フランジ・ねじ込みとパイプの接続を寸法表で確認する方法【基礎】 | 機械屋が化学会社で働いてみた
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フランジ・ねじ込みとパイプの接続を寸法表で確認する方法【基礎】

フランジねじ込みとパイプ接続 配管
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フランジ接続やねじ込み接続では、接続継手とパイプをつなぎ合わせます。

配管設計の基礎的な部分ですが、これらがちゃんと接続可能であることを、図面や寸法表で確認することが可能です。

詳細の設計をする人でなければなかなか見ない資料ですが、ちゃんと情報を選別できる程度の見方を知っておくことは大事なことです。

誰かに任せずに自分一人で考えて判断したり、他人の結果を判定するためには、こういう基礎的な部分こそが大事だと思います。

寸法表をチェック

寸法表の具体的なチェック方法を解説します。

フランジ

JIS B 2220のJIS10kフランジを例にしましょう。

フランジ内径

今回はフランジと配管の接続なので、フランジは内径部の情報が必要です。

内径部の寸法は口径と関係があり、以下の通りです。

20A25A40A50A80A100A150A200A
27.734.549.161.190.0115.4166.6218.0
フランジ内径

一方で、配管側は外径の寸法が必要です。

パイプ

同じように表にしましょう。

20A25A40A50A80A100A150A200A
27.234.048.660.589.1114.3165.2216.3
パイプ外径

意識しないでいると、口径よりもちょっとサイズが大きいという感想を持つ程度でしょう。

この2つを接続させようとすると、寸法に問題がないかを確認する必要があります。

表を並べましょう。

口径20A25A40A50A80A100A150A200A
パイプ外径27.234.048.660.589.1114.3165.2216.3
フランジ内径27.734.549.161.190.0115.4166.6218.0
0.50.50.50.60.91.11.41.7
フランジとパイプ

どの口径でも、パイプ外径 < フランジ内径の関係になっていますよね。

フランジとパイプ

こんな感じですっぽりハマるイメージです。

口径が大きいほど、隙間も大きくなります。

寸法表は一般には、フランジならフランジ、パイプならパイプの情報しかないので、比較するということを怠りがちです。

例えばプラント配管ポケットブックのフランジにはフランジとパイプの比較がありますが、他の書籍では載っていない場合があります。

寸法表は、いろいろな情報が記載されていて、必要な情報を取るのが難しいという問題もあります。

フランジとパイプを繋ぐという単純なものでも、複数の寸法表から必要な情報を読み取って、問題ないことを確認するのは設計者の基礎と言えるでしょう。

フランジにもパイプにも許容差があります。例えばパイプは、小口径では±0.5mmの概形許容差があります。

25Aなら33.5~34.5mmの範囲でパイプ外径が決まり、フランジ内径は34.5mmですね。

設計者であればこういう情報まで調べますが、ユーザー系のプラントエンジニアでは細かく見ない場合が多いです。

しっかり見ているだけでも、実力になるでしょう。

ねじ込み

ねじ込み継手も同じように見ていきましょう。

G3/4G1G1 1/2G2G3G4G6
26.44133.24947.80359.61487.884113.030163.830
継手内径
3/411 1/22346
26.44133.24947.80359.61487.884113.030163.830
パイプ外径

継手内径側のめねじの径とパイプ側のおねじの径が、完全に一致しています。

同じ規格で作るのだから当たり前ですが、継手側はねじ込み継手の寸法表を見て、パイプ側は管用ねじ側の寸法表をちゃんとチェックしましょう。

パイプ外径とねじの径も比較しましょう。

パイプにねじを切るという関係から、以下のような寸法関係になっていないといけませんね。

パイプとねじ

これを寸法表で確認しましょう。

20A25A40A50A80A100A150A
パイプ外径27.234.048.660.589.1114.3165.2
ねじ込み外26.44133.24947.80359.61487.884113.030163.830
ねじ込み内24.11730.29144.84556.65684.926110.072160.872
パイプ内径21.627.641.652.980.7105.3155.2
パイプとネジ込み

ちゃんと、パイプ外径>ねじ込み外径となっていますね。

パイプからねじを切るのだから、当たり前と言えば当たり前ですが、寸法表でもちゃんとチェックできます。

ねじを切り過ぎたらパイプが細くなりますが、どれくらい細くなるかもチェック可能です。

同じ表からねじ込み内径>パイプ内径という関係になっていることが確認できます。

20Aなどでは、厚みが2.8mmあったものが、ねじの場合は一番薄くて1.2mm程度になります。

そう考えると強度的に不安が出てしまいますよね。

信用できない場合にチェック

今回紹介したことは機械設計者の基礎的な内容で、毎回寸法表を見ながらチェックするということはありません。

ただし、ベテランになって全く見なくなるかというとそうでもなく、怪しいと思ったときにはチェックするようにしましょう。

部下の失敗であれ、依頼先のメーカーなどの失敗であれ、基礎的な部分だけに見つかった時の精神的なショックは大きいです。

自分が発見することはできなかったのかと、悔やんでしまいます。

参考

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関連情報

フランジシステム

接続方法

最後に

フランジ・ねじ込みとパイプの接続を、寸法表で確認する方法を紹介しました。

寸法表には複数の情報が記載されており、複数の寸法表を見ないといけないため、本当にあっているのか気になる人も居るでしょう。

そうして1つ1つ確認していくことが、機械設計者としての基礎を高めることになります。

ベテランになっても、不安は消えないものであり、ケースに応じてチェックできるようにしましょう。

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