以前、ハンターカブのフロントフォークスプリングをキタコのスプリングに交換したんですよ。フォークを車体から外さずにスプリングだけ交換する、という簡単交換で。で、そのまま乗ってたんですがせっかくフォークスプリングを交換したなら、人生初のフォークオイル交換もしてみたくなっちゃいまして。強化スプリングに合わせてフォークオイルも硬めにしたいし。なので、あらためてちゃんとフォークを外してのスプリング交換とフォークオイル交換をしていくよ。

スプリング交換だけなら車体に装着したままでもいけるよ

今回はフォークオイル交換なので車体からフォークを外しての作業。フォークを外して、オイルを入れ替えて油面調整という流れ。
ちなみに以前、フォークスプリング交換したときは車体にフォークを装着したままの簡単交換。詳しくは過去記事を見てね。

フォークオイルを純正から交換するということで、せっかくだからちょい固めのフォークオイルにしたよ。
選んだのは、MOTULのフォークオイル エキスパート ミディアムヘビー。粘度は15W。
ハンターカブの純正推奨フォークオイル粘度が10Wなので、それよりもやや硬めになるって塩梅。
ちなみに純正のオイル量は120±2.5cm3。オイルレベルはフォークのてっぺんから140mm。

必要なもの

6mm六角棒レンチ
#2プラスドライバー
10mmメガネレンチ
10mmソケット
12mmソケット
14mmソケット※1
17mmソケット※2
19mmソケット※1
ラチェットハンドル
トルクレンチ
ブレーカーバー
キャリパーボルト(90131-KGH-900)×2
油面調整ツール
マグネットツール
フォークオイル
※1 純正アクスルの場合。キタコ クロモリ中空アクスルの場合17mm×2
※2 純正トップキャップの場合。ZETA フロントフォークトップキャップ イニシャルアジャスターの場合は22mm

キャリパーマウントボルトは一度外すと再利用不可なので、あらかじめ純正ボルトを購入しておこう。

 

あと、油面調整は専用ツールが必要。注射器型が定番だけど、個人的なオススメはこれ、DRCのフロントフォークオイルレベルゲージ。
片手で油面調整できるので作業効率が物凄く良いのよ。

 

フロントフォークを車体から外そう

まずは邪魔になりそうなものを外したり緩めたり

タイヤを外したりフォークを抜いたりするのでフロントが浮いた状態の作業になるよ。固いボルトを外すのが大変になるので、タイヤが接地している状態であらかじめハンドルやブレキーキャリパーなどを外しておこう。

まずは、最初にハンドルクランプのボルトを外してハンドルを邪魔にならない位置にどかしておくよ。クランプボルトのキャップを外して、6mmの六角棒レンチで緩めるだけ。

 

フロントフォークのトップキャップは、ステムに締結された状態じゃないと緩めるのが大変になるので、先に緩めておこう。自分はZETAのイニシャルアジャスターを装着しているので、傷つけないために適当なもので養生して外したよ。今回も破れたニトリル手袋の残骸で養生。
この段階では緩めるだけね。外さないように。

 

次はブレーキキャリパーや、ブレーキホースステーなどを外していくよ。これらもタイヤを外した後だと取るのが大変だからね。ブレーキホースのステーは10mmの工具で。

キャリパーのボルトは上下の2本。いずれも12mmの工具。締結トルクが高いので、ブレーカーバーを使うと楽だよ。再利用不可なので注意。

ABSセンサーのカバーをプラスドライバーで開けたら、ABSセンサーもフォークからを外しておこう。

フォークに締結されているパーツを一通り外したら、次はフロントホイールの取り外し。

初めてフォークを抜く場合は、フロントタイヤを外す前にステムの固定ボルトを一度緩めて硬さを確認しておいた方が良いかも。

フロントタイヤを外そう

フロントタイヤは、アクスルシャフトを抜けばすぐ取れるよ。ディスクブレーキはドラムブレーキよりちょっぴり簡単でいいね。
ノーマルのアクスルシャフトは、ボルト側を14mm、ナット側を19mmの工具で。自分はキタコの中空クロモリアクスシャフトなので、どちらも17mm。

ボルト側を抑えつつ、ナット側を外していくよ。

ナットを外したら、タイヤを持ち上げるように支えつつ、アクスルシャフトを抜こう。そしたらあとはタイヤを外すだけ。

フォークを車体から抜こう

ここまできたらフォークを車体から取り外すことができるよ。ここからが一番しんどい工程かも。

タイヤを抜き取れば、フロントフェンダー裏側のフェンダー締結ボルトにアクセスできるので、10mmの工具で四ヶ所のボルトをはずそう。ただ、フェンダーはフォークに挟まってるので、そう簡単には取れないので慎重に。

フォークを固定している、トップブリッジとボトムブリッジ左右のボルトを6mmの六角棒レンチで緩めよう。

これでフォークを抜き取れるはずなんだけど、抜けない。大抵のバイクはトップブリッジ&ボトムブリッジのボルトを緩めたらすこっと抜けるんだけどな。

どうやらフォークカバーの上下にゴミ侵入防止のゴム部品があって、それが抵抗になってるみたい。全然抜ける気配がない。

なのでシリコンスプレーとかの、ゴムを侵さないスプレーを隙間から吹くことでかなり抜きやすくなった。

多少苦労したけどなんとか抜けた。割と汚れてるのでこの機会に掃除をしておこう。

あんまり頻繁に外すものじゃないので、この機会にフロントフェンダーの裏側も掃除しておこう

フォークオイル交換をしよう

スプリングやカラーを抜こう

トップキャップを外して、カラーやスプリングを抜いていくよ。
フォークが車体に装着されている状態でトップキャップを緩めておけば、簡単に外すことができるよ。

トップキャップを外したら、あとは中のカラーを一通り外してスプリングを抜くよ。使うのはマグネットツール。
ZETAフロントトップキャップの場合は、ちょっと厚めのカラーが入ってる。

次はノーマルにも入ってる長いカラー。見た感じ重そうに見えるけど、そこまで強いマグネットツールじゃなくてなんとか外すことができるよ。

薄いカラーを外したらあとはスプリング。

スプリングも重いけど、小さいマグネットツールでもなんとか持ち上げることが出来た。ただ、油断すると外れて落ちちゃうので、ゆっくりと丁寧に。

古いフォークオイルを抜こう

フォークをひっくり返して、古いフォークオイルを抜いていくよ。
ひっくり返した時点でほとんどは流れ出る。でもそのままだとオイルが残ってるのでもうひと手間。

下向きにしたフォークをゆっくりと縮めたり伸ばしたりすることで、さらにオイルが出てくるよ。

せっかくなので古いフォークオイルのチェック。向かって左側が右フォークのオイルで、向かって右が左のフォークオイル。
わかりにくいけど、右フォークのオイルは結構汚れてた。それに対して左フォークのオイルはけっこう綺麗。

さらにオイルを出し切るために、ひっくり返してしばらく放置。
自分の場合は30分くらい放置したよ。

新しいフォークオイルを入れよう

いよいよ登場、MOTULのフォークオイルエキスパート15Wミディアム/ヘヴィー。
1リットル入りだけど、必要なのは約140ml×2本なので、280mlちょっと。なので、大体3回分は入ってるのね。

指定量は140cm3(立方センチメートル)なので、ざっくり140mlちょっと入れることにするよ。
あとで油面調整するので多少の誤差はOK。というのも正確に140cm3入れたとしても、残ったオイルがあると総量が140cm3以上になっちゃうからね。

オイルを入れる前にフォークをめいっぱい縮めておこう。

そしたらこぼれたり、気泡が発生しすぎたりしないよう丁寧に注ぐよ。

フォークオイルのエア抜き

丁寧に入れても多少の気泡はできてしまうので、エア抜きをしておこう。
手のひらでフォークトップをふさいで、ゆっくりと力を入れて押し込むことで、気泡を減らすことができるらしい。
これを何度か繰り返すのだ。

押し込むのを何度か繰り返したら、さらに気泡を抜くために放置。一晩放置するのが理想らしい。
放置してる間にゴミやほこりが入るといやなので、トップキャップやラップとかで軽く蓋をしておこう。

油面調整をしよう

気泡がなくなったら、フォークオイルの量を適正にするために油面調整。油面の高さを調整するから油面調整ね。
ハンターカブの場合は、フォークトップから140mmの高さに油面があるのが適正量。

そこで使用するのが油面調整ツール。注射器にホースがついたようなタイプがメジャーだけど、自分が選んだのはDRCのオイルレベルゲージ。
独特の形状をしてるけど、このオイルレベルゲージ最大のメリットはスポイト構造により片手で油面調整ができること。

使い方がわかるとマジで革新的なんですよ。
まずは赤のストッパー部分を140mmの位置に調整。ゴールドのボタンを押すだけでリリースできるので調整簡単。ただ、自分みたいにめったに油面調整しない人間の場合は、ワンプッシュでの利便性よりも、ボルトで固定出来た方が良かったかも。

そしたら、スポイトの球部分を握ってまっすぐフォークに差し込むだけ。
球部分が膨らんでいってオイルを吸い上げてくれるよ。
球を握って差し込むのを何度か繰り返すと、じきにオイルを吸い上げられなくなるので、そしたら油面調整完了。

左右フォークの油面が調整出来たら、あとは戻すだけ。

元に戻すよ

油面調整が終わったら、スプリング、フロントショックスプリングジョイント、カラーの順番で入れていこう。気泡が発生しないように、ゆっくりと丁寧にね。

そしたらトップキャップのOリング部分にフォークオイルを塗ってからフォークに仮締め。

フロントフェンダーを間に挟みながら、左右のフォークをステムに差し込んでいこう。
そしたらトップブリッジとステムを仮締め。

あとはタイヤ、キャリパーなどを取り付けていこう。

一通り仮締め出来たらあとは本締め。
トップブリッジとボトムブリッジは29Nm。

アクスルシャフトは59Nm。トルクレンチはナット側ね。

フォークトップキャップは22Nm。

最後にキャリパーなんだけど、キャリパーボルトは再使用不可なので、新品を30Nmで。ちなみに一本売りなので2本購入しておいてね。

最後にハンドルクランプを本締めして完成。

くれぐれも締め忘れのないよう、各部をひととおり念入りにチェックしてね。

まとめ

油面調整の敷居が高くてこれまでフォークオイル交換をしたことがなかったけど、意外なほどに油面調整は楽しくてそこまで敷居も高くなかった。ただ、ハンターカブ特有なんだけど、フォークを抜くのがしんどいね。フェンダーの干渉も相まって結構大変だった。

なお、10Wから15Wと粘度を固くした結果は、個人的には最高の一言。
強化されたフォークスプリングとの相性が素晴らしくて、フロントのポテンシャルが大きくレベルアップした印象。
作業自体もかなり楽しいし、効果も大きいのでメンテナンスとしてもカスタムとしてもオススメよ。

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