【和歌山利宏:モーターサイクルジャーナリスト】
スペインのヴァレンシアサーキットで、パニガーレV4に試乗してきました。
EICMAでの発表から2ヶ月余り、これがいかなるものなか、いろいろと想いを巡らせてきたのですが、やはりモトGPマシンのデスモセディッチ直系であるとの期待を裏切ることはありませんでした。
◆EICMAで最も注目されたパニガーレV4は、ドゥカティの伝統の発展形
【Webikeニュース】DUCATI パニガーレV4 和歌山利宏 試乗インプレッション速報
期待をはるかに上回るコーナリング性能
いや、期待をはるかに上回っていたと言っていいでしょう。深いバンク角で、トラクションを掛けながら、さらに旋回性を高めていくことができるのです。
そうした最高水準のコーナリング性能を生かすには、シートに荷重したまま、2次旋回において大きく上体をイン側に入れてやらないといけません。今日の肘を擦るようなライディングフォームはその結果だと思い知らされたのです。
でも、40年前のライディングスタイルがベースにある私には、そのための身体操作はすぐにできるものではありません。体幹部に自分には想定外の柔軟性と筋力が必要で、私が動画の中で「カルチャーショックを受けた」と口走っているのはそのことなのです。
ドゥカティらしいトルク感
とは言え、車体は柔軟で優しく、エンジンはレスポンスもトルクカーブもスムーズそのもので、先鋭化した印象は皆無です。しかも、エンジンのトルク感と鼓動感はドゥカティらしさを主張しています。
多くの人に現在のモトGPマシンの世界を覗かせてくれる、と確信させられたのでした。
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