10月2日(水)〜4日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催された『第51回国際福祉機器展』。フランスベッド株式会社(以下、フランスベッド)のブースを、ニッポン放送・ひろたみゆ紀アナウンサーが取材した。
例年、出展者は300社以上。今年は、福祉業界関係者だけでなく、学生や外国からの参加者も多く見受けられ、終始にぎわいを見せていた。
昨年、介護レンタル40周年を迎えたフランスベッドは、前回の展示では環境に合わせて設置できる『マルチフィットてすり』や、介護ベッド『マルチポジションベッド』などを紹介。
今年の展示のテーマをはじめ、メイン商品やラインナップについて、フランスベッド メディカル川越営業所の佐藤流雲(さとう・はるも)氏に話を聞いた。
「今年のテーマは『自立に寄り添うフランスベッド』です。介護をする方・される方、両者にとってできるだけ快適で負担の少ない商品とは何かを、自立支援の見地から福祉用具メーカーとして開発した商品を数多く展示しております。
ご利用者様の身長に合わせてサイズ調整が可能なマルチフィットベッドをはじめ、オリジナル製品を約60点展示しています。なかでも特にご注目いただきたいのが、新商品の介護用マットレス『サイクリン』です」
介護用マットレス、その多くはウレタン仕様だが、なんと、「サイクリン」は介護ベッド業界では珍しい、寝心地の良いスプリング仕様。
家庭用マットレスでは当たり前のスプリングが、なぜ医療・介護業界で流通していないのか。というのも、スプリング仕様のマットレスはその構造上、曲がりにくく、介護ベッドの特徴でもある「背上げ・脚上げ」に向かないという難点を拭えなかった。
しかし「サイクリン」には、フランスベッドが家庭用マットレスに採用する「高密度連続スプリング®」を使用。さらに、そのスプリングを支える枠線を最小限に抑えながらも、マットレスの構造をキープ。そうして、介護ベッドの背上げ・脚上げの動きに沿って滑らかに折れ曲がる機構を実現したのだ。身体をしっかり支えつつ、リクライニング機構にもフィットすることで、ラクな寝姿勢を約束してくれる。
「要介護になる前は寝心地の良いスプリングマットレスを使っていても、介護状態になった途端、多くの人がウレタンマットレスになってしまいます。そこで弊社では、寝心地を追求した介護用のスプリングマットレスを開発しました」と佐藤氏は語ってくれた。
また、「サイクリン」は中材を、現在展開している「ウレタンフォーム」のほか、「ブレスエアー®」「天然ラテックス」の3種類から選べるのも大きな特徴(「ブレスエアー®」「天然ラテックス」は11月以降の展開予定)。ソフトな肌ざわりと寝心地の「ウレタンフォーム」、通気性とクッション性に優れ寝返りが打ちやすい「ブレスエアー®」、体圧分散に優れ動きやすさを実現する「天然ラテックス」、と細やかに寝心地を選べるのもありがたい。
介護用品・福祉用具レンタルのパイオニアとしても知られるフランスベッド。「サイクリン」に関しても介護保険でレンタルができる。そこで、介護レンタルで大事になってくるのがメンテナンスだ。
普通のスプリングマットレスではレンタルから戻ってきた際、洗浄ができず消毒することで対応していた。その結果、外側の生地が汚れると廃棄するしかなかったという。だが、「サイクリン」は側地(表面生地)が外せて洗えるため、いつでも清潔な状態を維持して利用者にレンタルすることを可能にした。
「常にクリーンな状態を循環、すなわちサイクルできるという意味を込め、サイクル&クリーンで『サイクリン』」なんです」と佐藤氏。「すごくいいネーミング! SDGsで地球にも優しい商品ですね」と、ひろたアナも納得。
最後に、ひろたアナが今後のフランスベッドの福祉用具の展望について尋ねると、
「介護をする方・される方はもとより、今の生活に不安がある全ての方がよりよい生活を送っていただけるように、ご利用者・ご家族様の声に耳を傾けながら、今までになかった福祉用具を皆様にお届けできるよう開発に取り組んでまいります」と語った。
詳しくは、「フランスベッド 介護」と検索して、近くの営業所に問い合わせを。
2025年問題も目前まで迫ったいま、多様な福祉用具の開発に日々取り組むフランスベッドの動向に注目が集まる。