KDDIとノキア、日本初となるAI制御で最大50%の基地局電力使用量を削減する実証試験に合意 | 2021年 | KDDI株式会社

KDDIとノキア、日本初となるAI制御で最大50%の基地局電力使用量を削減する実証試験に合意

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~液体冷却基地局では空調の電力使用量を70%以上削減~

  • KDDI株式会社
  • ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社

2021年6月18日

KDDI株式会社 (本社: 東京都千代田区、代表取締役社長: 高橋 誠、以下 KDDI) とノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社 (本社: 東京都港区、代表執行役員社長: ジョン・ランカスターレノックス、以下 ノキア) は2021年6月18日に、携帯電話基地局の電力使用を抑えることでCO2排出量の削減を目指す実証試験 (以下 本実証試験) の実施に合意しました。本実証試験では、ノキアの基地局AI制御技術と基地局液体冷却技術の2つの技術を日本で初めて (該当項目へジャンプします) 商用の携帯電話基地局へ導入します。
基地局AI制御技術では基地局ごとのトラフィック量変化を分析し動的に電波を停波・発射することで電力使用量の最大50%削減、基地局液体冷却技術では基地局設備が収容されている室内にある空調の電力使用量の70%以上削減を目指します。
KDDIは各技術の効果検証とお客さまへのサービス影響の確認結果から、必要な追加開発や対象基地局の抽出を行い、2023年頃の本格導入を目指します。

基地局AI制御と基地局液体冷却の導入イメージ

<基地局AI制御と基地局液体冷却の導入イメージ>

■本実証試験の背景

KDDIは、社会インフラサービスを提供する通信事業者として、SDGsや社会課題に取り組んでいます。その一環として、2050年の脱炭素社会の実現に向け、CO2排出量の削減にも取り組んでいます。KDDIの基地局に関連する電力使用量はKDDI全体の電力使用量の約6割を占めており、基地局の省電力化が重要な課題となっています。
また、ノキアは、最新の科学に基づいた気候変動目標の一環として、平均気温1.5°C上昇の温暖化シナリオに沿って、2019年から2030年の間に温室効果ガス排出量を50%削減することをコミットしています。
本実証試験を通じて、両社は基地局の運用に要する電力使用量を削減し、CO2排出量の削減を目指します。

■本実証試験の概要

ノキアが提供する2つの技術をKDDIの商用の基地局に日本で初めて導入し、お客さまの体感品質を維持しつつ、電力使用量削減の効果を検証します。

1. 基地局AI制御技術 (Nokia AVA Energy Efficiency)

通信事業者のノウハウと、AIによる基地局の電波制御を組み合わせることで、お客さまの体感品質を維持したまま基地局の電力使用量を削減します。AIで基地局ごとの季節変動などによるトラフィック量の変化を分析し、適切な時間帯やトラフィック量を判断して動的に電波を停波・発射します。KDDIの検証環境におけるノキアとの共同検証の結果、トラフィック量が少ない環境では、平均で最大20%、基地局単位では時間帯によって最大50%の電力使用量を削減可能であることを確認しています。
また、基地局の開発ベンダーや通信方式にかかわらず導入が可能であり、将来的にKDDIの多くの基地局への導入も可能です。

Nokia AVA Energy Efficiencyの仕組み

<Nokia AVA Energy Efficiencyの仕組み>

2. 基地局液体冷却技術 (ノキア液体冷却方式AirScaleベースバンドソリューション)

従来の空冷方式より冷却効率の高い液体冷媒で冷却を行う基地局液体冷却機能を導入し、基地局設備が収容されている室内の冷却に使用する空調の電力使用量を削減します。基地局設備の発熱量と空調設備の性能数値を考慮した推定では70%以上の電力使用量の削減が見込まれます。
また、液体冷却装置は基本的にメンテナンス不要かつ無音のため、さまざまな場所への展開が容易です。

<ノキア液体冷却方式AirScaleベースバンドソリューション>

基地局冷却技術の仕組み

<基地局冷却技術の仕組み>

KDDIとノキアは、テクノロジーを駆使しCO2排出量の削減に取り組んでおり、両社は本実証試験の結果も踏まえ、今後もCO2排出量の削減を可能にするシステムの研究開発を実施していきます。

  • 注)
    ノキアが提供する2つの技術をKDDIの商用の基地局に導入すること。ノキア調べ。(2021年6月1日現在)。

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