市川 團蔵さん(いちかわ・だんぞう、本名和雄=かずお=歌舞伎俳優)19日午前7時36分、誤嚥(ごえん)性肺炎による敗血症性ショックのため死去、73歳。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。

 祖父は八代目市川團蔵。56年に初舞台を踏み、その後、二代目尾上松緑に師事。87年、九代目團蔵を襲名した。滋味深さと貫禄を備えた演技で老け役から敵役まで幅広い役柄を演じ、尾上菊五郎さんが主軸を担う舞台などを支えた。

 国立劇場で歌舞伎俳優研修の講師を務め、後進の育成にも尽力。日本舞踊柏木流の十代目宗家も兼ねた。

 今年5月の東京・歌舞伎座への出演が最後の舞台になった。