国内最大規模の違法スカウトグループ「ナチュラル」の30歳の幹部の男が警視庁に逮捕されました。メンバーが1000人以上いるというこのグループ。女性を風俗店に紹介するなど、スカウトの成績に応じて「ダイヤモンド」「プラチナ」などとランク付けし、暴力的な制裁もあったといいます。その実態は…。

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22日夜、新宿・歌舞伎町で何度も見られたのは、区が禁止としている“スカウトとみられる行為”です。

記者
「また声をかけていますね、男性が女性に声をかけましたね」

その後、仲間とみられる男性らと話し合う様子もみられました。

声をかけられた女性
「『どこに行くの？　一緒に飲みに行かない？』とか（言われた）」

この女性は過去に同じように声をかけられ、風俗にスカウトされたことがあるといいます。

声をかけられた女性
「『1日に5万から10万稼げるよ、余裕だよ』みたいな。『送り（送迎）あるよ』とか、『いま働いているところどんなところなの？』とか。それと比べて『ここはめっちゃいいよ！』と、『片足つっこんじゃいなよ！』みたいな感じで」

歌舞伎町を中心にスカウトを行っているのが、在籍メンバー1000人以上で国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」です。組織犯罪処罰法違反（強談威迫）の疑いで送検されたのは、その幹部・佐藤雄己容疑者（30）とメンバーの佐久間裕也容疑者（28）です。

警視庁によると、「ナチュラル」をめぐっては、男15人がグループの規約を破ったメンバーの男性を新宿区のマンションなどに9日間監禁し、全治6か月のケガをさせるなどして逮捕されていました。

今年4月、幹部の佐藤容疑者はその男性に対し、「『事件化しません』っていう書面を用意すれば、『これで終わりね』ってできるじゃん」などという言葉で被害の届け出を断念させ、示談に応じるよう迫った疑いがもたれています。示談に応じるよう脅す電話は、数時間にわたっていたとみられることも警視庁への取材で明らかになりました。

一方、監禁事件をめぐっては、幹部の沢田和哉被告（32）や兼子エディ被告（30）らが起訴されていますが、警視庁は2人を近く、監禁事件の被害者への恐喝未遂の疑いでも立件する方針を固めたということです。

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スカウトした女性を風俗店などに紹介し、報酬を受け取っていたという最大規模の“違法スカウトグループ”。ナチュラルは全国に1000人以上のメンバーが在籍していますが、スカウトを行う部隊は5つ存在しているといいます。そのスカウトらを上から「ダイヤモンドプレーヤー」「プラチナプレーヤー」などと成績に応じて“ランク付け”。報酬に差をつけることで競争心をあおる狙いがあったとみられています。

さらに、一般企業のように役割が分担されていて、徹底した警察対策と暴力も伴う支配の実態も分かってきました。

捜査関係者によると、幹部のほかに「経理課」などがあったほか、「ウイルス課」という部署もあるといいます。グループは警察のことを「ウイルス」と呼んでいて、対策を実施。「メンバーが捕まっても『ナチュラル』の名前を出さない」。「銀行口座は使わず現金のみでやり取りする」などして摘発されないようにしていたとみられています。

また、規約に違反した場合、暴力的な制裁を加えることもあったといいます。

お互いを本名ではなく、源氏名で呼び合っていたということです。

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「ナチュラル」の去年の売り上げは、約45億円にのぼるとみられています。警視庁が去年12月から特命チームを組んで捜査したワケは何なのか。

日本テレビ社会部・警視庁クラブ　石浜記者
「違法に稼いだ金がどこに流れていたのか。暴力団に流れていたのではないかというところで捜査を尽くしているところだと思います。そのお金を資源にして暴力団が新しい違法な風俗店をつくる、もしくは特殊詐欺の資金源にする、ここを警視庁が問題視したということだと思います」

警視庁は「ナチュラル」の実態や違法に稼いだとみられる金の流れを詳しく調べています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0f2bb44b264329ca4c338f293fad1bc55c35eb23