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スキー コラム 2022年2月25日

終盤戦に入ったアルペンスキーワールドカップ 残り少ないレースにタイトル争いも激化

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総合で2位以下に大差をつけて独走態勢のマルコ・オーダーマット。GSのタイトル獲得の可能性も高い

北京五輪による1カ月弱の中断をはさみ、アルペンスキーのワールドカップは、今週末から再開される。まずは、男子がガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)でスラローム2連戦。女子はクラン・モンタナ(スイス)でダウンヒル2連戦だ。10月末にスタートしたワールドカップの戦いもいよいよ終盤を迎え、残りのレースも数少なくなった。今後は各レースの勝負だけなく、総合及び各種目別のタイトル争いも大きな注目を集めることだろう。

総合で2位につけ、ダウンヒルとスーパーGの種目別で首位を走るアレクサンダー・オーモット・キルデ

男子の総合は、マルコ・オーダーマット(スイス)が2位のアレクサンダー・オーモット・キルデ(ノルウェー)に375点の大差をつけて独走態勢に入っている。優勝争いは、事実上このふたりに絞られた形だ。残りのレース数とその種目構成からすれば、キルデでの大逆転もなくはないのだが、それはあくまで数字上での可能性。ふたりの優勝回数は現時点でともに6。今季のキルデが高速系種目にしか出場していないのに対し、オーダーマットはスラロームを除く3種目で得点を稼いでいるのが大きな強み。さらに彼が圧倒的強さを発揮している最強種目GSがまだ3レース残っているのもオーダーマットとって大きなアドバンテージとなるだろう。

ワールドカップ男子総合順位(2月25日現在)

一方、女子の総合はミカエラ・シフリン(アメリカ)が、ペトラ・ヴルホヴァ(スロバキア)を抑えてトップに立っているが、その差は17点とごくわずか。1レースで簡単にひっくり返る僅少差だ。しかも現在の勢いはヴルホヴァにある。北京五輪ではGSこそ14位とつまずいたが、スラロームでは2本目の大逆転で見事金メダルを獲得したヴルホヴァは、今週末のクラン・モンタナDH2連戦にも出場予定。おそらく今週中にもシフリンを抜いてトップに立つのではないだろうか。

念願のオリンピック金メダルを獲得したペトラ・ヴルホヴァは目標をワールドカップ総合連覇に切り替えた

一方シフリンは北京五輪で大不振に陥り、アルペン・コンバインドとチーム・パラレルを含む6競技に参加しながら、まさかまさかのメダルなしに終わった。とくにGS、スラローム、アルペン・コンバインド後半のスラローム、いずれも1本目のスタート直後に転倒という信じられないミスを犯してしまった。

まさかの大不振に陥ったミカエラ・シフリン。ショックを振り払い、再び本来の強さを取り戻せるか

この極端な不振に大きな精神的ショックを受けていると想像できるが、はたしてシフリンがそこから抜け出すことができるのか、タイトル争いを別にしても、ファンとしては気になるところではある。

ワールドカップ女子総合(2月25日現在)

種目別をみてみると、男子のダウンヒルとスラロームのタイトル争いが面白い。ダウンヒルはトップに立つアレクサンダー・オーモット・キルデから5位ドミニク・パリス(イタリア)までが89点差。ここから先、順位がどう入れ替わるかまったく予断を許さない。なかでも4年連続でこの種目のタイトルを獲得しているベアト・フォイツ(スイス)の5連覇なるかに注目。

ダウンヒル4連覇はかつてフランツ・クランマ(オーストリア)がなしとげたが、5連覇はいまだ前人未到の領域。34才の鉄人ダウンヒラーベアト・フォイツは逆転で5年連続のダウンヒルチャンピオンに輝けるだろうか。

ダウンヒル種目別連覇を狙うベアト・フォイツ。北京五輪でも金メダルを獲得して好調を維持している

男子スラロームはさらに大混戦だ。今季ここまでの6レースで6人が優勝。つまり誰もポイント争いから抜け出していないのだ。現時点でのトップはルーカス・ブローテン(ノルウェー)で8位のロイック・メイヤー(スイス)でさえ、90点差につけている。

大混戦の男子スラローム。北京五輪金メダルのクレモン・ノエルは抜け出せるか

ただし、混戦だけに獲得ポイントは総じて低く、それだけに、残り4レースで波に乗った選手は比較的たやすく混戦から抜け出せるはず。その意味では北京五輪で優勝したクレモン・ノエル(フランス)が有力な候補かもしれない。

北京五輪では途中棄権に終わった小山陽平。8位となったマドンナ・ディ・カンピリオの再現が期待される

女子の種目別では、スラロームでペトラ・ヴルホヴァの初タイトルが決定しているが、残りの3種目はすべてオープンな状態。

女子GSで種目別リーダーのサラ・ヘクターは、北京五輪でも金メダル獲得。今季大きな成長を見せた

ダウンヒルではソフィア・ゴッジャ(イタリア)、GSではサラ・ヘクター(スウェーデン)、そしてスーパーGではフェデリカ・ブリニョーネ(イタリア)がリードはしているものの、まだまだ逆転可能圏内にいる選手も多く、虎視眈々とタイトルを狙っている。そのなかで誰がクリスタルグローブを獲得するのか、どの種目も最後まで緊迫した争いが続くだろう。

文:田草川 嘉雄

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