ではなく、公道で『伝統的なスポーツ走行を楽しむ』のに適した正にカフェレーサーという特性になっているバイクだと言えよう。
HONDA GB250クラブマン 新車・中古車をさがす
1983年にホンダの新たなシングルネイキッドモデルとしてデビュー。
「GB」と名付けられ1960年代をイメージしたクラシカルなスタイルで、時代の先端を行く技術とデザインを盛り込んだCB400SFとは相反する存在となった。
車重が149kgと軽量なため取り回しが楽で、細いタンクは足つきの良さにも貢献している。その為、バイク入門者や女性ライダーにも多く愛された。また、DOHCシングルエンジン(30ps)は、シングルにしては高回転まで回り、街中での追い越しもスムーズ。ワインディングをハイペースで楽しむことも可能だ。
GB250クラブマンの楽しみ方として、「カスタム」は外せない。
アフターパーツメーカーから豊富に発売されている専用パーツは豊富で、原型が分からなくなるほど全身カスタムができるほどだ。 カフェレーサースタイルのベース車としては、もはや定番である。
世界に一台、自分だけのカフェレーサーを駆り、シングルならではの心地よい振動とともに旅に出てみたいものだ。